「気が乗らないのにセックスに応じたことがある女性は2人に1人」ー性と恋愛の本音の大規模調査

「気が乗らないのにセックスに応じたことがある女性は2人に1人」ー性と恋愛の本音の大規模調査

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/10/14
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2019年から2年、日本の性や恋愛意識は変化した?

今から2年前の2019年10月11日、国際ガールズデーに向けて『性と恋愛2019―日本の若者のSRHR意識調査―』が発表された。このアンケートは、国際協力NGOジョイセフが、 SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)に関する情報提供を行う「I LADY.」の一貫として、18~29歳の日本の若者1000人を対象に調査したものだった。

その結果はあまりに衝撃的だったが、リアルでもあった。
例えばー
・50.2%の女性が、気が乗らないのにセックスに応じたことがある(2人に1人)
・セックスの悩みを恋人に相談できない人が81.4%(5人に4人)
・コンドームは頼まれないとつけない、と答えた男性が20.2%(5人に1人)

このデータは、2019年10月29日に公開した#なんでないの プロジェクト代表・福田和子さんの記事でも紹介し、話題を集めた。

そこから2年、コロナ禍に再調査し、最新版『性と恋愛2021―日本の若者のSRHR意識調査―』を発表した。2年前よりもメディアでも性教育不足の問題や緊急避妊薬の必要性、ジェンダーについて多く語られるようになったが、果たしてデータに変化はあったのか。この意識調査をまとめるジョイセフデザイン戦略室・I LADY.ディレクター 小野美智代 さんに寄稿いただいた。

あなたは、この調査結果をどうみるだろうか?

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『性と恋愛2021-人本の若者のSRHR意識調査ー』(ジョイセフ)

30歳以上の63.5%が「気が乗らないセックス経験者」

2年前の意識調査では、18-29歳の日本の若者1000人を対象に調査を行いました。今回は調査数を大幅に増加。高校生〜29歳までの若者世代3266人に加え、30-64歳の大人(2072人)の親世代にまで拡大して調査を実施しています。その結果、世代を超えて刷り込まれているステレオタイプな現象と、大きな世代間ギャップがある項目がいくつかありました。

今回の調査でも男女の差が最も顕著だったのは「(プロポーズは)相手からしてほしい」若者女性が、95.1%に対し男性は18.9%。

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

続いて、「気が乗らないのに性交渉に応じた経験のある」女性は、若者世代で2人に1人(男性は4人に1人)。この項目は前回も調査項目にあり、ほぼ数値は変わらない結果になりました。ですが、この質問に対して、年齢が上がるにつれて、気が乗らないのに応じたことがある割合は増え、大人世代の女性は63.5%にも上りました。

【気が乗らないのにセックスをしたことがあるか?】
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<30~64歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

【性交渉を強要されたことがあると感じたことがある?】
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<30~64歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

誰に教わったわけでもなく、知らず知らずのうちにメディアや身近な生活環境に影響を受ける刷り込み。「男は」「女は」という無意識の中にあるバイアスが、避妊やセックスの考え方、性的同意、性的自己決定にも影響していることが調査結果からもみえてきたのです。

「避妊をして」が言いづらい性的同意不足な現状

男女ともに約半数が「避妊をしないでセックスをした経験がある」と回答した中で、その理由を問うと、世代を問わず女性の約2割が「言いづらかったから」と答えていました。

【避妊しないでセックスした経験がある?】
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<30~64歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

【避妊しなかった理由は?】(複数回答)
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<30~64歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

中でも特に衝撃的だったのは、「もし妊娠したらどうするつもりだったか」の問いに、男性は世代を問わず約3割が「産んでもらうつもりだった」と回答し、若者男性の10.5%が「中絶するつもりだった(大人世代は6.2%)」と回答していたことです。

【もしも妊娠したらどうするつもりだったか?】(複数回答)
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

一見「産んでもらうつもり」の結果が多いように感じますが、2割が「妊娠するとは思ってもいなかった」「何も考えていなかった」とも回答。性行為により自分または相手が妊娠する可能性があることを考えず行為をしているという現状がみえてきました。

また、「産む」「産まない」「いつ産むか」といった選択は、その当事者である女性が決める権利があるということ、つまり世界で浸透し始めている「リプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利)」を知らない男性の実態が浮かび上がりました。

特に、最近話題によく上がる「性的同意」も約6割の大人世代が「合意」はある上で性行為を行っていると思っている一方で、大人女性の約2割がセックスは「めんどくさいもの」、そして相手にセックスについて相談しないという結果が出ました。

大人世代は、セックスについてパートナーと本音で話すということ自体が難しく、めんどうだと思っていてもそれを口に出すことができず、セックスをしている女性がいるということ。そして、そういった女性の態度を「拒否をしないことはセックスを合意している」、つまり性的同意があると、大人世代の男性の思い込みがあるのではと推測できます。

緊急避妊薬への認知は上がったけれど

また、避妊についての知識に関して、「緊急避妊薬(アフターピル)」の認知度は世代間ギャップが顕著で、若年世代の約9割が認知していました。2019年には「若い女性には知識がない」といった専門家の見解で市販化が見送られてきた緊急避妊薬。ですが、特に若者世代に認知度が上がっていました。

今回の調査では「どんな薬か知っている」と名前だけでなく薬について知っていると回答した割合は、20代以下の男女では68%、30代以上では43%。「入手先も知っている」と答えた20代以下の女性48%、男性で31%だったの対し、30代以上では女性で25%、男性で13%と、いずれも若者世代の知識が大人世代よりあることがわかりました。

【緊急避妊薬(アフターピル)を知っている?】
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

<30~64歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

「低用量ピル」についても、避妊以外に生理痛の緩和などに効果があることを知っている割合は若年世代の女性で6割近くに。一方で使用したことがない理由で若者世代に最も多かったのは「費用が高額だから」で4割近くになりました。

【ピルってどんなイメージ?】(複数回答)
<15~29歳>

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『性と恋愛2021』(ジョイセフ)より

誰とセックスをするかしないか、産むか産まないか、いつ産むか、何人産むか、どのようなヘルスサービスを受けるか受けないか……は、すべての人が自由に選んで決めることができます。国際スタンダードでは「SRHR:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」は基本的な人権です。ただ日本では、人権=「ライツ」といっても、義務教育の学習指導要領にも入っていないので、学校や家庭で考える機会が少ないと思われます。

「多様性」や「ダイバーシティー」という言葉が、メディアや政策の中でも目にする機会が増えた今もなお、国際機関や海外メディアから「日本の常識」に対して警笛が鳴らされています。

この調査結果を見た方が、まずは自分の中の「刷り込み」「バイアス」に気づいてもらえたらと思います。今までの常識や行動が変わる一助となればうれしいです。

他にも、日本の性と恋愛の本音が見える調査結果が詰まっている。あなたはここから何を思うだろうか?
『性と恋愛2021―日本の若者のSRHR意識調査―』

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