ダマされるな!「老後2000万円問題」で絶対やってはいけないこと

ダマされるな!「老後2000万円問題」で絶対やってはいけないこと

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/08/25
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「老後資金2000万円不足問題」以来、自助努力の必要性を感じ、iDeco(イデコ)やつみたてNISAの口座開設をする人が増えているようで、良い流れだと思います。

一方、「自分は一体、どのくらいお金を貯めなくてはならないのか」がわからず、「漠然とした老後不安」を抱えたままの人も多いようです。

そこで今回は、自分が結局いくら貯めればいいのかを求める方法を解説します。相談事例を元に、今後どのようにお金の問題を解決していけばよいかを考えてみたいと思います。

商品をまず勧めるFPは絶対にダメ

持田圭介さん(仮名・36歳)と咲さん(仮名・34歳)はともに会社員です。現在の手取り年収は、圭介さんが440万円、咲さんが200万円です。現在貯蓄額は600万円です。

先日、圭介さんは、お子さんが生まれたタイミングで子供の教育費や老後資金も含めてお金についてきちんと考えていきたいと、ファイナンシャルプランナー(以下FP)のところに相談に行きました。すると、FPから、「米ドル建養老保険」を強く勧められたそうです。圭介さんは、「なんか違うのではないか」と思ったそうで、セカンドオピニオンとして、私のところにご相談に来られました。

この手のご相談はかなり多いのですが、大切なのは、人生のお金について考えていくとき(いわゆる「お金の人生設計」をするのに)、「商品から入ってはいけない」ということです。

商品を選択するのは、今後毎月いくら貯めていかなければならないか(必要貯蓄額)を決め、そのうちいくら運用していくのか、どのように運用していくのかを決めた後です。最後に「商品」を選びます。

圭介さんに、「そのFPからiDeco(イデコ)やつみたてNISAについての説明はありましたか?」と伺うと、「iDecoは60歳まで引き出せないし、投資信託は元本割れするので、保険の方がいいと言われました」とのことでした。

FPのこの発言がいかに顧客本位ではないか、またFPとして知識不足なのかは、最後までお読み頂けるとおわかり頂けると思います。

「正しい老後資金額」の計算方法がある

まず必要なのは、今後毎月貯めていかなければならない貯蓄額を求めることです。言い換えれば、現役時代に手取り年収から、自分の決めた比率で貯蓄をしていけば、今後、お金の問題で苦労することはありません。

なぜなら、現在のお給料は今の生活を維持するために使うだけではなく、将来の自分を支えるためのお金でもあるからです。つまり正しく配分できていれば問題はないということです。

将来、自分がどのような暮らしをして、また子供にどのような教育を受けさせたいのか、受けさせられるのかなどを考え、相応のお金を積み立てていく。それができれば、お金の問題は解決します。大切なのは、自分はいくら貯めていかなければならないのか、必要貯蓄率を計算することです。

持田夫妻の必要貯蓄率を「人生設計の基本公式」を使って求めてみましょう。皆さんもご自身の必要貯蓄率が求められるように丁寧にご説明します。

「人生設計の基本公式」をやってみる!

前回(『老後2000万円を信じて「ダメ投信・ダメ保険」を買った人の悲劇』)もご紹介しましたが、「人生設計の基本公式」は、老後生活費の基本的な部分を公的年金で終身で賄うことができるということを根拠にしたものです。

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まず、「今後の平均手取り年収(Y)」には、今後の現役時代のおおよその平均手取り年収を入れます。手取り年収というのは、税金・社会保険料控除後の金額です。会社から給与として口座に振込まれる金額の1年分と考えていただいて結構です。

式に入れるのは、今後の平均手取り額です。会社員の場合、年収は、通常、55歳くらいがピークでその後下がっていくことが多いようです。職種によっても違いますが、43歳〜45歳くらいの賃金が生涯の平均年収になるようです。60歳以降も働く場合はそれも計算に入れてください。夫婦の場合は合算します。

持田さんは、職場の40歳半ばの先輩に聞いて、夫婦で合算して「640万円」としました。

次に「年金額(P)」を考えます。50歳以上の人は、「ねんきん定期便」で大体の金額がわかりますが、50歳未満の方は、次のように計算してください。

先のYは手取年収でしたが、今度は「生涯年収の平均」を使います。わからなければ、ざっくり「Y÷0.8」も構いません。

老齢厚生年金の計算式は、「年収× 厚生年金加入期間× 約0.0055」です。老齢基礎年金は、満額で780,100円(令和元年)です。1年保険料を納めると2万円増えます。会社員の人は、老齢厚生年金と老齢基礎年金を足します。自営業の人は、老齢基礎年金のみになります。

