東尾修、故障中の松坂大輔に「ブルペンに足しげく通え」と助言

東尾修、故障中の松坂大輔に「ブルペンに足しげく通え」と助言

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  • 更新日:2018/02/14
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東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、2週間がたったプロ野球のキャンプについて解説する。

【写真】ブルペンで投球する中日の松坂

*  *  *

プロ野球はキャンプインして2週間近くたった。第1クールからロッテのように実戦形式のシート打撃を行い、ヤクルトのように午後7時過ぎても練習が終わらない球団もある。巨人も打撃練習の量を3~4倍に増やすなど、昨年Bクラスのチームが、目の色を変えてやっている。

昨年、広島とソフトバンクにあれだけ強さを見せつけられては、そこに追いつき、追い越していくには、キャンプの練習量も当然増えるし、オープン戦から結果を出して自信を体や心に植え付けることが大事だ。勝率5割で行って、チャンスをうかがう……という形では断トツの力を持つ両チームに届かない可能性が高いからね。

ただ、投手がブルペンに入っての投球練習は少し考え方が違う。投手は球数を投げればいいというわけではない。いい形で、いい感触を体に残す1球がどれだけあるか。野手の1スイングと投手のブルペンでの1球は違う。1日1千スイングできる野手と同じように球数を投げられるわけではない。いかに質の高い1球を積み重ねていくか。そこから考えた場合、むやみにブルペン入りするのは、どうかと考える。

宮崎、そして沖縄ともに寒くて、2月上旬は天気が悪い日が続いた。毎日ブルペン入りする考えでいながら、アップ、そしてキャッチボールの中で自分の状態を見抜き、さらに気候と相談して、最終的にブルペン入りを判断してほしい。前日から入ることが決められているから、気分が乗らなくてもブルペンで投げるという考えはやめてほしい。ブルペンに入ってからも、調子が良ければ100球投げてもいいし、調子が乗らなければ、取りやめたっていい。球を投げず、傾斜を使って体重移動を確認する作業だけだっていいと思う。

「球数を投げなければいけない」という固定観念にとらわれてしまっている投手も多いのではないか。若い投手は早めに仕上げて打撃投手や実戦の中でアピールしなければならないが、中堅、ベテランは違う。野手の仕上がり、練習量に惑わされてほしくはない。

中日の松坂大輔も連日報道で大きく取り上げられているから、実際に北谷キャンプに行かなくても、日々の動きは追える。自分の中で制御をかけてやっているのはいいのだが、ブルペンの傾斜を使って、体の動きを確認する作業など、もっと柔軟にブルペンというものを考えていい。右肩の不安があり、球数を制限する必要はあるが、彼の場合はブルペンに足しげく通って、シャドー投球でもいいから投手としての動きを体にしみこませてほしい。

映像を見るかぎりは、ソフトバンク時代と違って肩を回せるようになっている。ただ、それも今の強度であるならば……だ。実戦に向かうにあたって9割前後で腕を振った時にどうなるか。体の使い方のタイミングのズレはどうなのか、恐怖心はどれだけ取り除けているか……など問題は出てくる。球数を多く投げられないのだから、質の高さを追い求めてもらいたい。

北谷キャンプには2月中旬以降に行く予定だ。第3クールから第4クールになるのかな。実戦に入っていく前に、どんな心境で、どんな思いを持っているのか。彼の表情を見るのも、楽しみにしている。

※週刊朝日  2018年2月23日号

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