シャープが東証1部復帰 平成12年以降でわずか2例、東芝は前途多難

シャープが東証1部復帰 平成12年以降でわずか2例、東芝は前途多難

  • 産経ニュース
  • 更新日:2017/12/07

東京証券取引所は7日、シャープの株式の上場先を東証2部から1部に復帰させた。東証ではセレモニーが行われ、シャープの戴正呉社長らが記念の鐘を打ち鳴らした。戴氏は後任を育成するため、平成30年1〜6月中に共同最高経営責任者(CEO)体制へ移行して権限移譲を進める方針を明らかにした。

戴氏はセレモニー後の記者会見で、「(昨年8月に)社長に就任したときからの目標を果たすことができた。株主や取引先などに感謝する」と語った。

戴氏は親会社の台湾・鴻海精密工業から派遣されて社長に就任した。自身の進退についてはこれまで、東証1部復帰後に退任する意向を示唆していたが、この日の会見では「次は中期経営計画の達成。最終年度の31年度まで全力挙げて取り組む覚悟だ」と表明。「退任したい意向は変わらないが、私のわがままになる。30年度以降の経営体制は取締役会と株主総会の判断に委ねる」などと説明した。

シャープは平成28年3月期まで2年連続で2千億円を超す巨額赤字を計上。負債が資産を上回る債務超過に陥り、東証の規定で28年8月に2部に降格した。その後、鴻海の出資を受けて債務超過を解消、今年11月に1部復帰が認められた。

7日のシャープの株価は、東証2部での取引最終日となった6日の終値より20円高い3905円で始まったが、その後は利益を確定しようとする売りに押されて値を下げ、終値は80円安の3805円だった。

東京証券取引所によると、平成12年以降で東証1部から東証2部に降格となったのは17銘柄。このうち、降格の原因を解消するなどして1部復帰を果たしたのは、信販のオリエントコーポレーション(23年3月17日復帰)と今回のシャープの2銘柄のみで、1部復帰は珍しいケースだ。一方、2部降格後に経営破綻したり他社の完全子会社になるなどして上場廃止となったのが12銘柄と約7割を占めるほか、現在も2部に上場するのが3銘柄ある。

オリエントコーポレーションは債務超過に陥ったことで、19年8月1日に2部に降格。東証に1部復帰を2度申請した後、審査を経て、降格から約3年7カ月後に1部に返り咲いた。

一方、いったん2部に落ちるとその後の道のりは険しいパターンが目立つ。金融業のNISグループは、資金繰り悪化で民事再生法の適用を申請し、24年6月に上場廃止に。通信機器の島田理化工業も、三菱電機の完全子会社となり、22年3月に上場が廃止された。

11月30日の取引終了後に東証がシャープの1部復帰を発表した後、シャープ株は急伸し、今月5日には一時4035円と、11月30日終値と比べると約14%も上昇。東証株価指数(TOPIX)に連動した運用を目指す機関投資家による買いへの思惑が株価を押し上げた。ただ最近のハイテク株の軟調もあって、7日までの3営業日は続落した。

シャープが1部に返り咲いた一方、同じく債務超過で今年8月1日に2部に降格した東芝の早期の1部復帰は難しい状況にある。

東芝は10月に東証から特設注意市場銘柄の指定解除を受けたのに続き、今月5日には計約6千億円の第三者割当増資の払い込みを得て、債務超過の解消と上場維持にめどをつけた。ただ1部復帰には直近5年間、企業が作った決算書を点検する監査法人から有価証券報告書などに「無限定適正意見」か「限定付適正意見」を得ている必要がある。東芝はこの点に引っかかり、この先も問題を起こさなかったとしても、1部復帰は最短で34年3月期の有報の提出後になる。

(森田晶宏)

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1部復帰を果たし、鐘を打つシャープの戴正呉社長=7日午前、東京都中央区の東京証券取引所(佐藤徳昭撮影)

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