トイレの空き状況もスマホで分かる!「鉄道アプリ」の最前線

トイレの空き状況もスマホで分かる!「鉄道アプリ」の最前線

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/08/26
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「リアルタイム」な情報の強化

今や、スマートフォンを持っていない人の方が珍しがられる時代。個人が持つデバイスとして完全に定着したと言ってよい。この社会的傾向を受けて、各鉄道会社もスマートフォン向けの無料公式アプリを配布し、各種の情報提供に役立てている。

利用者も多いであろう「JR東日本アプリ」を例に取ると、各駅の発車時刻表や経路検索、各種のお知らせなど、パソコン向けにも提供されているコンテンツはもちろんのことだが、各列車の走行位置(個別の列車の遅れも把握できる)と先の駅への到着予想時刻、一部の駅のコインロッカーの空き状況といった「リアルタイム」の情報提供ができることを大きな特徴としている。「まさにこれから鉄道を利用しようとしている人」に向けてのコンテンツである。

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「JR東日本アプリ」では、コインロッカーの空き状況がリアルタイムで分かる

実験中のコンテンツとしては、「過去の同じ曜日・時間帯の山手線の混雑統計情報」「駅の混雑状況情報の提供(新宿、品川、舞浜の各駅で実施)」がある。また、東京メトロのアプリで提供されているリアルタイム情報であるが、「トイレの個室の空き状況(上野、溜池山王の両駅で実施)」といったものもある。

現在、こうしたアプリの提供は、JR旅客各社は大手私鉄、公営交通などが広く実施している。首都圏では、JR東日本、東京メトロをはじめ、大手私鉄各社(東武、西武、京王、京成、小田急、東急、京急、相鉄)を含めた計10社のアプリの連携が2019年3月に始まり、列車の走行位置、時刻表について、会社の垣根を越えたシームレスな情報提供を行う工夫の一端としている。

例えば、永田町から東京メトロ半蔵門線で渋谷へ行き、JR山手線に乗り換えて大崎へ行く場合。まず、東京メトロのアプリで永田町〜渋谷間の時刻を検索し、アプリ上の東京メトロ渋谷駅の駅情報に張られたリンクから、JR東日本渋谷駅の駅情報に直接飛べるようになっているので、山手線の時刻もわかるという具合である。

ただ、現状では各社が提供している情報の内容には差異もあり、表現様式も統一されていないため、完璧な連携とも言いがたい。通勤などでふだん利用している会社のアプリは、それなりに「慣れ」も期待できるであろうが、慣れているだけに調べずともわかるということもある。たまに利用するだけの「不慣れな」会社の綿密な情報こそ、利用客が欲するものではなかろうか。その際、アプリの使い勝手が問題となる。

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Photo by iStock

現状、いちばん利用客が欲するであろう運行情報(特に遅れや運転見合わせの情報)については確立されているものの、今後は、どのような種類の情報、特にリアルタイム情報を提供するかを、各社間ですり合わせてゆく必要もあろう。巨大ターミナル駅だと各社の「エリア」が錯綜しており、一般利用客にはなかなかわかりにくい。

具体的には、渋谷駅を例に挙げるとして、JR東日本の駅のコインロッカーが満杯でも、東急の駅に行けば空きがあるといったことが、ひと目で把握できることが好ましい。2020年には東京オリンピック・パラリンピックがあり、今後、「東京の鉄道に慣れない客」への情報提供は、よりシームレス、かつ、きめ細かく行っていくことが求められる。

今後の「鉄道アプリ」に期待したいこと

スマートフォンアプリの大きな利点としては、インターネットに接続できれば、いつでもどこでも使えることがある。利用エリアが、駅など鉄道内に限られないということだが、今後はその特性を最大限活用した利用方法の拡大を期待したい。

例えば、ICカードへのチャージ。現在はコンビニエンスストアのレジなどでもできるようになったが、現金を用意して「どこかへ出かける」必要は残る。

その点、JR東日本の「モバイルSuica」は、「おサイフケータイ」搭載のスマートフォンに限られ、クレジットカードの登録が必要になるものの、自宅でもどこでも、インターネット経由でチャージができる。モバイルSuicaでは定期券の購入も可能だ。また、JR東海・西日本の「エクスプレス予約」のアプリも配布されているが、これも、いつでもどこでも東海道・山陽新幹線の予約・クレジットカード決済ができる。

こうした利便性を、鉄道会社が提供する各アプリが共通して備えてほしいところである。つまり、単なる情報提供に留まらず、いつでもどこでも各種乗車券がアプリを使って購入できる状況が早く生まれてほしい。

定期券や一日乗車券を購入するため窓口や自動券売機に並んだり、チャージ額不足により自動改札機でシャットアウトされることもなくせるだろう。すべて自宅などで、ゆっくり操作するだけで完結する。それが理想形なのだ。

長崎市の市内電車である長崎電気軌道の「長電アプリ」では、「一日乗車券(大人500円)」「24時間乗車券(大人600円)」が購入できる。決済はクレジットカードか、通話料金と同時に請求されるキャリア決済である。

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長崎電気軌道「長電アプリ」の画面

購入した券は、スマートフォンの画面上に表示でき、電車に乗るときは、その画面を提示すればよい。地元で電車を頻繁に利用する市民はもちろん、観光客も長崎へ向かう列車やバスの中、あるいはホテルの出発前などでも購入できる。乗車券が購入できる場所を調べる必要もない。

こうしたアプリによる乗車券購入システムは、ヨーロッパの市内交通では、もはやポピュラーなものだ。通貨偽造対策などを背景に、キャッシュレス化が日本より進んでいる社会ならではであろう。

コペンハーゲンに学ぶ鉄道アプリの将来

写真で示したのは、デンマークの首都・コペンハーゲンの市内交通の24時間乗車券。アプリ経由で購入すると「カウントダウン」付きの画面が表示される。デバイスならではの機能で、つまり残り時間が表示されているうちは有効ということになる。24時間乗車券のみならず、大人、小人の各種の乗車券も購入可能だ。

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コペンハーゲンの市内交通の24時間乗車券/筆者撮影

もちろんその上で、スマートフォンを持たない利用客にも配慮がされている。SuicaのようなICカードも利用できるし、地下鉄の駅には現金、クレジットカードが使える自動券売機も設置されている。

アプリの活用方法について、情報提供の面で話を戻そう。

最近の電車は、台車への荷重を検知することによって、各車両の乗車率を算出、運転台に表示することができる。そこで、列車ごとの乗車率情報をリアルタイムでアプリに提供し、空いている車両へ分散しての乗車を誘導する。あるいは、駅の出入口やホームの混雑状況を提供し、やはり空いている他の出入口への誘導を図るといった活用方法も考えられる。

こうしたアプリが浸透すれば、オリンピックに限らず、大型スポーツイベントや音楽ライブなどの終了時、数万人の観客が一斉に最寄り駅へ集まる際、威力を発揮するであろう。

アプリを活用した鉄道の利用には、安全で確実、つながりやすい通信網が完備していることが前提となる。街中で通信ができなければ意味がない。コペンハーゲンでも、駅や列車内には独自の無料公衆Wi-Fi網が整備されており、これは「アプリ乗車券」を採り入れてる海外の各都市も同様である。

日本では、観光客向け、インバウンド客向けと称したWi-Fi網の整備が目立ちがちだ。けれども本来、通信網はその都市に住む市民にとって不可欠なインフラであり、同様に重要な都市基盤である鉄道との密な連携が望まれるものだ。

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