清宮幸太郎、中村奨成、安田尚憲、高校野球BIG3の才能の磨き方

清宮幸太郎、中村奨成、安田尚憲、高校野球BIG3の才能の磨き方

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/19

今年も10月26日にプロ野球ドラフト会議が開かれた。今年は高校球児のスターが上位指名を独占した。中でも怪物と称される3人の才能がどう磨かれたのかをレポートする。

●歴代最多、高校通算111本塁打!〝和製ベーブ・ルース〟

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清宮幸太郎

184cm101kg。東京・早稲田実業高等部の一塁手。父・克幸さんは早稲田大学出身でラグビー界の名指導者。母・幸世さんは慶応大学ゴルフ部の元主将。アスリート一家で、幼い頃から英才教育を受けてきた。

早稲田実業の怪物・清宮幸太郎が初めて自身の夢について語ったのは、カナダ・サンダーベイで開催されていたU–18ワールドカップの閉会式終了後だった。

「海外の選手は身体が大きいし球も速いしスイングも速い。自分はメジャーの雰囲気がものすごく好き。将来はこっちに来て野球をやりたい。これは(中学1年生の時にリトルリーグで)世界一になった頃から変わっていません」

今年9月のU–18W杯で高校通算本塁打を「111」にまで伸ばした清宮は、カナダから帰国してすぐに、家族に相談。9月22日、早実で記者会見を開き、プロ野球志望届を提出することを表明したのである。

会見中、清宮は「12球団OK」とは明言しなかった。ドラフト会議の前に、各球団のスカウト担当者と面談したい意向を口にした。つまり、納得いく球団でなければ入団を拒否する可能性があるという姿勢を見せた。

「自分を厳しく指導してくれて、成長させていただける球団に行きたいと思います。プロの世界でひとつひとつの目の前の目標をクリアしていくことで、先につながっていくという確信がある」

さらに早実の先輩である王貞治氏の持つ「868本」という壮大な本塁打記録を目標に掲げた。

「先輩ですし、むしろ目指さなきゃいけないという使命感がある。やるからにはそこまでの王さんのような人間、野球人になりたい」

清宮の父・克幸氏(ヤマハ発動機ジュビロ監督)は早稲田大出身で、ラグビー界の名指導者として知られる。母の幸世氏は慶応大学ゴルフ部の主将を務めた元ゴルファーだ。両親のもと、アスリートとしての英才教育を受けてきた清宮は、幼少の頃よりジャンクフードを食べることなく、炭酸飲料も口にしなかった。初等部(小学校)から通っている早実では、フードマイスターの資格を持つ母の手作り弁当しか食べず、外食も、母の意向を汲んで料理をアレンジしてくれる飲食店にしか足を運ばないという徹底ぶりだ。

一方で、父・克幸氏は自宅に野球の練習環境を作り、親交の深い元プロ野球選手に技術指導を依頼し、また交流のあるスポーツ選手と積極的に息子を会わせることで、息子の向上心と好奇心を培っていく。

清宮も早実での練習の合間に、一流アスリートがお忍びで通う都内のトレーニングジムに通い、鍼やマッサージといった専門家の施術も受けるなど、身体のケアを怠らなかった。その甲斐あってか、高校時代も大きなケガに見舞われることもなかった。

今年の夏は甲子園に出場できなかった。2年前に決勝で敗れ、雪辱を誓っていた今年のU–18W杯でも、主将と4番打者を任されたが、2本塁打を放ったものの打率は2割1分9厘、代表も3位に終わった。清宮は敗戦のたびに「いつかこの負けがあったから成長できたと言えるように」と口にしてきたが、高校時代の雪辱はプロ野球界で果たすこととなる。

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将来、日本代表での再会を誓い合った高校ビッグ3。

●目標は「松井秀喜」超え!高校通算65本塁打の「西の大砲」

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安田尚憲(ひさのり)

188cm95kg。大阪・履正社高校の三塁手。父・功さんは高校駅伝の強豪校、大阪薫英女学院駅伝部の監督。母・多香子さんは元やり投げの選手で、国体出場の経験も。

清宮と並び「西の大砲」として、ドラフト上位指名が確実視されるのが履正社の安田尚憲だ。彼も清宮同様、アスリート一家に育った。父・功氏は、昨年の全国高校駅伝で2度目の優勝を飾った大阪薫英女学院駅伝部の監督。母・多香子さんも元やり投げの選手で、兄・亮太氏は捕手としてかつてPL学園で1歳下の前田健太投手(現ドジャース)とバッテリーを組み、現在も社会人野球の三菱重工名古屋の現役選手だ。

身長188cmと恵まれた体格で、あの清原和博(当時・PL学園)の通算記録を超える65の本塁打を高校の3年間で放った。安田は身近な存在を「ライバル」と位置づけることで、自身を成長させてきた。

「家族がそれぞれの世界で日本一を目指しているのは、大きな刺激になります。自分にとって、尊敬する野球選手は今も兄なんです」

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中村(右)とおどけるのは、やはりドラフト注目の外野手・増田珠(左、横浜高校)。

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安田はカナダまで応援にやってきた母と姉と記念写真。

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9月22日、早実の小室哲哉記念ホールで清宮はプロ志望届の提出を表明。

●今夏の甲子園で6本塁打!清原を超えた新スター

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中村奨成(しょうせい)

181cm78kg。広島・広陵高校の捕手。母・啓子さんは女手ひとつで中村を育てた。中学時代は〝やんちゃ〟な髪型をしていたが、高校では寮生活を送りながら野球に打ち込み、才能を開花させた。

もうひとり、今夏の甲子園の主役となった怪物がいる。清原和博が記録した1大会最多本塁打記録を「6本」に更新した広陵の中村奨成。強肩の捕手で、俊足の持ち主でもある。

母子家庭に育った中村は中学時代、現在の素朴な印象とは大きく異なる風貌をしていたという。広陵の中井哲之監督は「変な髪型でとにかく大馬鹿者だった」と話す。要するに、やんちゃな中学生だったのだろう。

清宮や安田とは異なり、中村は指導者からの徹底された管理野球のもと、大きく成長してきた選手だ。中井監督は「生活態度に問題がある選手は試合で使わない」という厳格な指揮官だ。

中村はこう振り返る。

「高校で入部して寮に入った当初は、洗濯機の回し方も知らなかったんです(笑)。自立して、自分のことは自分で考えてやらないといけないので、最初は大変でした」

だが、チームの中心選手になり次第に周囲にも目が行くようになった。

名将と知られる中井監督は二岡智宏(巨人打撃コーチ)、野村祐輔(広島)、小林誠司(巨人)といった教え子たちにも大学進学を薦めてきた。しかし、中村は中井監督との進路相談の席で、大学へは進まずプロ野球界に入りたいと伝えた。身体の弱い母に、これ以上、負担はかけられないというのが一番の理由だった。

「どうしてもキャッチャーって、守備の人っていうイメージがあるじゃないですか。僕はそれが嫌。攻撃的な捕手になりたい。自分はホームランバッターだとは思っていません。チャンスに強くて、打点を稼げるバッターになりたい」

高校野球界のビッグ3には、どんな運命が待ち受けているのだろうか。

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清宮や安田は、U-18W杯を全勝で制したアメリカ代表からも高く評価された。

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U-18W杯の閉会式後、高校での野球を終えた清宮は、真っ先に母・幸世さんをハグした。

取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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