飽きっぽい、ネガティブ...子どもの性格は変えられる?医師に聞く「脳」と「環境」の深い関係

飽きっぽい、ネガティブ...子どもの性格は変えられる?医師に聞く「脳」と「環境」の深い関係

  • ウレぴあ総研
  • 更新日:2017/11/13
No image

我が子の性格、「なんとなく悪い部分ばかり目につく…」

でも、「性格だから変えられない」「遺伝だからしかたない」…、そう諦めていませんか?

表面上「性格」としてあらわれているものは、個人個人の「脳」の成長、そして周りから受ける「環境」の影響が大きいのだそうです。つまり、気になる症状があっても、よりよい方向に変えていくことは可能なのです。

子どもの性格と脳、環境との関係を、『悩まない脳の作り方』の著者であり、1万人以上の脳画像を解析されてきた医学博士・加藤俊徳(かとう としのり)医師に伺いました。

飽きるのは、脳がうまく働かなくなるとき

まず気になる1つの症状、「飽きやすい」という症状はなぜ起こるのでしょうか。

加藤俊徳先生(以下、加藤)「子どもって動機が必要なんです。動機とは理由(=餌)で、飽きっぽい子は餌が足りないということです。自分をワクワクさせる餌が足りないので、飽きっぽくなってしまう。

その理由は脳科学的にはいろいろあるのですが、ひとことで言うと『子どもの脳がうまく働かなくなった状態』といえます。ゲームをやったり、好きなおもちゃで遊んでいるときには飽きません。

脳のあちこちの場所が使われ、それらがスムースに働き続けていると飽きないし、我慢もできる。だから、『なぜ脳が働かなくなったのか』というのが一番のポイントです」

加藤医師によれば、人間の脳は、「思考系」「運動系」「視覚系」「聴覚系」など、その機能によって8つの領域(=“脳番地”)に分けられるそう。そして飽きてくると、物事を考えたり判断を下したりする「思考系」(脳の前頭葉に位置)の脳番地が動かなくなるのだとか。

モチベーション、動機はこの「思考系」で作られるので、思考系が動かないと自分で「餌」を作ることができません。そのため、脳を絶えず外から刺激してあげなければいけないといいます。

加藤「大人の場合でも、例えばずっと文字を書いたりして脳の同じような場所を使っていると、脳が疲れてきて、飽きたとか、我慢できないと感じます。でも、それはじつは脳の違う部分を使いたくなっている、ということなんです。違う脳を使いたくなるのはおそらく子どもも同じで、それが飽きっぽいという症状になります。

そこで、『あとでアイスクリーム買ってあげる』などと言うと、途端に子どもは『そうなんだ!』と動機付けされる。するとその後のご褒美のことを考えられるようになるため、脳がまた働き出し、あっという間に時間が過ぎるようになります。

子どもも『同じ脳を使っているとうまく頭が動かない』、ということなんですね」

「飽きないこと」を観察すると得意な脳がわかる

例えば本を読むのが好きだったり、運動するのが好きだったり。子どもが飽きずにしていることをよくよく考えると、どんなことに最も興味があるのかがわかってきます。

やりたいことがわかっていると、飽きっぽい時間は少なくなり、それは子どもの得意を持つ、作ることにもなるといいます。

加藤「同じ飽きっぽい子でも、理由をよくみてみると脳の背景に違いがあることがわかります。『視覚系』が得意な場合と『聴覚系』が得意な場合、『運動系』が得意な場合とでは飽きる理由は全く異なります。

ものをよく見るのが楽しいと思う子は、いろんなものを見てワクワクする。だから同じ場所で同じ状況が続くとつまらなくなります。

言葉を聞いて理解するのが得意だとしたら、同じことを聞かされると『またそれ?』となります。『運動系』が得意な場合は、ふだん活動性が高いのに自分の得意な脳を使えないから、つまらなくなって飽きてくる。

苦手なことでは脳が働かないので、すぐいっぱいいっぱいになって時間稼ぎができません。私のように国語が苦手な子の場合、国語の時間が始まると5分ともたなかったり。けれども好きなことは飽きないので、どういう状況で飽きるのか、その理由が重要で、そこをしっかり受け止めることが大事かと思います」

