加藤綾子と夏目三久、同じ36歳の二人の結婚が暗示する「フリーアナ受難の時代」

加藤綾子と夏目三久、同じ36歳の二人の結婚が暗示する「フリーアナ受難の時代」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/06/10
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アラフォーは結婚、アラサーは女優に

7日、フリーアナウンサーの加藤綾子(36歳)がメインキャスターを務める『Live News イット!』(フジテレビ系)で一般男性との結婚報道に言及。お天気コーナーに出演したガチャピンから祝福されて、「ありがとう。すいません」「みなさんに『おめでとう』と声をかけていただいて少しずつ(結婚の)実感がわいてきました」と照れながらも笑顔を見せた。

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結婚を発表したばかりのフリーアナウンサーの加藤綾子

フリーアナウンサーと言えば、夏目三久(36歳)の結婚も記憶に新しい。加藤は『イット!』、夏目は『あさチャン!』(TBS系)のメインキャスターを務めるフリーアナウンサーのトップだけに、同時期の結婚は業界内でも大きな反響を集めている。

一方で今月5日、フリーアナウンサーの宇垣美里(30歳)が7月期のドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)で女優デビューすることが発表され、賛否の声が飛び交った。

さらに同世代のフリーアナウンサーである鷲見玲奈(31歳)も今年1月、『アプリで恋する20の条件』(日本テレビ系)で女優デビューしている。

加藤と夏目はアラフォーに入ったばかりの36歳で、宇垣と鷲見はアラサーのど真ん中。2世代のフリーアナウンサーたちにそれぞれ何が起きているのか。

コロナ禍の1年あまりで聞いた話を交えて、フリーアナウンサーの現状を掘り下げていくと彼女たちの難しい立場と苦しさが見えてきた。

すでにメインキャスターの座は狭き門

まずフリーアナウンサーの現状を挙げていこう。近年、報道・情報番組における女性キャスターの重要度は上がっている。むしろ男性キャスターを従えてメインを務める番組もあるくらいだ。

なかでも夜の時間帯は、フリーアナウンサーにとって最高の働き場。現在は『news zero』(日本テレビ系)の有働由美子(52歳)、『報道ステーション』(テレビ朝日系)の徳永有美(45歳)、『news23』(TBS系)の小川彩佳(36歳)がメインを務めている。

次に朝から午後にかけての時間帯は、今秋で夏目三久の『あさチャン!』が終了するため、フリーアナウンサーは『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)の新井恵理那(31歳)のみに。夕方は『イット!』の加藤綾子、『Nスタ』(TBS系)のホラン千秋がメインキャスターだ。

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4月に有吉弘行と結婚したばかりの夏目三久/photo by gettyimages

これら以外はすべて局アナがメインキャスターを務める、まさに狭き門。また、メイン以外のサブはなおさら「局アナでいいだろう」ということになり、フリーアナウンサーの起用はほとんど見られない。

しかも、これらのメンバーも「メインキャスターの座は安泰か」と言えば答えはノー。もともと録画視聴やネット視聴が極めて少ない報道・情報番組は、視聴率が獲れなければ、真っ先に責任を求められるのはフリーアナウンサーになりやすく、その座を追われがちだ。

さらに、「あいつは数字を持っていない」というレッテルを貼られてしまい、他番組での再浮上が難しくなるのもつらいところだ。

キャスターとしての将来が見えづらい

現在はコロナ禍で局全体の制作費削減が求められているだけに、「フリーアナウンサーの場合は民放主要4局中2番手の視聴率でギリギリOKのライン。3番手でそのまま続けていくのは厳しい」とみられているという。

つまり、現在夕方の報道番組で民放4番手に甘んじている『イット!』の加藤は、かなり危険な状態のようなのだ。

これは報道・情報番組だけでなくバラエティも同様であり、かつてはフリーアナウンサーの川田裕美や赤江珠緒などが進行役を務める番組もあったが、現在は局アナに取って代わられている。

この先も「よほどの人気がなければ局アナを使う」という方針の変更は考えづらく、フリーアナウンサーがキャスターとして活躍するハードルは過去にないほど上がってしまった。

それは独立局のTOKYO MXに平井理央(38歳)、大橋未歩(42歳)、大島由香里(37歳)、新井麻希(39歳)らキー局出身のフリーアナウンサーたちが起用されていることからもわかるだろう。

宇垣や鷲見のようなフリーアナウンサーになって日が浅いアラサー世代も、キャスターとして活躍できる場は少ない。キャスターとしての将来が見えづらい以上、彼女たちがタレント活動や女優業に挑むのは必然と言える。

局アナ時代からの凄まじい勤続疲労

一方、現在のアラフォーは、退社してフリーアナウンサーになる人が続出した世代。加藤も夏目も同年代との競争に勝って現在のポジションに就き、ここまで低視聴率報道などに脅かされながらも奮闘を続けてきた。

そもそも彼女たちは入社試験のときから熾烈な競争にさらされ、数千人の中から採用されて局アナとなったあとも苦難続き。「有名人でありながらも会社員」という複雑な立ち位置の中で、先輩後輩を出し抜いて選ばれなければいけない上に、30代・40代までアナウンサーを続けられる人のほうが少なく、「他部署に異動させられてしまう」というリスクを抱えている。

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女優デビューを果たす女優の宇垣美里アナ

実際、アラフォー世代のフリーアナウンサーは、「自分の可能性を試したい」「もっと稼ぎたい」という人より、「不遇や異動を理由に退社してフリーアナウンサーになった」という人が大半を占めているという。写真週刊誌の記事をきっかけに不遇の立場となった夏目はその中の1人だった。

さらに、もし加藤や夏目のようにメインキャスターになれたとしても、「遅刻や休みはもちろん、声がかすれることすら許されない」「キャスターとして公私ともに行動制限を求められる」「深夜起床などの厳しい生活サイクル」「裏番組との視聴率争い」などのプレッシャーは大きく、続けるほど精神・肉体ともに勤続疲労に悩まされてしまう。

また、結婚後も「産休・育休で仕事を休めるのか」「休めたとしても戻ってこられるのか」という不安に襲われる。それどころか、仕事がない同年代のフリーアナウンサーを見て、「結婚して精神・経済の両面で余裕を持つことで、いつでも辞められる状態にしておきたい」と考えてもおかしくはない。

その点、かつては地方局出身のフリーアナウンサーだけだったグラビアに脊山麻理子(41歳)に続いて大島由香里(37歳)が挑んでいることを見ても、置かれた状況の難しさが伝わってくるのではないか。そんな難しい状況を知っているからこそテレビマンの中には、「加藤と夏目の結婚を心から祝福している」という人が多いと聞いた。

フリーではなくスター局アナの時代に

ここまで挙げてきたように、アラサーもアラフォーも「『フリーアナウンサーとしてずっとやっていきたい』と思っても難しい」という現実がある。

だからフリーアナウンサーたちは、「これ以上続けようとすると損失が大きい」とみなして、女優やタレントに転身する。あるいは、結婚引退。出産・育児に励むなどの道を選ぶことが当たり前のようになっているという。

これらの不安が業界内で顕在化している以上、「退社してフリーアナウンサーを目指そう」という局アナが減っているのは当然かもしれない。少なくとも今後しばらくはフリーアナウンサーではなく、日本テレビ・水卜麻美アナのようなスター局アナが増えていくだろう。

民放各局としても、「複数の看板アナをどう育て、どう活用していくのか」が問われている。特に日本テレビとフジテレビは、すでにその動きを活性化させているだけに、何かと注目を集めていきそうだ。

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