防水性能にデュアルカメラを備えた、モトローラっぽくてモトローラっぽくないスマホ『Moto X4』

防水性能にデュアルカメラを備えた、モトローラっぽくてモトローラっぽくないスマホ『Moto X4』

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/14

■連載/石野純也のガチレビュー

ドイツ・ベルリンの家電見本市、IFAで発表された「Moto X4」が、日本に上陸した。同モデルは、モトローラらしからぬ外観が特徴となる、ミドルレンジ上位のスマートフォン。デュアルカメラを搭載し、背景をボカすなどの撮影も楽しめる。ベータ版という位置づけだが、写真の一部分だけをモノクロにしたり、切り抜きができたりする機能もおもしろい。

ネットワーク面では、先に発売されたMoto G5s Plusに続き、au VoLTEに対応。IP68に対応した防水仕様も、これまでのモトローラ端末にない魅力といえるだろう。そんなMoto X4を借り、実際に使ってみることができた。一皮むけたモトローラ端末の魅力をお伝えしていこう。

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モトローラの最新モデル「Moto X4」

■モトローラらしからぬ洗練されたデザイン

モトローラというブランド名を聞いて、何を思い浮かべるかは人それぞれだと思う。古くから携帯電話を開発してきたメーカーなだけに、十人十色なイメージがあるだろう。その中でも、“無骨な端末”というキーワードは、比較的共感されやすいものかもしれない。SIMフリースマホとして投入された端末を見ても、金属素材を使い、どことなく頑丈そうなものが多い。

それに対し、Moto Xは背面にガラス素材を採用。全体として、より優しい雰囲気になっているうえに、時計のベゼルのように仕上げられたカメラ部分なども、精緻に作り込まれている。背面にはおなじみの「M」マークがプリントされているが、これまでのモトローラ製品と、雰囲気は大きく異なる。背面の左右は、わずかにカーブしており、持ちやすさも向上している。ガラスのため、手に取ったときの当たりが柔らかいのもうれしいポイントだ。

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背面はガラス素材を採用

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デュアルカメラは、時計のベゼルのようなデザイン

前面には、指紋センサーが配置されている。ハイエンドモデルでは、全体がディスプレイになり、ベゼルをギリギリまで細くするのがトレンドになっていることもあり、やや古いデザインランゲージに見えてしまうが、実用性は高い。この位置に指紋センサーがあると、机やテーブルの上に置いたまま、サッとロックを解除できるからだ。この点は、デザインと実用性のトレードオフといえるかもしれない。

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前面には指紋センサーを備える

フロント上部にはカメラと、セルフィー用のフラッシュが搭載されている。左右に分かれて配置されているため、“目”のように見えるが、ここはもう少し、目立たないように処理してほしかったというのが率直な印象だ。とはいえ、これまでのモトローラ端末に比べると、無骨なイメージはだいぶ薄くなっている。どちらかというと男性向けという印象の強かったモトローラの端末だが、Moto X4のようにキレイにまとめられていると、性別を問わずに受け入られそうだ。

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セルフィー用のフラッシュを搭載

■デュアルカメラの実力はどうか? UIには要改善な部分も

背面には、1200万画素と800万画素、2つのカメラが搭載されている。この視差を活かし、背景にボケ味をつけた撮影をすることが可能だ。デュアルカメラ搭載端末では一般的になりつつある機能に、モトローラもしっかりキャッチアップしてきたというわけだ。撮影中に、ボケ具合を変更することも可能。背景がキレイにボケると、被写体が際立って見える。

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背景をボカした、きれいな写真を撮ることが可能

一方で、モードの変更が少々しづらいと感じた。理由は、アイコンに説明が入っていないため。縦に持つと、各機能のアイコンの横に「プロフェッショナルモード」や「顔フィルタ」「深度の有効化」といった文字での説明がつくが、横に持っているときはアイコンだけしか表示されない。そのため、どのアイコンがどの機能なのかが、直感的に分かりづらい。何度も撮影して覚えてしまえばいいが、そのハードルが少々高いと感じた。

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横位置にするとアイコンの説明が出ず、モード変更がしづらい

