野田聖子、“将来の女性首相最有力候補”の足元を揺さぶる岐阜県知事選の保守分裂

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2021/01/13

今月7日に告示された岐阜県知事選は、年内に迫る衆院選の行方を占う注目選挙といわれている。自民党本部ナンバー3に上り詰めた地元選出の野田聖子幹事長代行がお膝元の選挙をどう取り仕切るのか、その力量が試されるからだ。だが、形勢は予断を許さないという。野田氏の行く末に重大関心を寄せる首相官邸関係者が証言する。

「菅政権になって野田さんは復権し、将来の女性首相に最も近い位置につけています。ここで足元の知事選で勝利し、将来の布石を打ちたいところだったのですが、イチ押しだった現職知事の候補一本化に失敗。地元自民党県議団からまさかの対立候補を立てられてしまい、54年ぶりとなる保守分裂選挙に突入しています。もし現職知事が負けたら、野田さんの引責は必至ですし、さらに地元で深刻な事態も発生しているんです」

この官邸関係者によると、野田氏の岐阜後援会の会長企業「S」(本社・岐阜市)が今回の知事選対応に反発し、対立候補を支持する動きを見せているという。官邸関係者が続ける。

「後援会が分裂しかねない状況下にあると聞いています。野田さん自身の衆院選すら危うくなるかもしれません」

野田氏が推すのは現職4期目の古田肇知事(73)。これに対抗し、地元の自民党県議団が擁立したのは元内閣審議官の新人・江崎禎英氏(56)だ。地元ジャーナリストが言う。

「古田さんは2年前に全国で初めて発生した豚コレラの初動対応に遅れ、県内の養豚業界は壊滅しました。危機管理能力が問われる中、今回の新型コロナ感染対策は抜かりがないよう必死に対応しています。一方の江崎さんは地元出身。経済産業省から岐阜県庁の商工労働部長に出向した経験があり、県庁内の職員たちにも慕われているようです」

ここで、分裂選挙の経過をみていこう。

4期16年目となる古田知事に対し、県議団は「次第に我々と意思疎通がなくなり、議会を軽視するようになった」と不満を募らせたのがきっかけだという。県連会長代行を務める13期目の長老・猫田孝県議を中心に、県に出向経験がある江崎氏擁立を水面下で進めたところ、動きを察知した古田知事が県連会長を務める野田氏に自らの出馬を直談判。これに県議団が反発し、保守分裂は避けられなくなったという。

昨今、こうした保守分裂選挙は珍しくない。自民党の影響力が強い保守王国の鹿児島県知事選(昨年7月)や富山県知事選(昨年10月)でも、現職知事に対抗して地元議員団が新人候補を立て、いずれも勝利を勝ち取っている。

だが、岐阜県知事選の場合は事情を異にする。野田氏と地元実力者の猫田県議がいがみ合う場外乱闘に発展したからだ。前出の地元ジャーナリストが解説する。

「野田さんは、猫田県議をやり玉に挙げて『長老支配の政治を変えたい』とメディア上で公然と批判しました。もともと2人は師弟関係にあり、戦友だったものですから、県政界に衝撃を与えたんです。というのも、野田さんは2005年の『郵政選挙』のときに郵政民営化法案に反対し、当時の小泉純一郎首相ににらまれ、刺客として自民党公認の佐藤ゆかりさんを差し向けられました。野田さんは党公認候補として戦えない中、猫田さんが手を差し伸べて独自に県連公認として支援し、佐藤さんを破ったいきさつがあるんです。猫田さんは、独自公認を行って党内に混乱を招いた責任を取って自民党をいったん離党する憂き目に遭っています。野田さんからすれば、恩人以外の何者でもないはずです」

県政界関係者もこう話す。

「野田さんは今回、知事選の一本化ができなくなると、手のひらを返したかのような老害発言を口にしました。もし老害を言うなら、5期目を狙う古田知事こそ批判の対象になるはずでしょ。なのに野田さんの矛先は県議団に向かい、場外乱闘を引き起こしてしまった。これに、野田さんの後援会も反発しましたし、野田さんが推す古田知事の足元でも大変な問題が起きています」

前述の通り、野田氏の後援会会長企業が反旗を翻して新人の江崎候補を推す動きを見せているほか、古田知事の影響下にあるはずの岐阜県庁でも県職員組合が全会一致で江崎候補を推す決定をしたという。現職知事に対して県職員が一斉に「NO!」を突きつけるのは、前代未聞の事態だ。別の県政関係者が言う。

「たしかに、古田知事に反発する動きは徐々に起きていますね。でも、県内の市長や町長たちのほぼすべてが知事の支持を表明していますから、いまのところ、現職知事の古田さんが優勢に立っているのは間違いないでしょう。7日の公示日以降、新人・江崎さんの名前が県内に浸透するのかどうかがカギとなっています」

選挙の結果次第では、野田氏の進退問題にも発展しかねないという岐阜県知事選。たかが地方選と高をくくらず、その行方を注視したい。

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