なぜ、オジサンは風呂あがりに股間をドライヤーで乾かすのか?

なぜ、オジサンは風呂あがりに股間をドライヤーで乾かすのか?

  • @DIME
  • 更新日:2017/08/12

■連載/カーツさとうの最強サウナ熱伝

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(写真はイメージです。本文とは関係ありません)

前に金冷法ジジイの話を書いた。

銭湯の水風呂と熱い湯船の間のヘリに座り、湯船の湯を股間にジョバー、冷たい水を股間にジョバー、湯をジョバー、冷水をジョバー……を延々と繰り返している、いい年こいていまだにエロ願望満載ジイサンの話だ。

しかし、そんなジジイは面白いだけで、特に人に不快感を与えるものでもなんでもない。

今サウナや銭湯で“股間ドライヤー”というのが問題になっているらしいって話は聞いたことがあったんだが、この前、とんでもない“股間ドライヤージジイ”をこの前見たのだ!

とんでもないって、どの程度とんでもないか? っつうと……よし、この話は今日のオオトリにしよう。

そんなオオトリの前に、前座としてもう一人ナイスなキャラオヤジについてまずは書こう!

発見地は埼玉は草加の『SKセンター』。この施設は、その名前だけ聞くと年寄り集会所と思われがちだけど、その実態はとんでもなく熱密度の濃いサウナ室と、前代未聞の攪拌力で体感温度が極地並の水風呂を有す、マニア垂涎サウナなんだけど、そんな灼熱のサウナ室に問題のオヤジはいらっしゃった!

サウナの苦手な人ならば、入った瞬間に、

「のぼせました!」

っていいかねない熱気の籠もった部屋の、それもサウナストーブのすぐ横で、そのオヤジはスクワットを繰り返していた。

いや、たまにいるんだよ、サウナ室で運動とかしちゃうヤツ。空いてたりすると、それこそスクワットやったり、中には腕立て伏せしている人も見たことある。でも、そんな長いことできるワケないじゃない、この熱さの中。せいぜい十回程度で「ウヘ〜」なんつって辞めて、もう運動したことで完全に体もいっちゃってるんで、すぐにサウナ室から御退場ってパターンなのね。

そのオヤジもオレがサウナ室に入った時にはすでにスクワットを初めていたから、こりゃあすぐ辞めて御退場パターンだな……と思ってたんだけど、いつになっても辞めないんだよ。

それもご丁寧にサウナストーブのすぐ横でスクワットを続けている。2〜3分が経過し「ウソだろ?」と思ってもまだやっている。

いいですかスクワットですよ。普通の人なら、涼しい所でやったって40回もやりゃあ足の筋肉がパンパンになってきますよ。それをサウナ室で、おそらくはもう100回くらいやってるんじゃないだろうか? それもやってるのプロレスラーじゃないよ。体つきはガッチリしてたけど、まちがってもアスリートとはいえない体形の、どう見ても50才は超えてるようなオヤジですよ。

そんなオヤジが「フンッ! フンッ!!」という掛け声までかすかに発しながら、延々スクワットに没頭している。その姿は幽鬼というか、ほぼ力石徹!! あの矢吹丈戦の為地獄の減量を行っていた時の力石徹そのものだ!

『サハラの幻影をサウナに見るか』

「オレ、サウナにのぼせて幻でも見てるのかな…」

サハラ砂漠で遭難し幻想を見るのと同じ状態なのでは? と我が身の健康状態を一瞬疑うほどに、そのオヤジの健康への執着は一線を越えたものがあった。

サウナ室内の温度は、ベンチの高さが一段変わると10度変わると言われている。だからあのオヤジさんも、一回スクワットするごとに、まぁベンチ2段分は頭部が上下してますから、推察温度で下にいっては60度、上にいっては80度というものすごい温度変化を顔で感じながら運動してるんだなァ。

雰囲気的に常連さんっぽいから『SKセンター』行くと、拝観できるかもしれない、鬼気せまるリアル力石徹の躍動を!

さ、いまのは力石オヤジは前座も前座です。時々いそうだし。

さぁオオトリの“股間ドライヤージジイ”だ!!

