
中国風クレープが地域の発展支える一大産業に 黒竜江省穆棱市
【新華社牡丹江11月21日】中国黒竜江省牡丹江市管轄下の穆棱(ぼくりょう)市では現在、中国人に愛される伝統的な軽食、煎餅(ジェンビン、中国風クレープ)が多くの村民に収入をもたらす、地域の一大産業となっている。
同市馬橋河鎮新站村にある煎餅会社の製造工場では、20台の自動煎餅製造機が絶え間なく稼働し、薄い紙のような煎餅が見る見るうちに完成する。
同社責任者の馮連実(ふう・れんじつ)さん(53)は、以前は農業で生計を立てていた。馮さんと妻は2021年、煎餅を売って収入を得ることを始めた。馮さんのような農家の起業を支援するために、同鎮政府は500万元(1元=約21円)を投じて、村民に無料で提供する工房エリアを建設した。馮さんは昨年、食品会社を設立し、自動煎餅生産設備を新たに導入し、毎日500キロの煎餅を生産できるようにした。煎餅は好評で、注文は来年まで埋まっている。小さな煎餅は村から出て、北京、上海、広州などの大都市に進出し、海外市場も開拓している。
馮さんと同様に、同市穆棱鎮徐家村の呉迎春(ご・げいしゅん)さんも煎餅産業によって周りの人を富裕の道へと導いた。呉さんは8年前、穆棱鎮で手作りの煎餅を作る工房を開業した。その後彼女はパイナップルやバナナ、リンゴ、ブドウ、カシスなど、さまざまな食材を使ったフルーツ煎餅を次々と製品化してきた。
同市の煎餅産業は現在、従事者が1500人以上で、年間300万キロ以上の煎餅を生産できるようになり、煎餅は同市の経済成長を助ける一大産業となっている。(記者/劉赫垚)