まるでランボー! キューバ・カストロ前議長はファミコンゲームになっていた!

まるでランボー! キューバ・カストロ前議長はファミコンゲームになっていた!

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  • 更新日:2016/12/02
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左の水色がゲバラ、右の黄色がカストロとなっている

キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が亡くなってから1週間が経とうとしている。キューバ国内では9日間の服喪期間に入り、追悼集会が行われる一方、約200万人のキューバからの亡命者を抱えるアメリカではカストロの死を喜ぶ「パーティ」が開かれた。一方日本ではというと、キューバ革命を共に率いたチェ・ゲバラと並んで、どちらかと好意的な印象のほうが多く見受けられる。

そんな賛否両論あるカストロだが、実はファミコンゲームにも登場している。その名も「ゲバラ」。1988年に発売されたゲームで、開発は後に大ヒットした格闘ゲーム「餓狼伝説」「ザ・キング・オブ・ファイターズ」などを世に出したSNK(現・SNKプレイモア)。1956年のキューバ革命を舞台にしたシューティングゲームで、プレイヤーは1Pが「ゲバラ」、そして2Pが「カストロ」として操作できる。アーケードゲームとして出ていたものをファミコンに移植したもののようだ。記者はゲームの存在こそ知っていたものの、これまでちゃんと遊んだことがなかった。そこで今回、カストロ前議長閣下への弔意を込め、“追悼プレイ”を執り行うことにした。

カセットをゲーム機本体に刺し電源を入れると、白のバックに青字で「SNK」という文字、続いて「SNK WAR GAME PROJECT GUERRILLA WAR」という文字が現れた。ちなみに、この「GUERRILLA WAR」というのは、「ゲバラ」の海外作品名になっている。アメリカで「ゲバラ」はさすがにいろいろと問題があったようだ。続いて画面は切り替わり、黒の背景にひげを生やした角刈りの男性の白黒写真に、「キューバ革命の英雄 チェ・ゲバラに捧ぐ」との白い文字。いきなり製作者の強烈なメッセージを浴びせられた格好だ。

そして間髪をいれず、

“1956年、南米キューバ大統領バティスタは重税と秘密警察を使って、この国を支配していた。ゲバラはカストロに協力し、独裁者バティスタを倒すため、密かにキューバに上陸した。しかしすでに軍隊が彼らを待ちうけていたのだった。”

との文が表示される。当時のシューティングゲームにしてはあるまじきストーリー性の高さだ。だがこれはフィクションではなく、1956年12月2日に実際にあった話だ。そしてデモ画面が始まり、爆撃機の攻撃を受ける白いヨットが上陸する場面が表示される。史実ではこの船は「グランマ号」と呼ばれ、カストロ率いる革命軍がメキシコからキューバに再上陸する際に使った船だ。8人乗りの船に82人もの兵士が乗り込んでいたが、上陸後待ち構えていたバティスタ政府軍によってカストロやゲバラ含む12人にまで減ってしまったといわれている。ゲームでは、上陸できたのはカストロとゲバラの2人だけという設定になっており、そこから映画「ランボー」さながらの大逆転劇を繰り広げる内容となっている。

その後はデモプレイが延々と表示されるため、まずは何かボタンを押す。すると水色の背景に黄色と緑の迷彩色で「ゲバラ」と大きく書かれたタイトル画面が表示された。“PUSH START”と書かれているのでさらにスタートボタンを押すと、1人プレイか2人プレイかを選ぶ画面が出た。通常であれば1人プレイを選ぶところであるが、それではゲバラのみ操作することになるため、今回は2人プレイを選択する。

2人プレイを選択すると、先ほどデモで流れた上陸シーンが再度描かれる。ボートから水色と黄色のゲリラ服を着た2人のひげ面の男性が登場する。服の色違いの双子かと思う見た目だが、水色がゲバラ、黄色がカストロという設定のようだ。だが、ここに来て1つ大きな問題が。記者には一緒にプレイする友達もいないので、2人同時プレイをこのまま続けることはできないのだ。したがってどちらか片方をゲームオーバーにさせる必要がある。今回はカストロプレイが目的なので、1P側のゲバラを最初に泣く泣くゲームオーバーにさせることでゲームを続行する。