ちなみに、男の子は何度言ってもわからない、女の子よりも手がかかるという理由は、男の子の「聞く力」が全般的に弱いせいなのだとか。「男の子は左脳の海馬が弱いので、聞いたことを保持していられない。頭の中に残せないんですね」

子どもは身近な人の感情の動きを学習している

ところで、子どもの感情はどのように生まれてくるのでしょうか。

加藤「子どもは感情の動きも真似して育つと考えられます。おそらく4~5歳の子どもの場合、自分の感情というのはそれほど発達していません。『嬉しい』とかの感情はあるかもしれませんが、細かい感情ではない。

感情は遺伝というより、むしろ育った環境が影響します。家族や学校の先生なども含め、周りの人の感情の動きにとても影響を受けやすい。特にお母さんの気持ち、こういうときには取り乱す、こういうときには怒る…といった場面場面での心の動きが小さいときほどうつります。お母さんの感情は脳の成長に大きな影響を与えるのです。

例えば、目の前で何か問題が起きたとします。そしてお母さんがその問題を聞いただけで怒り出すクセがあったとします。すると、その子どもも大きくなって同じような問題に遭遇した時、怒り出す反応をしてしまう。

一方で、何か問題があっても『そうなんだ』と冷静に話を聞き、『じゃあこうすればどう?』と策を考えて、実際に行動して、それがうまくいったとします。するとその子どもはそれらの記憶や体験から、問題が起きた時には解決策を探すようになっていくでしょう。

いつも丁寧に包み込むように話すのか、突き放すように話すのか…それによって子どもの感情は全く変わってきます。お母さんの話し方が子どもの感情を作り、子どもはお母さんの感情を学習している、とつくづく感じます」

感情は知らず知らず、右脳から刷り込まれる

人間の喜怒哀楽などの感情の表出には、「感情系」の脳番地が関わっています。そして、特に右脳では「他人の感情」、左脳は「自分の感情」を読み取る働きをしているそうです。

我慢ができない、お友達に手が出てしまうといった子は、脳的にみて他人の影響を受けやすかったり、右脳の感情系は発達していても左脳の感情系が発達していないため、自分を省みたり、自分がどういう立場なのかを理解することができない。それゆえ、自分の行為を悪いことだと思っていない場合が多いそうです。

また、うちの子は「何でもすぐ否定しがち」というお子さんもいるかもしれませんが、子どもはもともとネガティブな感情を持っているわけではないそう。周りからネガティブな言葉を受けるうちに、ネガティブな感情も発達してくるのだといいます。

加藤「右脳の感情系からは、いちばん身近な家族から受ける他人の感情が入ります。脳自体がセンサーのようになっていて、右脳にいつのまにか刷り込まれる。左脳はそれを受けて、言語能力の発達にともなって『嫌』というような言葉に変換してその気持ちを理解する。

つまり否定的な要素、『そんなことやっても無駄だ』と言われて育つ場合、そういった感情の影響をしばらく受けることになります。もちろん褒めたりするのも大事ですが、全然関係なんてないだろうと思えるようなことも、じつは子どもに影響を与えているのです。

私自身は、ネガティブな感情を一切持っていないんですね。それはなぜかを分析してみると、小さい頃、母親が愚痴をこぼしたり、他の人を非難したり、「あ~大変だわ~」とか、そういう意味合いの言葉を聞いたことがない。そんな環境に育ったので、いろいろ悩むことはあっても、ネガティブにはならないのだろうと思います」

まとめ

今回のお話から、子どもの脳タイプが個性や性格を作り出していること、また子どもの感情と環境、脳の成長には大きな関連があることがわかりました。

けれどもそれは逆に、子どもの得意な部分を優先したり、子どもとの関わり方を見直すことで、いい方向に伸ばせる可能性があるということです。

脳の構造や特性を知って、お子さんの健やかな脳の成長を促してあげたいですね。

(ハピママ*)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

コラム総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
暴力事件、理事長選、そしてファッション......貴乃花親方の深い闇
なぜ100円ショップのセリアは「客層分析」をやめたのか?
【グルメ】みんなでシェアできるから、大人数での利用もおすすめ◎メキシコ料理店『LA ESQUINA (ラ・エスキーナ) 』@恵比寿
「キラキラネーム」が原因でいじめられた女性 「親を恨みます」に同情の声も
世界で一番危ない国は...リスク別に色分けされた世界地図が便利
  • このエントリーをはてなブックマークに追加