韓国を危機に陥れる南北朝鮮統一の夢。文在寅の謀反は米国が許さない

韓国を危機に陥れる南北朝鮮統一の夢。文在寅の謀反は米国が許さない

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  • 更新日:2020/09/15
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支持率が低下するたびに「反日政策」をとって国民の目を逸らせてきたことで、韓国内のみならず日本からも批判を浴びている、韓国の文在寅政権。その文在寅大統領の悲願は北朝鮮との「南北統一」でしたが、その夢にも暗雲が立ち込めているようです。ジャーナリストの勝又壽良さんは自身のメルマガ『勝又壽良の経済時評』の中で、同盟国の米国からも韓国批判の言説が出始めてきたことを指摘。韓国が言論弾圧などを強めて「北朝鮮化」してきたこと、米韓同盟を破棄しかねないとする米メディアの報道を例に挙げ、文政権を「民主主義国家転覆罪に該当する危険な振る舞いだ」と厳しく批判しています。

文在寅の夢は南北統一、米国の世界戦略と大きな齟齬が招く「韓国の危機」

間もなく退任する安倍晋三首相は、「地球儀を俯瞰する外交」を標榜し着々と実現に向かっている。日・米・豪・インドを巻き込んだ「インド太平洋戦略」は、安倍氏の地球儀を俯瞰する外交政策から生まれたものである。

韓国の文在寅大統領は、さしずめ「朝鮮半島を俯瞰する外交」である。2045年までに南北統一を果たすという夢に向かって進んでいるが、米中対立の長期化という新たな国際情勢の変化には、まったく無頓着である。米中に深くコミットしないで、上手く泳ぐ「洞ヶ峠」を決め込んでいる。旧朝鮮李朝末期の外交戦略とほとんど変わらない有様だ。

事大主義が招いた外交音痴

旧朝鮮李朝末期の外交戦略も、隣国日本の存在を極めて軽んじていた。明治新政府が、李朝に公式文書を届けても受取りを拒否したほど。日本が届けた公文書が、明治天皇の名前であったからだ。日本のごとき儒教上の野蛮国が、「天皇」という称号を使うことは許されないという理由である。朝鮮では、日本についての知識が完全に欠落していた。

こういう李朝と文政権の間に、対日知識においてどれだけの差があるだろうか。ほとんど、同じである。韓国が、国際法を覆す判決(旧徴用工賠償問題)を出しながら、それを当然と考えている文政権は、李朝による日本の天皇称号を拒否するのと同じ振る舞いである。韓国は、国際情勢の変化に極めて疎いのだ。

普通であれば、周囲を「強国」に取り巻かれている場合、国際情勢の変化に鋭敏に反応するはずである。韓国では、それが全く見られないのである。真空状態である。これは、歴史的に中国の属国であったことが災いしている。「事大主義」という独特の中国依存心が生んだ結果であろう。その事なかれ主義が、文政権にも色濃く引継がれている。朝鮮戦争によって生まれた米韓同盟が、文政権によって揺さぶられているのは、その「事大主義」に依存して南北統一を先行させようとする民族主義によるものだ。

文政権は、民族主義の集団である。主義主張を超えて、南北は統一すべきという素朴な議論である。北朝鮮の人民弾圧に目を瞑り、韓国も北朝鮮化して言論の自由を圧迫する行動が始まっている。進歩派を任じる文政権が、検察改革を強引に推し進めた理由は、政権の不正を捜査させないための防護壁にしたのである。その意図が、今や明確になっている。秋法務部長官(司法大臣)の息子に関わる徴兵時代の「違法休暇」の訴えが10件以上も告訴されているが、捜査は意図的に遅らされていると批判を浴びている。公権力が、私益に奉仕しているのだ。

米国からも出た文政権批判

注目すべきは、同盟国の米国から韓国批判の言説が出始めてきたことである。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』(9月11日付寄稿「韓国の活動家弾圧、北朝鮮に倣う行為」)は、下記のように指摘している。筆者のジョシュア・スタントン氏は、米国の弁護士。もう一人のイ・ソンユン氏は、米タフツ大学フレッチャー外交大学院助教である。

