文在寅が急失速...! 韓国経済「底割れ」で次に起きるヤバいシナリオ

文在寅が急失速...! 韓国経済「底割れ」で次に起きるヤバいシナリオ

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/08/20
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文在寅がトーンダウンした「あっけない理由」

韓国の文在寅大統領は8月15日、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の式典で演説、一転して批判を抑制して「対話と協力の道に出てくるならば、わたしたちは喜んで手を握る」と日本に対話を呼び掛けた。演説そのものは、日韓関係が悪化したそもそもの発端である徴用工問題を巡る日韓請求権協定違反について言及しておらず、日本から見れば評価に値しない。

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とはいえ、なぜ、文大統領が突然、あのヒステリックな強硬姿勢を一転させたのか。その解説はあまり目にしないし、あったとしても、仲介役として頼みの綱にしていた米国の動きが鈍いとか、関係改善を悲願とする北朝鮮に相手にされていないといった国際政治の力学から分析するものだ。こうした分析は早くから指摘されており、ここへきての決定的要因とは思えない。

そこでひとつ、経済ジャーナリストとして提起したいポイントがある。実は、8月に入ってから韓国経済にはっきりと黄色信号が灯っているのだ。韓国関税庁の公式統計がその黄色信号で、輸出の落ち込みが明らかになり、一段の景気減速が避け難い情勢なのである。

一定の批判はあるものの、2017年5月の就任以来、文在寅大統領は根強い人気を誇っており、今なお40%台の高い支持率を維持している。その政権基盤が文政権の対日強硬姿勢を支えたきた。経済の急減速の見通しは、その基盤を覆しかねない深刻な問題だ。

わが国としては、この情勢を踏まえ、焦ることなく、じっくり対韓外交にあたることが肝要ではないだろうか。

日本と韓国の「8月15日」

8月15日の持つ意味は日本と韓国で大きく異なる。

日本は、昭和天皇が玉音放送を行い、ポツダム宣言を受諾する方針を国民に伝えたことから、8月15日を「終戦の日」としている。

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今年も正午前から、恒例の政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館で開かれ、第2次世界大戦で命を落とした旧日本軍軍人・軍属230万人と、空襲や原子爆弾投下などで亡くなった一般市民80万人の合計310万人を宗教的に中立の立場で追悼した。生憎の台風10号の襲来で欠席が多数出たものの、それでも安倍晋三総理をはじめ三権の長や全国から招かれた遺族ら約6200人が参列したという。

天皇陛下が即位後初めて全国戦没者追悼式に出席され、令和最初の「お言葉」を述べられたのも、この日のことだ。お言葉の特色は、上皇さまが毎年繰り返し述べて来られた表現の大半を踏襲された点にあり、「再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と締めくくられた。戦後生まれの象徴天皇が令和の時代も引き続き、平和と発展を希求していくと話されたことに、多くの日本国民も共感したものと考える。

そういった意味では、安倍総理が式辞で「私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊い犠牲の上に築かれたものであることを決して忘れない」としたうえで、「戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この誓いは昭和、平成、そして令和の時代でも決して変わることはない」と強調したことに筆者はちょっとホッとした。

われわれ日本人がそんな平和への思いに浸っていた時に飛び込んで来たのが、「光復節」の式典で行われた文在寅大統領の演説のニュースだ。

文在寅大統領の「的外れな演説」

約30分間の演説では、これまでの日本を挑発するかのような発言を控えて「日本が対話と協力の道を選ぶなら、私たちは喜んで手を取り合うだろう」と述べたという。中には、元徴用工や慰安婦の問題については直接言及せず、融和を呼びかける内容だったと解説する報道もあった。

確かに、トーンダウンはしたのだろう。振り返れば、文在寅大統領は、日本が輸出管理を簡略化する優遇対象国から韓国を除外する閣議決定をした8月2日に、「加害者の日本が居直るばかりか、大口をたたく状況は決して座視しない」などと、感情むき出しで日本を批判した。

12日になると、「日本の経済報復への対応は感情的になってはいけない」とややトーンダウンの兆しをみせた。

そして、8月15日。「わたしたちは過去にとらわれないで、日本と安保・経済協力を持続してきた。日本が対話と協力の道に出てくるならば、わたしたちは喜んで手を握る。公正に貿易を行い、協調する東アジアを一緒につくっていく」などと語り、明らかに批判を抑えた格好となったのだ。