ユーザーインターフェイス(UI)が不親切という点は、撮ったあとも同じだ。Moto X4の写真は、Googleフォトで管理する仕様で、オリジナルのフォトビューアーはプリインストールされていない。この点はいいとしても、ボケ具合を編集できる機能を、どう呼び出すかが分かりづらい。深度が記録された写真を開き、編集ボタンをタップして「深度エディタ」を起動するという手順が正解になるのだが、ワンタッチでボケ味を編集できないのは、少々残念だ。

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深度を使った写真編集をする場合は、「深度エディタ」を呼び出す

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そもそも、「深度の有効化」という単語が、何を意味しているのかが分かりづらい。ローカライズの際に、もう少し分かりやすくするなど、工夫が必要だと感じた。ちなみに、深度を有効化して撮った写真は、あとからボケ味を変えられるだけでなく、フォーカスの当たっている被写体だけに色を残したり、背景を切り抜いたりできる。こうした+αの機能が入っているのは評価できるポイント。デュアルカメラの活用の幅を広げるという意味でも、歓迎できる機能だ。

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背景だけをモノクロにしたり、被写体を切り抜いたりできる

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ただし、深度の判定が非常にシビアで、試し撮りした写真だと、うまく背景が切り抜かれなかった。被写体以外をモノクロにする機能も、なかなか思い通りにいかない。写真を撮る際に、これらの機能がどこまで効くかを予想するのは難しいため、もう少し、機能の精度を上げてほしいところだ。機械学習やAI(人工知能)を使って、被写体をより正確に見分けるような改善も必要になるだろう。

■モトローラ端末らしい、クセのないUI

「Pure Google」を売りにするモトローラだけに、UIは非常にシンプル。メーカーによるカスタマイズも、最小限に抑えられている印象を受ける。ホーム画面のデザインは、Android OneやNexusシリーズなど、Google純正の端末に近い。

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UIは、Android純正のそれに近い

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シンプルながら、独自機能も加えられている。それらを呼び出すのが「Moto」アプリ。Windows PCでWebサイトにログインする際にMoto X4の指紋センサーを使える「Moto Key」や、ゼスチャーでの操作を可能にする「Moto Actions」などの機能を、このアプリから設定できる。ただし、音声操作の「Moto Voice」は日本語が非対応。今後のバージョンアップに、期待したいところだ。

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モトローラが拡張した機能は、「Moto」というアプリにまとめられている

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Moto X4は、モトローラの端末として、au VoLTEに対応した2機種目のスマホになる。ドコモ系、au系、ソフトバンク系と、3キャリアのMVNOに対応しており、SIMカードを選ばないのはうれしいポイント。文字通り、キャリアフリーで使えるということだ。

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au VoLTEに対応しており、3社のSIMカードが使える

ミドルレンジ端末だが、チップセットはSnapdragon 630と比較的性能が高く、メモリ(RAM)も4GB搭載されているため、パフォーマンスも高い。ハイエンド端末向けに作り込まれたゲームなどを遊ぶのでなければ、十分なパフォーマンスといえる。ブラウジングの際の引っかかりなどは、一切感じられなかった。ベンチマークスコアも、良好だ。

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一部ハイエンドには及ばないが、ミドルレンジ上位のパフォーマンス

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ただ、ソフトウェアの作り込みで、気になるところもあった。初回セットアップ時に、なぜかマイクロソフトのOutlookアプリが立ち上がろうとして失敗してしまい、使い始めるまでに時間がかかってしまった。アプリが終了して、画面が戻ってしまうため、いつまで経っても初回セットアップが終わらないという現象が発生した。

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初回セットアップに何度も失敗した。この部分は要改善だ

Wi-Fiにつながずセットアップをやり直したところ、エラーは出なくなったが、いきなりつまずいてしまったのは少々残念。ネットの口コミを調べてみると、同じようなトラブルに見舞われたという声も見かけた。出荷前にきちんとテストしてほしいし、回避策はオフィシャルにきっちり告知しておくべきだと感じた。先に挙げたUIの作り込みも含め、もう一段のブラッシュアップがほしいところだ。

【石野's ジャッジメント】
UI         ★★★
レスポンス     ★★★★
バッテリーもち   ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
アプリの数     ★★★★★
文字の打ちやすさ  ★★★★
質感        ★★★★
撮影性能      ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

■連載/石野純也のガチレビュー

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