「文(在寅)氏の最終的な目標は2045年までに南北を統一させることであり、1990年のドイツ統一の条件とは異なる条件を受け入れる意向だ。同氏は国会に対し、『イデオロギーや制度の違い』を超越し、『朝鮮人主導による独立した統一』──これは『米国から独立している』という意味で北朝鮮が使用している文言──を達成するための北朝鮮との一連の合意を批准するよう要請する計画だ」

ここでの指摘は、韓国が民主主義を捨てても北朝鮮と統一するとしていることだ。その際は、米国から独立(米韓同盟破棄)するという青写真である。実現すれば、朝鮮半島が大きく左傾化する。

こういう青写真が、米中対立の長期化の中で実現する可能性があるだろうか。旧李朝で混乱した外交戦略では、清国(中国)を後ろ盾にする案と瓜二つである。米国政府は、文政権の底意を知った現在、急速に韓国へ冷淡な態度を取り始めている。その一例を示したい。

韓国外交部の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官が9月11日、米国務省のスティーブン・ビーガン副長官と会談した。崔次官は会談後、「(米韓両国が)外交当局の局長級実務協議体の『同盟対話』を新設することで共感した」と発表した。米国務省は即時に、「(新設に)同意したことはない」と崔次官発言を否定したのだ。そして、「おそらく今後もやらないだろう」と語った。『朝鮮日報』(9月12日付)が報じた。

この食違いは、なぜ起こったのか。米国側が、韓国に言質をとられないように警戒姿勢をとっているからだ。米韓には、同盟国関係においてあり得ない冷え冷えとしたものを感じるのである。米国は、韓国に対して次のような発言をしている。

米国側は、「(ビーガン)副長官と(崔)次官は防衛費分担特別協定(SMA)を話し合い、米韓同盟が堅固な力を再確認しつつ、今後数世紀の間、インド・太平洋地域の平和と繁栄のための力として維持され得るよう同盟を強化する案を話し合った」とだけコメントした。米国のこうした反応は、既存の米韓間の協議体もきちんと稼働していない状況でまた別な協議体を作ろうということに対する拒否感だと解釈されている。

米国は米韓同盟が、今後数世紀の間にわたって、インド・太平洋地域の平和と繁栄に寄与するように、同盟強化案を話し合ったと説明している。これは、米中対立が長期に及ぶ覚悟を韓国に求めたものだ。文政権による素朴な「南北統一論」は、米韓同盟の共通テーマでなくなっていることがはっきりしている。韓国は、こういう国際情勢の変化をまったく認識していないのだ。こういうギャップを抱えている以上、米韓同盟が軋むのは不可避であろう。韓国が、子どもなのだ。

無知!米軍に指揮権寄こせ

子どもと言えば、文政権は頻りと韓国が、戦時作戦統制権(作戦統帥権)の移管を在韓米軍に求めている。現状では、米軍が作戦統帥権を持っており、韓国軍は米軍の指揮下で行動する義務を負っている。これを是正して、韓国軍が作戦統帥権を持ちたいと言うのだ。だが、在韓米軍は文政権在任中、移管しないと示唆した。

もともと、朝鮮戦争では国連軍の名の下に有志国が派兵し、北朝鮮軍と中国義勇兵と戦った経緯がある。国連軍の指揮は米軍が代行している。朝鮮戦争は現在、法的には休戦中である。それにも関わらず、作戦統帥権が米軍から韓国軍に移譲されるのは、国連軍の解体という事態を迎えるのだ。

文政権が、朴政権と異なり早急な作戦統帥権移譲を求めているのは、政治的な意図が隠されていると在韓米軍を警戒させている。具体的には、在韓米軍を骨抜きにする「悪だくみ」をしているのでないかと疑われているのだ。

在韓米軍のエイブラムス司令官は、「われわれが直面する挑戦の一つは、他の政府や他の指導者たちが『あ、それは正しくない。われわれにはこれをすべきだ。あのようにすべきだ』と言ってくることだ」(『朝鮮日報』9月12日付)と疑惑の核心部分を示唆している。それは、中国が韓国の防衛政策に干渉している事実だ。こういう状態で、韓国軍が作戦統帥権を持ったらどうなるか。在韓米軍まで危機に陥るであろう。

