ピクサーのアニメーターが作品の隙間に作った短編「Borrowed Time」

ピクサーのアニメーターが作品の隙間に作った短編「Borrowed Time」

  • ギズモード・ジャパン
  • 更新日:2016/10/20
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とっても大人な内容。

ピクサーのアニメーターがプロジェクトとプロジェクトの合間に作った短編が、非常に高い評価を得ています。

絵はピクサーらしいとはいえ、心に訴えかけるディープなストーリーで、最後は涙してしまうかもしれない内容です。

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これはThe Awesomerが取り上げた、アンドリュー・コーツ氏とロウ・ハモウラウ氏が制作した「Borrowed Time」(借りられた時間といった意味)。

過去のトラウマから自分を許すことができず、ついには自ら命を断とうとした保安官の姿を描いた力強い作品です。

ショットガンの引き金を引いてしまった瞬間に声を上げてしまったのは筆者だけではないはず。ピクサー作品だと思いながら観たからか、思いも寄らない展開に呆然としてしまいました。

なお、制作者のふたりが本作のインスピレーションのもとを語った動画も公開されています。

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彼らのゴールは、アニメーションの可能性を伝えること。アメリカではアニメは子供が見るものという固定概念があるため、それを揺るがせたいという思いがあったそうです。お金になりづらいこともあり、短編作りはもともとハードルが高め。では、思い切ってやりたいことをやろうというのが彼らの考えでした。

画面からビシバシ伝わって来る「許し」は、兼ねてからふたりが考えていたテーマで、これにウェスタン文化やカウボーイ映画の要素を入れつつ、肉付けしています。作り始めた当初は登場人物が多かったようですが、最終的には犯してしまった罪とトラウマに向き合う保安官というシンプルな作りに落ち着いたようです。

ふたりにインタビューしたCartoon Brewによると、「Borrowed Time」はピクサーのCo-op Projectという、ピクサースタジオの審査を通ったものであれば、自社のパイプラインを使って短編が作れるシステムを利用して制作されています。

レンダーファームをはじめ、全てが使い放題ですが、制作中の他のプロジェクトの邪魔にならないことが絶対条件とのこと。そのため、早朝、昼休み、週末といったプライベートな時間を削り、5年もの月日を費やして制作されたそうです。ふたりはアニメーターなので、得意な分野はもちろんアニメーション。その他の分野はピクサーのスタッフの助けを得ているそうです。

例えば、スクリプト・スーパーバイザーのアマンダ・ディーイング・ジョーンズ氏を迎えたことで、彼女と付き合いのある「ブロークバック・マウンテン」や「バベル」でアカデミー作曲賞を受賞したグスターボ・サンタオラヤに曲を担当してもらったり、ルーカス・フィルムのスカイウォーカー・サウンドにファイナルのサウンドデザインを頼んだりができたのだとか。短編とはいえ、スケールが大きいです。

現在、コーツ氏とハモウラウ氏はフェスティバルなどに参加しているため多忙ですが、長編にも意欲的なんだとか。ただ予算や期間、ビジネスとしての映画作りはまったくの素人なので、実現できるかどうかは未知数です。「Borrowed Time」の制作に5年間も費やしたので、今は新しい何かに挑戦したいとも語っています。

こういった作品をきっかけに、アニメはよりジャンルを問わない表現となっていくのかもしれません。

image:vimeo
source: vimeo1,2viaThe Awesomer,Cartoon Brew

中川真知子

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