米大統領選の虚報拡散の背後におそロシア

米大統領選の虚報拡散の背後におそロシア

  • ギズモード・ジャパン
  • 更新日:2016/11/30
No image

screenshot:BuzzFeed News

これは何度見ても衝撃ですわ…。

米大統領選のラスト3カ月で虚報が実報より拡散されてたっていう、例のBuzzFeed Newsのチャート(トップ画像)。一体だれがこんな嘘八百ばら撒いたんだ!?と思ったら、ロシアのボット、トロールファーム、サイト、SNS、マスコミが五味一体となって、日夜バズーカ砲のように米大陸に虚報を拡散していたようです。

The Washington Postが2つの専門家グループの調査結果として伝えたもの。

まず外交政策研究所Clint Watts上級研究員ら3人のチームですが、ここはネット解析ツールで、ツイートを大元のソースまで遡り、拡散マシンのSNSアカウント同士の相関関係をマッピングしてみました。すると…

・別々に見えるサイトも、所有者はおんなじだった。
・別々に見えるサイトやSNSアカウントも、一字一句違わない言い回しや文章をものすごい勢いで拡散していた(同一の組織の管理と思われる)。

…という妙な現象が確認されたのです。

昔は大手報道機関を正式に買収するとかしない限り、情報は広められなかったので、世論操作はひと苦労でした。しかしSNSの誕生を境に嘘ニュースは面白いようにわっと広まるようになり、冷戦当時そのまんまのことが何倍もの規模で行なわれているんだそうですよ?

チームでは2年前からこの動きに注目してきました。そのきっかけをWar on the Rocksでこんな風に書いています。

われわれは2014年からロシアのネット情報操作を追跡している。きっかけはジハード戦士とシリア内戦のオンラインの動きを調べる中で奇妙な動きに気づいたことだ。新ロシアのアサド政権を専門家が批判すると、ツイッターとフェイスブックに嫌がらせのコメントがわっとつく。調べてみたら若い美女の顔写真のアカウントが何十件かあり、アメリカ人(国家安全保障のセクターで働く人を含め)と政治の話を熱心にしているではないか。この「ハニーポット」のSNSアカウントを辿っていくと、シリア軍電子部隊のハッカーのアカウントにつながっていた。つまり情報操作は以下の3つの要素で同時に行なわれていたのだ。

1)ディスコメ: 疑いの目を向けさせる2)ハニーポット(美女):信頼を勝ち取る3)ハッカー(と思しい人間):1と2のリンクを広める

シリアで終わりではない。イラン、ロシアにもつながっていた。標的は米国内の不満分子、軍・白人国粋主義者・アナーキストなどの過激派だ。

この情報操作のネットワークは今も絶好調で、米国政府への不信感を国民に焚き付け続けている。われわれは過去30カ月に渡ってSNSアカウント7,000件をフォローしてきたが、今回のトランプ現象は米国へのSNS&ハッキングキャンペーンの終着点ではなく、始まりに過ぎない。

クワバラクワバラ~。

一方、無党派研究グループ「PropOrNot」はこちらの調査報告書の中で「ロシアの論点を米国民に拡散するサイト200件を特定した」と発表しています。その読者は計1500万人、閲覧回数は2億1300万回にもおよんだとのことです。

中でも影響が大きかったのが、クリントンが重病というニュースで、これを真っ先に広めたのもロシアでした。あとでThe Daily Beastが嘘報道だと伝えましたが、もうその頃には「焼け石に水」でした。以下のデータを見てください。差は歴然です!

・嘘を暴く記事: Facebookアカウント1,700件、閲覧3万回
・ロシアの嘘記事: Facebookアカウント90,000件、閲覧800万回超

この数カ月で大反響を呼んだ嘘記事の多くはロシア発でした。

で、このロシアのニュース拡散で一番重要な役割を果たすのが、騙されているとも知らずに広める一般国民です。いわゆる「使えるマヌケ(useful idiots)」。米政府の言ってることが本当なら、ウィキリークスのジュリアン・アサンジもロシアにとっては「使えるマヌケ」ということになります。プーチン礼賛を隠しもせず、ネオナチのツイッターアカウントから捏造データを拡散するドナルド・トランプも立派な「使えるマヌケ」と言えそうです。

選挙後、「Facebookがデマ拡散を放置したからこんなことになった」と非難の声があがると、マーク・ザッカーバーグCEOは「論理の飛躍も甚だしい」と即座に否定しましたけど、それも「使えるマヌケ」なのかもしれません。上の図が出回って、Forbesにも「もしやFacebookの収入源の半分以上は嘘ニュース?」とか書かれいるし、さすがにまずいと思ったのか、今頃になってデマ対策プランを発表していますけど、外からはデータがぜんぜん見えないので、目を離すといつまた「使えるマヌケ」に戻るものやらという不安が…。FacebookもGoogleも嘘ニュースからの広告収入は受け取らないと言ってますので、それは一歩前進ですが。

ジョージワシントン大学のRobert Orttung教授(ロシア研究が専門)は「(ロシアは)アメリカのテクノロジーと価値観を駆使して、アメリカ国民に不信感を植え付けている」とThe Washington Postに語っています。一方、Michael A. McFaul元駐ロシア大使は、ロシアの目標は勝つことではない、「絶対的なものなど何もない、と思えるように仕向けられればそれでいい。要はシニシズムに訴えることなのだ」と言っています。

ま、なんせ、あれですよ、金太郎飴みたいな言い回しで飛んでくるネガコメ、美女アイコンには要注意ってことで。

関連記事:
米大統領選挙中、Facebookでのデマは大手メディア以上に拡散してた
メキシコ外相「壁の金は払わん」、プーチンは祝電。トランプショックの夜

Top image:BuzzFeed News
source:The Washington Post,War on the Rocks,PropOrNot
参考:BuzzFeed News,FactCheck.org,Forbes

Rhett Jones - Gizmodo US[原文
(satomi)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

IT総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
スマホのイヤホンジャックでお肌のうるおいチェック - カネボウ
大隅栄誉教授、恒例の椅子への「サイン」
充電なしでスマホを12年間も動かせるバッテリーが開発される
3時間ごと&市町村単位の天気予報を複数表示できる卓上時計「DWS-200J-7JF」レビュー
【天才かよ】Amazonが「レジのないコンビニ」をオープン! 商品を持ち帰るだけで清算完了!!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加