小野伸二、本田圭佑さえも成し得なかった“快挙達成”も!?  フローニンヘン堂安律が開幕スタメンを掴めそうなワケ

小野伸二、本田圭佑さえも成し得なかった“快挙達成”も!? フローニンヘン堂安律が開幕スタメンを掴めそうなワケ

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  • 更新日:2017/08/12
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5月のU-20ワールドカップでは4試合で3得点をマーク。グループリーグ3戦目のイタリア戦では2ゴールを奪い、世界へその名を知らしめた。写真:サッカーダイジェスト

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6月25日の川崎戦を最後にオランダへと旅立った堂安。果たして、8月13日の開幕戦(対ヘーレンフェーン)でスタメンデビューとなるか? (C)SOCCER DIGEST

G大阪からオランダ1部・フローニンヘンに移籍したMF堂安律が、8月13日に小林祐希を擁するへーレンフェーンとのエールディビジ開幕戦を迎える。堂安は開幕前最後の練習試合となった8月2日のレアル・ソシエダ戦でスタメン起用されており、先発出場の可能性は十分にある。

これまでエールディビジに挑戦した日本人選手を例に挙げれば、小野伸二も、そして本田圭佑も、移籍1試合目は先発のピッチには立っていない。19歳の堂安がいきなりスタメンを掴めば、快挙と言えるだろう。

2001年に浦和からフェイエノールトに移籍した小野(当時21歳)は、スパルタとの開幕戦に途中出場。08年1月、VVVフェンロに移籍した本田(当時21歳)も、シーズン途中での加入という事情もあり、初戦のPSVアイントホーフェン戦は後半からの出場だった。

移籍会見で堂安は、新天地にフローニンヘンを選んだ理由を「一番は熱意というか、自分を戦力として出場させたい気持ちが伝わってきたので決断しました」と語っている。練習試合で出場機会を得ている事実からも分かるように、レギュラー候補として認められているのは間違いない。

堂安が先発の座を掴み取るとすれば、もうひとつの理由が考えられる。堂安と言えば、オフェンシブな能力が魅力だが、G大阪時代に長谷川健太監督の下でハードワークも身につけている。

高校2年時に16歳でトップチーム入りした堂安だが、プロで最初にぶつかった壁が守備だった。

15年6月3日のJ1リーグ鹿島戦で、宇佐美貴史(現・アウクスブルク)の記録を塗り替える16歳11か月18日でのクラブ史上最年少リーグ戦デビューを果たした。しかし15年の出場は、この試合も含めて公式戦でわずか3試合。さらに翌16年も4試合のみの出場にとどまっている。

その理由は、当時中盤2列目サイドのポジションを争っていた阿部浩之(現・川崎)、大森晃太郎(現・神戸)との争いに敗れたからだった。

長谷川監督は、サイドハーフに攻守にわたってハードワークできる阿部、大森を重用した。一方で堂安に対しては、そのポテンシャルを高く評価する一方、特別扱いはしないと言い切り「阿部や(大森)晃太郎のレベルで守備もできないと、なかなか使うことはできない」と断言していた。 そんな状況に、プロ2年目を迎えていた16年のシーズン途中、堂安は焦っていた。J3では21試合・10得点を挙げたが「このままJ1で試合に出られなければ、すぐに同年代の選手に抜かれてしまう。ユースでやっている同級生にも追いつかれるかも、って思うこともある」と苦しい胸の内を明かしたこともあった。

16年7月にはオランダ1部の名門・PSVからの正式オファーが届いたこともあり、移籍へと心が傾いた時期もあった。

しかし、G大阪で結果を残さないまま移籍することは、本意ではなかった。長谷川監督ら周囲の説得もあり、残留を決断。すると不安を振り払うかのように、堂安は走り始める。

「守備も全力でやらないと、試合には出られない。とにかく、やるしかないんです」とJ3の試合でも上下動をいとわず、時には両足がけいれんするまで走りきるようになる。すると、元々備えていたフィジカル面での力強さを、守備の局面でも出せるように適応していった。

そして17年、阿部が川崎へ、大森が神戸へと移籍。すると長谷川監督は、機は熟したと見てG大阪でもレギュラーとして起用し始めた。堂安はこのチャンスを生かし、Jリーグで10試合・3ゴールと結果を残す。さらにU-20ワールドカップでの活躍もあり、一気に世界中から注目される存在に。そしてフローニンヘンからのオファーを受け、海外移籍のチャンスを掴みとった。

Jリーグでは3年間で15試合しか出場していない。U-20ワールドカップのイタリア戦でドリブルからスーパーゴールを決めたとはいえ、「まだあまりプレーを見たことがない」というサッカーファンもまだ多いはずだ。

ここで堂安のプレースタイルに触れてみる。ガンバユース時代は、左利きで同じくフィジカルが強い同ユース出身の家長昭博(現・大宮)2世と噂されていた。密集地帯でパスを受けて、味方をつかったワンツーなどで状況を打開するプレーを好む当たりは香川真司(ドルトムント)とも近いが、相手DFをはじき飛ばすようなフィジカル面での力強さは、本田圭佑(パチューカ)をイメージさせることもある。

もちろん、香川のようなゴール前での冷静さはまだ備えていないし、本田のように相手DFを背負ってのプレーは得意ではない。しかし技術×パワーという、両面に強みを持っていることは確かだ。本人は理想の選手にリオネル・メッシ(バルセロナ)、そしてパウロ・ディバラ(ユベントス)を挙げており、ストライカー周辺でのプレーを好む傾向にある。

実際、アルゼンチン人プレーヤーが見せる重心の低いドリブルから、ひらめきにあふれたシュートやパスにつなげるプレーを得意としており、彼らに通じる部分はある。

それでも若く才能にあふれた攻撃的な選手が、守備面でのデメリットのためにスタメンの座を奪えないという例は、世界中のサッカーシーンで無数に存在する。堂安にとってG大阪の先輩に当たる宇佐美も、やはり守備の弱さを指摘され、昨季のブンデスリーガでは苦戦していた。

しかしJリーグでその壁にぶち当たり、乗り越えてきた堂安の中で、今や守備の不安は大きくないはずだ。自らボールを奪い取り、そしてゴールへ向かう。無限の可能性を秘めた19歳の挑戦が、いよいよオランダの地で始まる。

文:金川誉(報知新聞)

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