しかし、貿易管理は文大統領が主張してきたような徴用工問題への報復措置ではない。これはテロや戦争に民生品が転用されるのを防ぐための措置なのだ。自由貿易と相容れないものではないし、むしろ国際社会の要請である。そのことは、本コラム(7月9日付「輸出規制で大ピンチ、韓国・文政権がいよいよ『自爆』しかねないワケ」)で指摘した通りである。

日韓関係の悪化の発端になったのが徴用工問題である事実を無視することはできない。文政権は、昨年10月末の大法院(韓国の最高裁)判決を金科玉条とし、日本政府の度重なる要請を無視して、日韓請求権協定違反の状態を放置してきた。このことが、日本国民の感情を逆撫でして、両国の関係を冷え込ませた。

それゆえ、光復説の演説で、文大統領が元徴用工や慰安婦の問題に関する日本の責任を追及する発言を控えたというだけでは、関係改善のきっかけとして不十分だ。まず、元徴用工問題で、日韓請求権条約に基づいて韓国政府が果たすべき役割にのっとって、問題を解決する姿勢を明確にすることが、関係修復への出発点のはずである。そうした点について何も発言していない以上、文大統領の演説は評価に値しない。

貿易収支黒字がついにストップ

とはいえ、文在寅大統領の突然のトーンダウンの背景に何があったのか、この点の分析を怠ることはできない。

一部の新聞が取り沙汰しているのは、安全保障面で米国を含む同盟関係が揺るぎかねない状況に危機感を持ったのではないかとの見方だ。米国が韓国の言い分に耳を傾けず、日本の主張に理解を示しているとされることが背景だというのである。

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加えて、北朝鮮が、米国との軍事演習を進める文政権を非難してミサイルの発射を繰り返し、韓国との話し合いの席に戻るつもりはないとしている問題もある。

思惑が外れた文政権が、遅ればせながら現実を直視し始めたのではないかという見立てと言ってよいだろう。頷ける面もあるが、この2点はいずれも当初からの予見の範囲内と言うべきだろう。

筆者が注目するのは、8月12日に、韓国関税庁が公表した8月上旬(1-10日間)の貿易統計だ。それによると、韓国の輸出は前年同期比22.1%減の115億ドルにとどまった。相手国別でみると、中国向けが同28.3%減、米国向けが19.5%減、そして日本向けが32.2%減で、主要相手国向けが軒並み大幅な減少となっている。明らかに、米中貿易戦争激化と世界的な半導体価格の下落が響いているのだ。

品目別では、主力輸出品の半導体が同34.2%減だったことから、世界的な半導体市況の低迷の影響が引き続き韓国経済の足を引っ張っていることも改めて裏付けられた。

ちなみに、同じ期間の輸入は、13.2%減の142億ドルで、輸入の減少を上回るペースで輸出が減ったことも明らかになった。この結果、貿易収支は7月の24億4000万ドルの黒字から一転、8月1日からの10日は26億4900万ドルの赤字に転落した。韓国が90ヵ月連続で維持してきた貿易収支の黒字に、はっきりと黄色信号が灯った格好なのである。

韓国経済の底割れは間近

韓国経済は、もともと国内市場が小さいため、消費や投資の寄与度が低い。GDPの4割を輸出に依存する特異な構造である。

昨年の実質成長率は、米中貿易戦争の激化と半導体の市場低迷が響いて、前年を0.4ポイントも下回る2. 7%に急減速した。

さらに、IMF(国際通貨基金)は今年5月、今年の実質経済成長率の見通しを年2.6%に引き下げた。引き下げたと言っても、IMF予測は楽観的な方で、民間予測ははるかに悲観的だ。野村証券と英キャピタルエコノミクスが1.8%、ゴールドマンサックスが1.9%と軒並み2.0%を下回っているのである。

こうした中で、8月上旬のように、これまでの予測を上回るペースで輸出が落ち込めば、韓国経済が底割れしても不思議はない。

盤石だった文在寅大統領の政権基盤である、世論の高い支持率が揺るぎかねない事態が、水面下で静かに進行しつつあるわけだ。

遠からず、韓国経済の減速は顕在化するだろう。放っておけば、国民の不満が爆発することを恐れて、文政権は強硬な姿勢を改めざるを得なくなる可能性が大きい。ここは粘り強さこそ、安倍政権の外交に求められるポイントである。

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