学校も生徒動員、牛糞集め 遊牧民の燃料 牛糞の山の高さは豊かさの証し

学校も生徒動員、牛糞集め 遊牧民の燃料 牛糞の山の高さは豊かさの証し

  • THE PAGE
  • 更新日:2017/08/18
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奥に見えるのがアルガル・イン・タラン、手前が今年の新しい牛糞、これから乾燥させ、来年に使う=シリンゴル盟・シローンフブートチャガン・ホショー(2012年3月撮影)

日本の3倍という広大な面積を占める内モンゴル自治区。その北に面し、同じモンゴル民族でつくるモンゴル国が独立国家であるのに対し、内モンゴル自治区は中国の統治下に置かれ、近年目覚しい経済発展を遂げています。しかし、その一方で、遊牧民としての生活や独自の文化、風土が失われてきているといいます。

内モンゴル出身で日本在住の写真家、アラタンホヤガさんはそうした故郷の姿を記録しようとシャッターを切り続けています。内モンゴルはどんなところで、どんな変化が起こっているのか。

アラタンホヤガさんの写真と文章で紹介していきます。

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内モンゴル自治区の地図

春には、欠かせないもう一つ大きな仕事がある。

アルガル・ホリヤホという(アルガルは乾燥させた牛糞のこと、ホリヤホは集めるという動詞)つまり燃料である牛糞を集めることである。

牛が多い家族は冬の間に毎朝、牛の寝所に残された牛糞を集め、小山にしておく。これが春になると風と太陽によって、乾燥される。その小山の牛糞を一箇所に集め、長さ5~6メートル、高さ1.5メートル、幅2メートルぐらいの長方形に積んでおく。これをアルガル・イン・タランという。

牛が少ない家族はさらに牧草地に出かけ、牛糞を集めることがある。20数年前に、ソムという地方の小中学校がまだ廃止されてない時代は、春になると学校が1週間ほど学生たちを動員し、牛糞集めを行っていた。

昔、このアルガル・イン・タランを遠くから見た客は、この一家族はどのぐらい豊かであるとか、どのぐらい勤勉かがわかる、とよく言われていた。(つづく)

※この記事はTHE PAGEの写真家・アラタンホヤガさんの「【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮るーアラタンホヤガ第2回」の一部を抜粋しました。

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アラタンホヤガ(ALATENGHUYIGA)
1977年 内モンゴル生まれ
2001年 来日
2013年 日本写真芸術専門学校卒業
国内では『草原に生きるー内モンゴル・遊牧民の今日』、『遊牧民の肖像』と題した個展や写真雑誌で活動。中国少数民族写真家受賞作品展など中国でも作品を発表している。
主な受賞:2013年度三木淳賞奨励賞、同フォトプレミオ入賞、2015年第1回中国少数民族写真家賞入賞、2017年第2回中国少数民族写真家賞入賞など。

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