ブシロードが原作を委託していた池田芳正氏を提訴 契約に反しSNSや動画で情報を発信→損害賠償請求

ブシロードが原作を委託していた池田芳正氏を提訴 契約に反しSNSや動画で情報を発信→損害賠償請求

  • おたくま経済新聞
  • 更新日:2021/01/12
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池田芳正氏に対する提訴についての株式会社ブシロード公式サイト告知(スクリーンショット)

株式会社ブシロードは2021年1月8日、トレーディングカードゲーム(TCG)「フューチャーカード バディファイト」で2015年まで原作者を担当していた池田芳正氏およびスタジオ池っちに対し、損害賠償請求の提訴を東京地裁に行う旨を発表しました。原作委託期間時に締結した契約義務違反、そして動画における著作権侵害、および信用毀損行為があったとしています。

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一般のユーザーには分かりにくい訴訟ですが、簡単に表現すると池田氏と池田氏が代表を務める「スタジオ池っち」と株式会社ブシロードとが締結したビジネス上の契約について、池田氏が契約で禁じられている行為を繰り返した、というものです。

ブシロードによると、過去2度にわたって文書で契約遵守を求め、その度に謝罪の言葉があったそうですが、その後も契約違反行為が繰り返されたことにより「堪忍袋の緒が切れた」という訳です。

TCG「フューチャーカード バディファイト(以下:バディファイト)」は、ブシロード初のキッズ向けコンテンツとして2014年にスタートしたもの(2020年8月にカードゲームとしての商品展開終了)。カードゲームのほか、アニメ、コミックが同時平行で展開されるクロスメディア形式が採用されました。

この「バディファイト」プロジェクトのうち、当初「原作」部分を担当したのが池田芳正氏。当時、徳島市や秋葉原などに店舗展開している有限会社遊縁のカードゲームショップ「ガードキングダム」代表を務めており、愛称「池っち店長」としてカードゲーム業界では名の知られた存在でした。

ブシロードがTCGの原作に、カードゲームショップ経営者を抜擢するのは史上初のこと。キッズ向けコンテンツということもあり、よりユーザーに近く、ユーザーの声が得られやすいショップからのノウハウをTCGに反映させたい、という狙いがあったものと思われます。

池田氏は「バディファイト」原作を担当するにあたり、有限会社遊縁および「カードキングダム」から身を引き、企画会社として「株式会社スタジオ池っち」を設立。「バディファイト」の原作に集中することになりました。

株式会社ブシロードは、「バディファイト」原作の製作を株式会社スタジオ池っちに委託する契約を締結。この際に「原作者」という立場が、ゲームをはじめとするコンテンツの世界観に与える影響が大きいことから、契約期間終了後も「バディファイト」に関する秘密情報の保持や、コンテンツ全体の権利者から許諾を得ないまま作品情報を開示しない、などの項目が契約に盛り込まれていたといいます。

ブシロードとスタジオ池っちとの契約は2015年半ばに終了。しかし「バディファイト」に関する秘密情報の保持や、コンテンツ全体の権利者からの許諾なき情報開示を禁じる項目は、契約終了後も有効です。それにもかかわらず、池田氏はこの契約条項に違反した情報発信をSNSやYouTube動画でしてしまいました。

ブシロードの発表によると、過去2度にわたって文書で契約遵守を求め、それぞれ池田氏からの謝罪があったとのこと。しかし池田氏からの契約に反する情報発信は、その後も繰り返されたといいます。

しかも、投稿された動画には、ブシロードおよびアニメの著作権を保有している製作委員会の承諾なく、バディファイトの画像等が無断で使用されていたとのこと。またDiscordなどのSNSにおいて、池田氏はブシロードに関して事実に反する、同社の営業上の信用を害する発言もあったとしています。

ビジネスとして「公式」の仕事をする際、クリエーターは契約によって様々な制限を受けることがあります。無許可でその作品のファンアートや同人誌を作れない、というのも、契約で禁じられがちな項目。「公式」の仕事をしているため、たとえファンアートや同人誌であっても、出来上がった作品は「公式作品」と区別がつきません。また、作品世界のイメージを壊す危険があるため、いわゆる「ネタバレ」的な情報も公式発表までは公表できないのです(これは情報解禁前に「記事紹介用」として未公開情報や画像が提供されるメディア側も同様です)。

ブシロードからの提訴に対し、池田氏は自身のTwitterアカウント(@ikettitencho)にて「「僕は負けない」と格好をつけたい所だけど、負けないもへったくれも、100%僕が悪いんだから、これは僕が反省し、然るべき報いを受けるしかない」とのコメントを投稿。株式会社大遊の社長を辞任する考えを明らかにしました。

しかし、株式会社大遊が2020年12月にリリースしたTCG「ゲートルーラー」については、制作者として関わり続けることを言明。「今後出過ぎたマネはせずに、粛々と「めちゃくちゃ面白い、最高のカードゲーム」だと思えるものを、作り続けていくしかないと思う」と語り、ユーザーに対しての責任をはたしていく考えを明らかにしています。

法務案件のため、法務アカウントから報告をさせていただきます。
「池田芳正氏およびスタジオ池っちに対する訴訟の提起に関するお知らせ」を報告いたします。詳細はリンク先のリリースをご確認ください。
個別の質問等についてはお答えできませんので、ご了知ください。 https://t.co/6OSRyqt2XL
— ブシロード法務部 (@bushi_legal)
January 8, 2021
from Twitter

僕を心配し、元気付けて下さるメッセージが本当に沢山の方々届いています。一つ一つに返信させて頂きたい所ですが時間がなく、申し訳ございません。
心から感謝しています。
罰を受けるべきは受け、期待して下さる方の為にやるべきことをやる。今の僕にはそれしかありません。
— 池っち店長 (@ikettitencho)
January 9, 2021
from Twitter

僕自身、自分は社長にふさわしくないと判断し、代表取締役を辞任致します。
ですが、 #ゲートルーラー は、「絶対に途中で降りない」と皆様に約束してスタートしたコンテンツです。
ですから、それを信じてくれた人達を裏切ることはありえません。最後まで僕が作ります。 https://t.co/qvQbLyBvuj
— 池っち店長 (@ikettitencho)
January 8, 2021
from Twitter

<出典・引用>
ブシロード公式サイト「池田芳正氏およびスタジオ池っちに対する訴訟の提起に関するお知らせ
ブシロード法務部Twitterアカウント(@bushi_legal)
池っち店長(池田芳正氏)Twitterアカウント(@ikettitencho)
※画像はブシロード公式サイトからのスクリーンショットです

(咲村珠樹)

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