文政権は2017年10月、中国に対して次のような安全保障上の重大問題(三不政策)を約束させられた。韓国が、THAAD(超高高度ミサイル網)1基を導入した際、中国の安全保障を著しく阻害すると因縁をつけられ、経済制裁を韓国に加えた。文政権は苦し紛れに、中国の要求する下記の「三不政策」(軍事面で3つのことをしないという約束)を文書にして中国に渡した、とされている。

米国のミサイル防衛(MD)体制に加わらない。

韓米日安保協力が三カ国軍事同盟に発展することはない。

THAAD(サード)の追加配備は検討しない。

これら3つの安保政策は、韓国固有の自衛権を発動させないようにする「属国扱い」の違法行為である。米国が、こういうことを苦もなく約束する文政権の存在に、根本的な疑惑を持って当然であろう。国防問題の認識がゼロ同然の文政権相手に、作戦統帥権を移譲すれば、米軍に予想外の損害を及ぼされると危惧するのだろう。

もう一つ、米中対立の長期化を前提とすれば、作戦統帥権移譲問題は空論である。米軍は世界中に広く展開しているが、他国軍の指揮下に入ったことはない。世界最強軍事国家が、メンツにおいても韓国軍の指揮下に編入されることはあり得ないのである。韓国は、「世間知らず」で在韓米軍にこういう無理難題を突付けている。非常識と言うべきだろう。韓国の潜在的「中国詣で」を考慮すれば、作戦統帥権移譲は前記の「三不政策」と絡んで、「どうぞ在韓米軍を攻めて下さい」と言うに等しいのだ。

韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保担当特別補佐官が、私人(延世大学名誉特任教授)肩書きで『ハンギョレ新聞』に寄稿した論文がある。中国が「覇道」(武力による覇権)を狙っていると批判し、「王道」(道徳による覇権)で行くべしと諭した内容である。これが、韓国外交の方向転換を示唆したものか、もちろん即断はできない。文政権の外交路線は、これにそって変わればプラスだが、単なるアドバルーンに終われば、期待しても無駄である。米韓同盟は、日米同盟をモデルに精神的なつながりを強化することだ。

破綻の韓国外交バランス論

中国牽制に向けた米国のインド太平洋戦略が、日本、米国、豪州、インドによる「4カ国安全保障対話」(クアッド、QUAD)などで具体化されている。韓国は、米中両国の間で「外交的バランス」を守ろうと、中立化を狙っている。これは、文政権が旧李朝同様に、国際感覚の欠如を証明している。現実的に言えば、中立は不可能である。それぞれ、米中から信頼されないからだ。

先に取り上げたように、ビーガン米国副長官と韓国外交部崔第1次官は、今後数世紀の間、インド・太平洋地域の平和と繁栄のための力として維持され得るよう米韓同盟を強化する案を話し合った、とされる。中国が世界覇権を巡る争いから脱落しない以上、アジアを舞台に緊張関係が続くと見なければならない。それは、共産主義と民主主義の正統性の争いとなろう。

そうなれば、韓国の南北統一論も中国接近論も、すべて民主主義を足蹴にする行動と映るはずだ。朝鮮戦争で共産主義の暴力に蹂躙された韓国国民が、南北統一論も中国接近論も受入れるはずがない。韓国世論調査では、南北統一も中国接近論も一桁の低い支持率である。文政権はこういう世論を無視して、強引に韓国をあらぬ方向へ引っ張っていく「暴力集団」と化している。

WSJの寄稿で筆者たちが、文政権は民主主義を捨てても北朝鮮と統一し、米国から独立(米韓同盟破棄)する青写真を持っていると指摘している。これは単なる憶測でなく、高い確率であると言えるだろう。文政権は、民主主義国家転覆罪に該当する危険な振る舞いである。

image by:Truba7113/Shutterstock.com

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