韓国で愛される日本産 「フィガロ」好き高じ脱サラ

韓国で愛される日本産 「フィガロ」好き高じ脱サラ

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2018/02/15
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日産フィガロとともに写真に収まる、オーナーズクラブ会長のパク・チヒョクさん(右端)(撮影・三須一紀)

<三須一紀記者のピョンチャンルポ>

過激な反日デモ報道が目立つため“近くて遠い国”といわれる韓国だが、意外にも「メード・イン・ジャパン」が愛されている。1991年(平3)に限定車種として販売された日産「フィガロ」のファンクラブを取材。韓国国内には100台ほどしかないが、会員はなんと4310人もいる。銀行員を辞めて中古車整備会社を立ち上げ、フィガロに人生をささげたファンクラブのパク・チヒョク会長(37)に「日本産の今」を聞いた。

パクさんのダウンコートに、「NISSAN」の文字が輝いていた。日産から支給されたと思いきや、好きが高じて自ら制作。権利関係がうるさい昨今だが、大目に見て欲しい。もちろん中古車を美しく生まれ変わらせる整備過程で、日産の部品を仕入れているビジネスパートナーでもある。

フィガロは、遊び心のあるレトロなコンセプト車として91、92年に2万台限定で販売。韓国国内に100台しかないが、パクさんは3台保有し、「車と女性はよく比較されるが、フィガロは見た目が美しい」とほれぼれ語った。1台は走行距離が約13万キロに上り、「なるべく乗らないようにしてる」と笑った。

当時の価格は約180万円だったが、27年たっても240万円ほどで取引されているという。デザインだけでなく、長く乗れるのも日本車が愛される理由だ。最大手、現代(ヒュンダイ)を筆頭に、韓国の自動車会社は「部品を10年ぐらいしか造らず、新しい車種を買わせる」。一方、日本産の部品は末永く製造され、この日もフィガロの部品が届いた。ファンクラブの正式名称は「フィガロ・オーナーズクラブ」で、年1回以上は全国集会を行う。同車を持たない人も日産車に乗って、1泊旅行やバーベキューを行う。

パクさんは大学卒業後、05~11年に銀行員としてシティバンクなどで勤務。韓国でも銀行員のステータスは高いが、日本車好きが高じて脱サラ。オールドカーをCMや映画に貸す会社を立ち上げ、1度は倒産するも、中古車整備会社に再就職して技術を学び、現在の会社「オールドカーファクトリー」を立ち上げた。

韓国で日本車に乗っていて不都合はないか聞くと「右翼系の人は何か言ってくるかもしれないけど、普段の生活では何もないよ」と笑い、「不買運動などもない」と語った。フィガロに限らず、日産好きの会もあるらしく、そちらは会員約5万人。他にも「スズキやダイハツが好きだよ」と、日本車愛が止まらなかった。【三須一紀】

◆韓国における日本車 韓国輸入自動車協会によると、18年1月の日本車の輸入車シェアは約14・3%。内訳はレクサス(トヨタ高級車)が1236台(5・9%)、トヨタが928台(4・4%)、ホンダが365台(1・7%)、日産が311台(1・5%)、インフィニティ(日産高級車)が181台(0・9%)。5ブランドの17年の累計台数は4万3582台でシェアは約18・7%だった。同年の韓国5大自動車メーカーの国内販売台数は約155万台。

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