三菱「デリカD:5」、ファンが溺愛してしまう「超個性的」な理由

三菱「デリカD:5」、ファンが溺愛してしまう「超個性的」な理由

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/11/20
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前年同期と比べて140%の伸びを記録

三菱自動車のミニバン「デリカD:5」が根強い支持を受けている。現行型は2007年1月に発売され、昨年11月に改良型を発表するとともに予約受注を開始。今年2月に販売が始まった。つまり誕生から12年以上を経ているというのに、着実に売れているのだ。

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現行型は、2015年のアウトランダー/アウトランダーPHEVの大幅改良で初導入され、その後エクリプスクロスやeKクロスなどに展開しているフロントデザイン「ダイナミックシールド」を縦型のLEDヘッドランプとともに採用。インテリアではインパネを一新しており、機能性と開放感、上質感を向上した。

加えて衝突被害軽減ブレーキシステムなどの予防安全技術を装備して安全性を向上。クリーンディーゼルエンジンに大幅改良を施すとともに 、ATを新開発の8速スポーツモード付きとすることで、力強く静かで滑らかな走りを手に入れている。

筆者は新しいフロントマスクは威圧感が強すぎると感じ、インテリアやメカニズムの改良は評価するものの、人気獲得は難しいのではないかと予想した。ところが一般社団法人日本自動車販売協会連合会の乗用車月販台数順位によれば、昨年後半は40位台だったのが、現行型に切り替わって以降は30位台に入ることが多くなり、4〜9月の累計は39位で8676台と、前年同期に比べて140.5%もの伸びを記録している。

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2005年の東京モーターショーで出展された「コンセプトD:5」

2007年デビューであること考えれば、この伸びは驚くべき数字と言える。さらにデザインに関しては2005年の第39回東京モーターショーで出展された「コンセプトD:5」をベースとしているから、実に14年もの間、基本的に同じフォルムを継承していることになる。

2代目デリカから受け継がれる「商品力」

もっともデリカはD:5のサブネームをつけた現行型だけがロングライフなのではない。初代が誕生したのは1968年だが、それから51年の間に4回しかフルモデルチェンジをしていない。つまりそれぞれの世代が平均10年以上生き続けている。

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自動車のモデルチェンジは、安全基準や環境基準への適合が理由になることもあるが、多くの場合は商品力の向上がメインとなる。長い間同じ内容ではユーザーに飽きられてしまうからだ。デリカは飽きのこない商品力を備えているから、モデルチェンジが少ないと言える。ミニバンとSUVを融合させた、唯一無二のオールラウンドミニバンであることが大きい。

その地位を確立したのが、2代目デリカをベースとして1982年に登場したデリカスターワゴン4WDだった。後にミニバンに発展するワンボックスワゴンで初の4WDだったこの車種は、パジェロのフレームやエンジン、サスペンションとデリカのボディを合体させたような成り立ちであり、遅れて登場した他社のワンボックス4WDとの走破性の違いは歴然としていた。

この成り立ちは1986年のモデルチェンンジでも継承された。そして1994年に発表された後継車のデリカスペースギアでは、パジェロに先駆けてラダーフレームをモノコックと融合させたビルトインフレーム方式を採用。短いノーズを持つミニバンスタイルに転換しながら走破性の高さは受け継いでいた。

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先進のクリーンディーゼルエンジンを搭載

こうした流れを受け継ぐデリカD:5もまた、アウトランダー/アウトランダーPHEVやRVR、エクリプスクロスといったSUVと共通のプラットフォームを使用したうえに、飛行機の設計にヒントを得たという環状骨格構造リブボーンフレームを導入して剛性を確保。一時期排出ガス規制の関係でラインナップから落とされたディーゼルターボエンジンも、2013年に最新の規制をパスするクリーンディーゼルとして復活した。

「生まれ変わってもデリカに乗りたい」

つまりデリカ4WDは、いわゆる生活四駆とは一線を画しており、あくまでオフロード走行を念頭に置いたボディやエンジンにこだわってきた。これが多くのユーザーから「デリカでなければ」という評価を受ける理由になっていると想像している。

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今年の改良で、インテリアは上質な仕上がりに

たしかに今、日本で買える乗用車の中で、ディーゼルエンジンを積みオフロード走行にも対応できる4WDミニバンはデリカD:5だけだ。走破性を裏付けるような力強いデザインもまた、孤高の存在となっている。

三菱自動車に寄せられたオーナーの声を見ると、デリカの良いところとして挙げられたのは、「四角いデザイン」「雪道に強い」「悪路を気にせず走れる」「車中泊できる」「ディーゼルの力強さ」「ボディ剛性がある」などだった。これらをすべて満足する乗用車はデリカD:5ぐらいだろう。

加えて「人がたくさん乗れる」「ロードバイクが分解しないで詰める」「家族との思い出をたくさん作れそう」など、ミニバンならではの意見もあった。ミニバンとSUVの長所を併せ持つ稀有な存在であることがわかる。

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「ロードバイクが分解しないで詰める」と評判の大容量収納スペース

2017年にデリカのファンを対象に開催されたミーティングでは300人に聞いたアンケート結果として、「デリカが好き」と答えた人が90%、「乗り換えを検討したことがない」という人が83%、デリカの点数は平均で91.4点、「生まれ変わってもデリカに乗りたい」と答えた人が90%に上った。溺愛という表現を使いたくなるような状況である。

いい意味での個性を演出したデザインと性能

今年発売された新型については、デザインについては賛否両論であったが、「写真では違和感を抱いたが実物は良い」「子供はカッコいいと言ってくれる」という意見もあった。内装は高級になったなどおおむね好意的。走りについてはATが8速になったこと、パワーステアリングやパーキングブレーキが電動式になったことに評価が集まっている。

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新開発された8速のステップATで、より力強い走破性を実現

筆者も先日、最新のデリカD:5に乗ってみた。フロアはやはり他のミニバンと比べると高めで、よじ登るような動作になる。でもこれを個性と受け取る人もいるだろう。

運転席に着くと、スクエアなフォルムと目線の高いシートのおかげで視界は抜群。走り出してからも、全幅が1800mmに抑えられていることもあって東京近郊の道でも不便には感じない。電動アシストとなったステアリングが軽く素直に切れてくれるところもありがたい。

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スクエアなフォルムと目線の高いシートのおかげで視界は抜群

2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、形式名は4N14型で以前と同じではあるが、今回の改良で最大トルクは360Nmから380Nmにアップしているうえに、6速だったATが8速になったおかげでレスポンスが良くなり、かつ静かになった。

サスペンションは固めではあるが、街中を流すようなペースでもしっとり上下にストロークしてショックをいなしてくれる。ボディ剛性が高いので衝撃を足元だけで吸収してくれる。環状骨格構造を使ったボディが、今の水準でも通用するしっかり感を備えていることが確認できた。

古さは感じなかった。インテリアやエンジン、AT、ステアリングなどのバージョンアップのおかげもあるが、基本となるボディが時代を超えた性能を備えていたことに感心した。

優れた設計のプロダクトを長期にわたり作り続ける。目先の変化にとらわれがちな日本としては稀有なデリカD:5のものづくりの姿勢もまた、根強いファンを生み出す理由なのだと思い知った。

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