謎の巨石文化、イースター島のモアイ像を作った人々のルーツ

謎の巨石文化、イースター島のモアイ像を作った人々のルーツ

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2017/11/26
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かつて文明が繁栄し、その後消滅したイースター島は、私たちの想像と好奇心をかきたてる場所だ。島民はどこからやって来て、外部の人々とどのような接触を持っていたのか。それらの謎の一部が、カリフォルニア大学サンタクルーズ校のチームが行った人骨のゲノム解析の結果、明らかになった。

南太平洋に浮かぶ孤島、イースター島(現地の言葉でラパヌイ)の人口動態は長年、議論の的となってきた。大陸から遠く離れた島で、なぜ突然人口が増えたのか。そして農業やモアイの建設を行うほどの高度な文明が、急に消えた理由は何なのか。これまでの研究では、1722年にヨーロッパ人が島に上陸するはるか前に、島民は南米の人々と交配していたと考えられてきた。

しかし、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究者が「Current Biology」に発表した論文によると、同チームが分析した島民5人の骨からは南米を起源とする遺伝物質が見つからなかったという。これらの人骨標本はイースター島のアナケナで発掘され、博物館に収められていたもの。5年前にも分析されていたが、研究チームは最先端のDNA解読技術を使って新しい事実を発見した。また、5人のうち3人は1722年以前、2人は1722年以降に生きた人間であることが判明した。

今回の発見は、ヨーロッパ人の上陸以前に島民と南米人の接触がなかった可能性を示唆する。島民のルーツが南米にあるとする以前の研究結果は、人骨の年代を科学的に測定する方法ではなく、統計モデルをベースにしており、これまで考えられてきた南米人との接触時期が間違っていた可能性が出てきた。

「奴隷狩り」で島民は連れ去られた?

もっとも島の歴史については、依然として多くの事柄が謎に包まれている。過去には、島に巨大な像を作って動かす技術や知識がなく、モアイは南米からやって来た人々の力で建てられたという説が有力だったが、最近の研究により島民が自力で建設し、移動させたことがわかっている。同時に、モアイ建設時に南米からもたらされた疫病によって島人口が消滅したという説も否定された。

また、モアイの建造と移動のために島中の木を伐採した結果、生態系が崩れ、食糧不足に陥った島民が武力闘争を始めて人口が激減したという説も、発掘された頭蓋骨に武器による傷跡がほとんど見られないことなどから、現在は覆されつつある。前出の論文著者の一人であるカトリン・ジャーマンは「The Conversation」に寄稿した記事で、19世紀の南米人による奴隷狩りが島人口を100人強までに減らしたと述べている。わずかに生き残った島民はやがて疫病や抗争で死んでいった。それが高度な文明を持つ、不思議に満ちた人々の悲劇的な最期だった。

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