アメリカ在住のキャスリン・ホフマンさん(30)。SNSを通して、主に女性に向けて働きかたや子育てなどの情報発信を行なっています。

Kathryn Hofman
先日、キャスリンさんは、自身が受けたセクハラに関する動画をTikTokにアップロード。これまでに250万回も再生され、話題を呼んでいます。
キャスリンさんが語ったのは、22歳のときの出来事。

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「私はかつて、やる気に満ちあふれた22歳でした。大学を卒業してすぐに、トイレットペーパーを販売する会社に就職しました」
「仕事はとても楽しみだし、有名企業で働ける。もう最高でした」
「採用されて、ワシントンD.C.を担当する仕事を引き継ぎました」

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「その後、組織の再編でワシントンD.C.での販売の仕事がなくなったため、私が希望する地域のポジションがが空いて昇進するまで、内勤の営業部門で働くことにしました。」
「組織で初めて営業職に就くにあたり、私には昇進の可能性がありました。テキサス州のダラスのチームが、私を迎えるかどうか検討していました」

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「そこで、適合性をチェックするため、私は1週間テキサス州のチームプロジェクトに参加しました」
「途中まで、私はこのチームとうまくやっていけるという確信がありました」

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「しかし研修最終日の夜、トラブルは起きました。採用担当者と私は、おしゃれなカクテルやバンドの生演奏があるバーで話していました」
「すると、彼は私を雇えないと告げてきたのです。私と一夜を過ごしたいからという理由で」
「文字通り、面と向かって『やりたくなるから雇えない』と言われました」
「私は当時まだ22歳。とっさにトイレに駆け込み、泣きじゃくりました」

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「そんな場面に遭遇して、他に何もできませんでした」
「マネージャーは、トイレに駆け込もうとする私を追いかけてきました。『彼を帰らせなきゃ』と体が物理的に反応しました」
「後日、この話を人事部に持ち込みました。 その結果どうなったかは、モラルに関わるので割愛しますが、端的に言えば、良い結果にはなりませんでした」

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「問題の発言をした採用マネージャーは、懲戒処分を受けず、競合他社に転職してしまいました」
「それ以降、採用担当者は、競合他社に転職しないという契約に変わりました」
「結果的に、その男性は退職しても、どこにでも転職できるわけです。罰則を受けることもないですし」

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BuzzFeedは、キャスリンさんに話を聞きました。

Kathryn Hofman
キャスリンさんは、もし当時に戻れるなら、別の選択をするだろうと語ります。
「(もしあの時に戻れたなら)すぐには上司に報告しないでしょう。代わりに、家に帰って、上司の言動をひとつひとつ詳細に書き留めます」
次に、ハラスメントに詳しい弁護士を雇い、助言を仰いでその通りに行動するといいます。

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「事件当時、雇用主を訴えると、自分の経歴に一生汚点が残ると思いこんでいました」
「でもそれは被害者を責めるだけでなく、根本的に間違った考えだったのです」
「だからこそ、私と同じような境遇の人へアドバイスしたいのは、自分を信じてくれる味方を見つけることです。個人的に手助けしてくれて、自分には非がないと気づかせてくれる年上の人です」
当時、自分に非があると思い込んでいたというキャスリンさん。

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「『(上司が変な興味を持ってしまったのは)私の服装のせい?』、『ミーティングで笑いすぎたかな』など、さまざまな考えが頭をよぎりました」
キャスリンさんは、これまでの男性優位な社会に対する批判も語りました。

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「男性が支配権を握ってきた社会の産物は、被害者のほうが悪いという女性への非難、そして内在化した女性嫌悪です。私たち全員がその事実を理解しなければなりません」
「アメリカで働く女性たちが直面しているのは、私の経験が特別なものではないという現実です。私の短いキャリアにおいても、今回のトラブル以外の他にも性差別を受けています」
「この話は、私が初めて経験した性差別というだけです」
「内在化した女性嫌悪…自分の中で無意識に受け入れてしまっていた女性嫌悪について理解するため、これまで努力してきました。22歳の私は非があると感じてしまっていましたが、今自分のために声を上げられたのは、そのおかげだと思います」
最後に、キャスリンさんは今後の社会への期待を語りました。

Kathryn Hofman
「『安心できる』上司だけでは不十分です。従業員を虐待する上司、男性だけでの下品な会話をただのジョークだと思っている上司がいますよね?」
「あなたの声と原動力で、職場にいる女性やマイノリティを積極的に味方してください。彼らの意見や評価をどんどん持ち上げましょう」
「私の経験は特別なものではありません。アメリカでは多くの人たちが職場で虐待の被害にあっています」
「性差別やハラスメントにしても、人種・性別・マイノリティのアイデンティティにしても、私が望むのは、より多くの人が必要とされる味方にあることです」
「少しずつではありますが、一緒に世界を変えることができます」
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TiokTok:@kmhofman
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙島海人
Krista Torres