ゲバラの敵陣への決死の突撃を見送ったあと、冷静に黄色いカストロを操作する。操作はAボタンで手榴弾を投げ、Bボタンで銃弾を撃つというもの。十字キーは8方向の操作に対応しており、斜めの移動や攻撃もできる。移動も早く、心地よい操作性だ。

一方、シューティングゲームとしてはシビアで、敵の弾に1発でも当たってしまうと機数が1つ減ってしまう。こちらの所持機数は5機しかないため、慣れないとすぐに全滅してしまう。だが、ゲームオーバーとなってしまっても心配いらない。このゲームはコンティニューを無限にできるため、プレイヤーの根気が続く限りどこまでも革命を推し進めることができるのだ。

ちなみにこの「グランマ号」の上陸地点、現在では国立公園となっており、風光明媚であることからなんと世界遺産にもなっている。後世の世界遺産で部屋の中でこうして革命戦を繰り広げていると考えると、なんとも自分に申し訳ない気持ちにもなってくる。

無限コンティニューのおかげで、ゲームクリアはさほど難しくない。ゲームは1ステージ目の上陸地点から始まり、市街地、炭鉱、首都、そして敵の最終基地へと舞台を変え、全10ステージにわたって構成されている。

道中、「L」や「F」など書かれたパワーアップアイテムを取ると、武器がロケットランチャーや火炎放射器などに変化する。また、敵の戦車を奪うことも可能で、この状態だと敵の通常弾を受け付けなくなるから心強い。随所に捕虜が人質として置かれており、接触すると+1000点のボーナス点、間違って攻撃してしまうと-500点のペナルティとなる。ただしこのゲーム、捕虜を助けて高得点を得ることのメリットがほとんどないため、慣れてくると捕虜ごと抹殺プレイになってしまう。革命のためなら多少の犠牲もやむを得ないということか。

そんなこんなで最終ステージに来ると、舞台はバティスタの宮殿へと移る。もちろんラスボスはバティスタ。七三分けのような整った髪型に、赤い服を着ている。宮殿の屋根には4つの砲台があり、バティスタも屋根から攻撃してくる。砲台からはプレイヤーをホーミングしてくる弾を撃ってくるが、これらを回避しつつ約3分、ようやくバティスタを倒すことができた。

バティスタが倒れる演出が起こると、画面はすかさずエンディングと移る。そこで表示されるのは、「バティスタが倒れた。これでこの国にも平和がおとずれるのだ。長かった君の戦いも、ここで終わった。」という文章と、肩を組むカストロとゲバラのイラスト。そしてしばしスタッフロールが流れたのち、「ゲバラはこの働きにより少佐となったが、その後、ボリビアで死亡している。カストロはキューバの首相として現在にいたっている。」とのテキストが表示され、「THE END」とゲームは幕を閉じる。なんとも爽快感あふれるゲームをしているはずなのに、歴史の勉強にもなるという一石二鳥のお得感が味わえた。カストロが亡くなったことで是非続編が出ないものかと楽しみにさせられる完成度の高さだった。もっとも肖像権が叫ばれる昨今、実現は非常に難しそうではあるが……。

ちなみにこの「ゲバラ」、ゲームの完成度の高さにもかかわらず、いろいろ大人の事情があるためか、「Wii」や「ニンテンドー3DS」などで昔のゲームが遊べる「バーチャルコンソール」には入っていない。遊びたければ中古ソフトを探してきてファミコンで遊ぶしかないのだ。11月に発売された「ファミコンミニ」に追加で収録されれば面白いが、是非ともこの場を借りて関係者の方々にお願いしたいところだ。(ライター・河嶌太郎)

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