ヤマハの名車『SR400』の偉大な歴史を振り返る

ヤマハの名車『SR400』の偉大な歴史を振り返る

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/15
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先日、ついに「平成28年排出ガス規制」が継続生産車両(現行モデル)にも適用され、国内のバイク市場はそのラインナップをガラリと変えた。さまざまなモデルが生産を終了し、なかでもホンダ・モンキーは一般ニュースにも取り上げられ、大きな話題となったのが記憶に新しいところ。そして、バイクファンの間でモンキーと同じく衝撃を持って受け止められたのが、ヤマハ・SR400の生産終了である。すでにヤマハは後継モデルの開発を明言してはいるが、今回の生産終了はSRの長い歴史のなかで、ひとつの区切りになったことは確かだ。そこでこの機会に、SRの偉大さをあらためて紹介する。

■変わっていないようで変わり続ける不朽の名車の「変遷」が面白い!

空冷4ストロークOHC2バルブ単気筒エンジンにシングルクレードルフレーム、さらにスポークホイールやティアドロップタンクなど、バイクを知らない人がバイクを思い浮かべたときに描くような、シンプルかつオーソドックスなスタイルを持つモデルがヤマハ・SR400。1978年の登場以来、基本的な車体構成を変えずに生産され続けてきた稀有なモデルである。

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ロングセラーモデルはSR以外にも数多くある。しかし、たとえばホンダ・モンキーの最初期型はリジッドフレームにOHVエンジンだし、ホンダ・スーパーカブもカモメ型ハンドルにOHVエンジンを採用していて、スタイリングはまったく異なるもの(バイクに興味がない人が見れば同じに見えるだろうが……)。ヤマハ・セローもロングセラーだが、2008年までのモデルは排気量は225ccで、2009年以降は250cc。エンジンはもちろん、フレームもまったく別物……車名やコンセプトは受け継がれつつも、フォルムや機構は時代とともに大きく変わってきたのだ。しかし、SRだけはフレームもエンジンも、フューエルタンクやシート形状だって同じ……まったく変わっていないのだ。

とは言いつつも、すでに初期型が登場して39年が経つモデルである。当然、これまに何度も排出ガス規制をクリアしてきたし、細かな部品や仕様の進化も繰り返してきた。つまり、SRはその乗り味や雰囲気を変えずに、しかし時代に合わせて変えるべきは変わり続けてきたのだ。その詳細は下に紹介しているが、ポイントはやはり一見しただけではその違いはなかなか分からない……つまりすべてが同じということ。SRがこれまで変わらずに生産され、人気を維持してこれたのは、こうした「キープコンセプト」「キープスタイル」のおかげといえるだろう。

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現在、後継モデルの開発がメーカーウェブサイトで発表されているが、願わくば次期SRもまた、SRのスタイリングやコンセプトを崩さず、誰が見ても「SR400」だと分かるモデルに仕上げてもらいたい。

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1978 SR400

記念すべき最初期型SR400。フロントホイールは19インチで、キャブレターは強制開閉式、フューエルタンクは現行よりも細く、タンクキャップ形状も異なる

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1978 SR500

SRは1999年まで500ccモデルが併売されていた。SR400が低めのハンドルバーにシートカウルを装備しているのに対し、初期型のSR500はアップハンドルに分厚いシートで、重厚な雰囲気を持っていた。

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1979 SR400SP

発売1年半後にモデルチェンジ。車名に「SP」がつき、当時流行のキャストホイール(通称:大八キャスト)が装着され、スポーティーな雰囲気となった。

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1983 SR400

前年に限定仕様としてスポークホイールが復活したが、これが好評で、1983年にはスポークホイールが標準仕様として復活した。また、フロントフォークにセミエアタイプを採用。

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1984 SR400 7周年記念特別モデル

発売7周年を記念して1,000台限定で発売。外装のペイントは職人の手作業による「サンバースト」塗装で、以後、何度かアニバーサルモデルに採用されることとなる。

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1985 SR400

フルモデルチェンジを果たし、ここからは「2型」と呼ばれる。フロントホイールが19→18インチになり、よりクラシカル感を高めるためにドラムブレーキを採用。燃料タンク容量が12→14Lに増量された。

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1988 SR400

強制開閉式キャブレターから負圧式BSTキャブレターに変更。扱いやすさを向上させた。合わせてエアクリーナーボックスの容量の増加やチェーンサイズの変更、エンジン内部も改良されている。

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1994 SR400

セミエアタイプのフロントフォークを廃止。また、法令改正にともない、シートベルトも廃された。ちなみ前年にはMFバッテリーの採用やヘッドライトの常時点灯化がおこなわれている。

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1998 SR400 20周年記念特別モデル

SR生誕20周年を記念して、初期型のカラーリングを再現した限定モデルを発売。

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1999 SR500

SR500は1999年で生産を終了。当時の新車販売台数は「400の1割」と言われていたが、現在は希少価値が高まって、中古車相場は上昇傾向にある。

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2000 SR400

2型最終モデルは、カラーリングのみを変更。

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2001 SR400

この年より適用された排出ガス規制に合わせるためにフルモデルチェンジ(3型)。キャブレターを変更(BSR)し、新たにエアインダクションシステムを採用。フロントブレーキがディスクに戻された(初期型とは違うもの)。

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2005 SR400

はじめてシルバーフレームを採用したモデルが登場。他に、ヤマハ創立50周年記念モデルとして、初期型と同カラーの限定車が発売された。

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2008 SR400

キャブレター仕様の最終モデルは、シルバーフレームに鮮やかなブルーメタリックを採用。ほかにSR生誕30周年記念モデルも限定発売された。

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2010 SR400

新たな排ガス規制に適応すべく、フルモデルチェンジ(4型)。吸気システムにフューエルインジェクションを採用した。シルエットは変わっていないが、フューエルタンクやシート、サイドカバーは専用となっており、2008年以前のモデルと互換性はない。

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2016 SR400

4型も2016年で最終モデルとなり、残念ながら今年8月いっぱいで生産を終了。新型SRは前後ディスクブレーキになるとか、キックを廃止してセルスターターが装備されるなど、ざまざまな噂があるが、実際はどうなるのか? できれば40周年となる2018年には発売を再開してほしいと願うばかりだ。

佐賀山敏行(さがやま・としゆき)

学生時代からのバイク好きが高じて、カスタムバイク専門誌やハーレー専門誌などの編集長を歴任。現在はヤマハSR400に特化したウェブマガジン「The SR Times」を運営する。ほかにも出版業界紙や金融・投資に関する記事執筆など、幅広いジャンルで活躍中。

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