いや、オレも人生の中で数人ほど遭遇したことはあるのだが、一部では問題になってるそうですよ。股間ドライヤー!! 家でならともかく公衆の場でやるのは「いかがなもんか?」ってことですよ、股だからさ。

でもオレ、そういのってほとんど気にしないのね。しかし、そのジジイだけは気になった、というか面白かった、壮絶に。そんなジジイのジジツをお伝えしたい。

この連載でも何回か書いてる横浜・鶴見のサウナ『U』。そのジジイは、サウナの洗面所といいますか、カッコよくいえばドレッシングルームにいた。

だいたいああいう所でドライヤーを使う人は、壁に据えられた鏡に向かってイスに座ってるもんだ。ところがそのジジイ、年の頃なら70才前後。頭はキレイにハゲあがり、ハラもトップリと突き出た“ザ・オヤジジイ”といってもいいその男は、壁から離れた部屋の中央に丸イスを置き、そこに鎮座しながら、股間にドライヤーを当てていた。

もうそのポジション取りが、

「どうだ? オレはこんなこと恥ずかしがらずに堂々とやってるぞ! 男だからな!!」

という“オレは男”主張なんだろうけど、あえて“恥ずかしがってない”ってことを主張すればするほど、その裏に潜んでいる“恥ずかしさ”が見え見えなんですよ。

その証拠に延々話をしているんですよ、それも大声で、洗面所に入ってくる知り合いと思わしき人を見つけては、

「お〜久しぶり、元気? そうか元気か? そうだな元気か?」

話をすることで、オレは股間を乾かすのなんて、話の片手間でやってるだけで真剣になんかやってないんだもんね〜ということを訴えたいのである。しかし訴えたくても実はその神経はやっぱり股間ドライヤーにいっちゃってるので、どうしても会話が“元気か?”から拡げられることができない。

「いや〜元気か…ガッハッハッハッハッ!!」

話が続かないので、男としての豪放磊落さを見せるために、豪快に笑って見せる。しかし!

『男としての股間ドライヤー運用への葛藤』

「ガッハッハッ!!」

と豪快に笑っていても、ドライヤーを持つ手は常に上下に小刻みに動かし、まるで美容師が髪の毛をブローするかのように股間に熱風を浴びせ続けている、その股間への集中力!

そもそもなんで股間にドライヤーを当てているのか?

色々調べると、インキンタムシなどの股間への真菌感染の治療には、股間の乾燥が非常に重要だと言われていて、風呂上がりにはシッカリと股間を乾かすことが重要とされているらしい。

『風呂上がりは股間にドライヤー』をすすめる意見もネットにはあるくらいである。

ということは、このジジイもその可能性がないわけではない。『U』はサウナもあるが温泉もあるので、温泉での皮膚治療が目的というのもジジイにはあるのかもしれない。そして股間にドライヤーを当てながらジジイは思うのだ。

オレはインキンだということは悟られたくない!

しかし股間はドライヤーでシッカリと乾かしたい。

ただ、もっとも悟られたくないのは、真剣に気合入れて乾かしているというオレの心の本音だ!

テキトーに乾かしてるように見せれば、インキンだなんて病的な印象は持たれないだろうし、インキンで乾かすようなヤツは隠れて乾かすだろうから、あえて部屋の中心にイス置いて堂々と乾すのはどうだ? 男らしさっていう演出もできるしな。

プラス話もまぜれば,ますます乾かすのは片手間って感じになるだろう。

よし、いいところに知り合いがやってきた。

「オー山田さ〜ん、今日も早いね? ん、なになに元気? 元気か、そうかそうか」

ここで話を中断すると、真剣に乾かしてると思われるからな。でも話がないんだよな〜。ったくしょうがねェな〜。

「そうかそうかガッハッハッ!」

あ〜乾いてきたかな〜チンポ回り……。ちゃんと乾かさないと夜になって痒くなっからな〜。

5分は乾かしていただろう。オレも気になって、体拭いたり耳を麺棒でぬぐったりしながらチラチラ見ていたんだが、5分は乾かしてたな〜。そこまで行くと乾くというより焼けちゃうんじゃないの?

しかし回りにいる人はたまったもんじゃない。チンポ回りを通過した熱風が流れてきますから。

「そんなこといわれてもガッハッハッ!」

ジジイならそう豪快ぶって笑うだろう、股間ドライヤーは辞めることなく。

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文/カーツさとう

コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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