持田さんは、二人合計で「800万円」です。二人とも22歳から65歳まで働きますので加入期間は43年間です。老齢厚生年金は、「800万円× 43年間× 0.0055=約189万円」。老齢基礎年金は、満額相当の約78万円が受給できますので、二人分で、年金額の合計は345万円です(P=345)。

「現役年数(a)」は、「リタイアメントの年齢-現在の年齢」で算出してください。夫婦の場合は、年収の多い方で考えます。持田さんは、圭介さんの方が年収が高いので、「65歳−36歳=29歳」です(a=29)。

年間約100万円「貯まる人」になる

「老後年数(b)」は、リタイア後に続く老後期間(年数)を入れます。なるべく余裕を持って設定して下さい。基準は95歳とします。しかし、20代30代の人は、「100歳-リタイアメントの年齢」で計算してください。夫婦の場合は、若い方で計算します。

持田さんは、圭介さんだと「100歳−65歳=35歳」になりますが、咲さんの方が2歳年下なので、プラス2歳として37歳にします(a=37)。

「老後生活費率(x)」は、「現役時代の生活費」に対する「老後の生活費」の比率です。今の生活費を基準にしてそれよりいくら減らせるかを考えます。子供が成人して家のローンも終わればどうだろうというようにです。例えば、今の生活費が50万円で35万円くらいになると思えば、35÷50=0.7 で7割とします。

持田さんの毎月の生活費は約37万円ですが、今の手取り年収600万円を12月で割ると50万円です。この50万円を基準に考えます。賃貸のため、今の段階では、そう大きく減らないと考え、7割(37万円÷50万円)のままとして計算することにしました(x=0.7)。

「現在資産額(A)」は、預貯金、有価証券は時価、個人年金保険、確定拠出年金、退職一時金などすべての合計金額です。しかし、今後必要になる教育資金や住宅の頭金などはここから差し引きます。マイナスになっても構いません。

持田さんの現在貯蓄額は600万円です。子供の教育費として1000万円を予算としておきたいので、差し引くとマイナス400万円です。退職一時金は少なめに見積もって500万円としてプラスします(A=100)。

これらを「人生設計の基本公式」に入れて計算します。皆さんの必要貯蓄率はいくらになりましたか?

ここで計算したのは、現役時代に守っていく貯蓄率です。実際にいくら貯めて行けばい良いのかは、「現在の手取り年収× 必要貯蓄率」で計算できます。今後、手取り年収が増えれば、貯蓄額も増えることになります。収入が下がれば貯蓄額も減ります。

持田さんの必要貯蓄率は「17.88%」、約18%でした。現在の手取り年収の600万円にかけると、年間の必要貯蓄額は、108万円(600万円×18%)です。毎月9万円ずつ貯蓄をしていっても、ボーナス時に多めにするようにしても構いませんので、この貯蓄額を守ります。

今後、子供が生まれたり、家を買ったり、働き方が変わったりなど、ライフプランに変化があればその都度計算をし直します。貯蓄額も増えていくでしょうから反映します。

iDecoとNISAを使い倒す

さて、持田さんの当面の貯蓄額毎月9万円ですが、最も効率的な貯め方は、税制優遇の大きいiDeco(イデコ)やつみたてNISAの枠をいっぱい使うことです。

持田さんの場合は、咲さんがiDecoを使えるので(圭介さんは企業型DCに加入)、イデコで2万3000円、つみたてNISAで3万3000円、残りの3万4000円を普通預金でつみたて行くことにしました。

60歳まで引き出せないiDecoを使うことで確実に老後資金を貯めていくことができます。つみたてNISAを使って「長期・分散・低コスト」でゆっくりお金を増やして行けば良いのです。

教育費が必要になったり、家を購入するときの頭金、急な出費には、預貯金からあてれば良いし、18年後の大学進学時にはつみたてNISAで積み上がったお金をあてることもできます。コストの高い外貨建て保険の必要性はどこにもありません。先のFPが正しい知識を持って、顧客本位のアドバイスをしようとするならば、運用のために保険をまず勧めるなどということはないはずです。

さて、圭介さんは、万が一に備えて、ネット生保で定期の死亡保険に20年間入ることにしました。保険金額2000万円、保険期間20年で毎月の保険は約4300円です。家の購入をしたら保険金額を減らすつもりです。

イデコやつみたてNISAは、最初に手続きをしてしまえば、あとは自動的に積立投資ができます。お二人は、お金のことは忘れて、しっかりと仕事や育児に集中したいとおっしゃっていました。

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