田口が大晦日に八重樫秒殺王者と史上3人目の統一戦「あだ討ちの気はない」

田口が大晦日に八重樫秒殺王者と史上3人目の統一戦「あだ討ちの気はない」

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  • 更新日:2017/11/24
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史上3人目の統一王者に挑むWBA王者田口(左)とV1戦に臨むIBF王者の京口(右)

大晦日に大田区総合体育館で開催されるプロボクシングのトリプル世界戦のうち2つのカードが17日、都内で発表された。WBA世界ライトフライ級王者の田口良一(30、ワタナベ)が、IBF世界同級王者のミラン・メリンド(29、フィリピン)との2団体王座統一戦に挑み、IBF世界ミニマム級王者の京口紘人(23、ワタナベ)は、同級3位のカルロス・ブイトラゴ(25、ニカラグア)と指名試合として初防衛戦に臨む。

日本のボクシング史における統一戦は、2012年6月のWBC世界ミニマム級王者、井岡一翔(井岡)対WBA世界同級王者、八重樫東(大橋)、2013年12月のWBA世界スーパーフライ級王者、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)対IBF世界同級王者の亀田大毅(亀田)戦以来、3度目のビッグマッチとなる。

テレビ東京が大晦日のボクシング興行から撤退。井岡一翔のWBA世界フライ級のベルト返上で大晦日のマッチメイクに困っていたTBSは、これまでテレビ東京が放映してきたワタナベジムの2人の世界王者の放映権を得て統一戦というビッグマッチを用意した。

しかも田口の相手は5月に“激闘王”の八重樫から衝撃的な1ラウンドKOでベルトを奪ったメリンドである。
9月のV1戦は元WBA世界ミニマム級のスーパー王者だったヘッキー・ブドラー(南アフリカ)を迎えて僅差の2-1判定勝利。両目をカットする苦しい試合で、試合後、ブドラー陣営は、12ラウンドにダウンと判定されたスリップ気味のダウンや、アドレナリンを使って血止めをしたこと、117-111の大差判定をつけた日本人ジャッジの「採点がおかしい」と提訴。IBFは、その要求を受け入れて再戦を指令。「合意しない場合は入札になる」としたが、今回、交渉の末、田口との統一戦が優先されることになった。

「こういうチャンスはめったにない。みんなが期待するカードで、強いチャンピオンと打ち合って勝ちたい。勝つことが第一で、できればKO。僕は一発のパンチ力はないので、コンビネーション、連打で流れの中で倒したい。勝てばまた自信がつくし、田中選手との試合にも近づくんじゃないですか」

当初はWBO世界同級王者、田中恒成(22、畑中)との日本人同士による統一戦が大晦日に計画されていた。だが、田中が 9月のV2戦でまさかの両目に眼窩底骨折を負い 中止に追い込まれた。

「残念だけど、僕が勝ち続ければ、絶対に将来やると思う」

この日の会見で田口は何度も田中の名前を出した。

だが、幻となった田中戦を口に出すのはまだ早い。

メリンドは、田口のキャリアの中で、2013年8月、日本ライトフライ級王座の初防衛戦で判定負けした現WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(24、大橋)に匹敵する過去最強の相手になることは間違いない。

39戦37勝(13KO)2敗の戦績で、2つの負けは、いずれも世界戦のもの。
4年前にはWBA、WBO世界フライ級統一王者だったファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)と激戦を演じている。右のボクサーファイターで、左フック、左アッパーなど多彩な角度からパンチを繰り出してくるのが特徴で、八重樫を沈めたワンツーの右にも威力がある。

「攻撃も防御も一流で強くて上手い。瞬発力がありカウンターもとれるし、防御に穴もない。特に中間距離が強いので、中間距離で戦うわけにはいかない。中に入るか、僕のほうがリーチはあるので遠い距離か、その2つでしっかりと出入りをしながら攻めたい」

田口は、すでに先月からメリンド戦をイメージしながら練習をスタートしている。

あっという間に終わった八重樫戦では、まったく弱点は見えなかったが、IBFから再戦指令されるほど微妙な結果となったV1戦では隙も見せた。下がってロープを背にすれば不用意にパンチをもらうし、大流血したほど両目と鼻には古傷があり、試合が長引けば、また傷口が開く可能性は高い。
田口が先手を取ってカットさせれば精神的にも優位に運べるだろう。

八重樫とはスパーリングなどの交流がある仲だが、「あだ討ちという気持ちはない」。ワタナベジムの大黒柱である内山高志が引退し、田口に新エースとしての期待がかかるが、「ジムの大黒柱がいなくなって寂しいが、僕が内山さんの代わりに(背負って立つ)という気持ちもない。自分のできる範囲でやるだけ。そう考えるとプレッシャーもない」とも言う。田口らしい肩肘を張らない自然流である。

だが、この日、ハッキリと断言したことがあった。この試合が7度目の防衛戦。
田口は、「最初は1試合、1試合、目の前の試合を勝つことで精一杯だったけれど、今は防衛回数も意識できるようになってきた。この試合に勝てば、次からは、10回という防衛数を目標にしたい」と明言した。
最近のボクサーで ここまで言うのは珍しい。

内山高志は、WBA世界スーパーフェザーのベルトを守り続けたが 12度目の防衛で失敗。WBC世界バンタム級王者の山中慎介(帝拳)は、具志堅用高氏の持つ13度の連続防衛の日本記録に並ぶというルイス・ネリ(メキシコ)との大事な試合を4回タオル投入によるTKO負けで落とした(その後、ネリの禁止薬物使用疑惑が浮上)。

「内山さんも山中さんも12回、13回でね。だから10回を超えてからは、1回、1回という気持ちで臨みたい」

山中も果たせなかった連続防衛記録の日本記録に挑むという大願がある。

そして、「誰もが認める強いチャンプとして評価されるようになりたい。内山さん、山中さん、長谷川(穂積)さんは、そうでしょう。井上(尚弥)も絶対的。僕もそうなりたいんです」と、近年、記憶にも記録にも残る歴代の名チャンピオンの名前を羅列した。「全国ネットのTBSになって僕の田舎の宮崎にもやっとテレビが映ります。ボクシングの試合を見てもらい、評価してもらいたいんです」。

プロ8戦目でデビュー以来1年3か月という最速で世界王者となった京口の相手のブライトラゴも、30勝(17KO)2敗1分1無効試合の戦績で世界戦を3度も経験している強敵である。しかも2013年にWBO世界ミニマム級王者、メルリト・サビーリョ(メキシコ)に挑戦した世界戦は三者三様のドローだった。

「取りにくる気持ちは強いと思うが、そういう相手に打ち勝つ。しかも、KOでインパクトのある試合をしたい。ファンがおっというKOでね。一発で仕留めるイメージのあるパンチもある。まあ魔球というか、消えるパンチというか、ちょっとこんなパンチは誰も見たことがないよ、というパンチを披露する。周りと同じボクシングをしていてもつまらないですからね」

「取るより難しい」と言われる初防衛戦に向けて 京口のビッグマウスも“絶口調”。

フジテレビとTBSの一騎打ちとなる2017年の“年末ボクシング決戦”で主役を演じるのは、統一王者を狙う田口か、それとも……。

(文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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