指揮者 齋藤友香理【アーティスト自身による 自画自賛 Vol.23】

指揮者 齋藤友香理【アーティスト自身による 自画自賛 Vol.23】

  • TOKYO WISE
  • 更新日:2018/04/17
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2018.04.17

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アーティスト自身による 自画絶賛 Vol.23 指揮者 齋藤友香理

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指揮者という生き様を生きる 女性指揮者の新星、齋藤友香理が語る“指揮者”とは何か

齋藤友香理。この名前を覚えておくと、いずれクラシック好きの中で話題になるだろう。というのも、日本人女性指揮者という稀有な存在であると同時に、オーケストラの本場であるドイツで今現在、活躍しているからだ(それは相当に厳しい環境だということには疑いはない)。しかも、昨年は若手指揮者の登竜門と呼ばれるブザンソン国際指揮者コンクールで優勝こそ逃したものの、聴衆と楽団から贈られる最優秀賞を獲得したのだ。このコンクールは若き日の小澤征爾氏が1959年に優勝し世界へと羽ばたいたことでも知られる突出したコンクールだということは広く知られている。
さて、齋藤友香理氏はこの賞をきっかけとしてどう羽ばたいていくのだろうか。彼女自身が語る、指揮者という途には何が横たわっているのだろうか。

指揮をすると言う快感

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私自身は、音楽大学で最初はピアノを専攻していました。その中で、ピアノを巧くなるために指揮も勉強しようとしていたところから、どんどんその魅力に惹かれて、卒業後も指揮の勉強を続けることになったのです。

そこで指揮に“ハマる”きっかけとなったのは、何と言っても百数十人のオーケストラの楽団員を一気に動かしているという瞬間を感じる時でした。それは本番の時だけでなく、リハーサルの時にも起こります。なんという高揚感!そんな感じです。ひょっとするとアスリートの“ゾーン”のようなものかもしれません。

極端な例かもしれませんが、新しい楽団を指揮するのは、いきなり新社長がきて100人の社員を動かす感覚かもしれません。その際重要になるのが、古参の専務取締役的なコンサートマスターです。まず様子を見つつ、彼を通して全体をマネージメントしていくということです。指揮者は建築家でコンサートマスターは現場監督という感じでしょうか。その時に、自分のやりたい音楽と彼ら(楽団)の持っている素養を組み合わせながら、徐々に自分のやりたい音楽に近づけていくという感じがリハーサルです。その意味では、本番の演奏以上にリハーサルは重要で、本番の際にはほぼ出来上がっているということになります。

クラシックを振るということ

クラシックの楽曲はほぼそれぞれのオーケストラで初演というのは少なく、この指揮者は、この曲をどう演奏させようとするのかというのをオーケストラ側は待ち構えています。つまり想像以上の高いレベルでの共感というのが必要になってきます。それは、指揮者とオーケストラの関係だけでなく、聴きに来る観客との間でも起こります。
観客の皆さんは、すでにその曲を別の指揮者、オーケストラですでに聞いていて(レコードでかもしれませんが)、さて、この指揮者はどう料理するのだろうというのを待ち構えているのです。最高を知っている人たちの前で、それを越えなければならないというプレッシャーはとても大きいものです。
その意味で、落語家に似ているのかもしれませんね。同じ譜面を使っても、出てくる音は解釈によって全く違う。落語の古典もそうです。
しかも、指揮者は最初と最後以外は客席に背を向けているんです。お尻向けているのに、一番ギャラが高いのですから、重責はこちらにあります。

ヨーロッパから日本へ

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現在、私はドレスデンを拠点に様々なオーケストラで客演をしていますが、今年からバイエルンの国立歌劇場で、今最も注目されている指揮者キリル・ペトレンコのアシスタントに就任することとなりました。彼は今期よりベルリンフィルの首席指揮者に就任することとなっています。そんな彼の元でさらに指揮を磨くことができるというのは大きなチャンスだと思います。そして、今年5月には久しぶりに日本で指揮をするチャンスをいただきました。東京交響楽団とバイオリニストのアンティエ・ヴァイトハースさんと共にメンデルゾーン ヴァイオリン協奏曲などを演奏するのですが、私の目指す指揮というのはどういうものなのか、ぜひ聴きにきていただきたいですね。

基本的には一時帰国という形になりますが、今年はドイツだけでなく、日本の様々な交響楽団と演奏をしたり、フランスやイギリスなど様々な国で指揮をしてみたいと思っています。

指揮者というある意味特殊な職業であり芸術家という道を選んだ齋藤氏。彼女の今後の活躍は、クラシックという世界に必ず新しい風を吹かせてくれるだろう。

(Text:Y.Nag)
(Photo:Masashi Nagao)

齋藤友香理
東京都出身。桐朋学園大学でピアノ専攻し、のちに指揮者に転向。大学卒業後はローム ミュージック ファンデーション「音楽セミナー〈指揮者 クラス〉」で小澤征爾、湯浅勇治、三ツ石潤司各氏の指導を受ける他、新日鉄住金文化財団の「指揮研究員制度」で学ぶ。2013年よりドレスデンに拠点を移し、ドレスデン音楽大学大学院 オーケストラ指揮科に在籍し、ゲオルグ クリストフ・ザンドマン教授に師事。
2015年、若手指揮者の登竜門とも言われ、1959年に小澤征爾さんが優勝したことでも知られるブザンソン国際指揮者コンクールで、聴衆やオーケストラが選ぶ二つの「最優秀賞」を獲得。2017年10月にはウィーンの公演においてトーンキュンストラー管弦楽団とダニエル・オッテンザマー氏と共演を果たす。
また、2018年には東京交響楽団、読売交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、兵庫県立芸術文化センター管弦楽団との共演が予定されている。

東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第103回
出演:[指揮]齋藤友香理、[独奏・独唱]アンティエ・ヴァイトハース(vl)、東京交響楽団
日程:2018年05月12日(土)14:00 開演
場所:東京オペラシティコンサートホール
URL:http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=s9Bg8Xm9FGo%3D

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