「プレミアでは全員がファウルになる」VAR判定の恐ろしさを再認識した吉田麻也

  • J SPORTS
  • 更新日:2017/11/12

ガブリエル・ジェズス、フェルナンジーニョ、ダニーロのマンチェスター・シティ3人衆に加え、ウイリアン(チェルシー)というイングランド・プレミアリーグ所属選手を擁するブラジル相手に、どこまで拮抗した戦いができるかが10日の日本代表。ネイマール(PSG)とマッチアップした酒井宏樹(マルセイユ)が「前半はゼロに抑えて、後半何か起こるかもしれないっていう展開につなげたかった」と語っていたように、日本としてはまずブラジルの華麗な攻撃陣をゼロに抑えて、相手の本気を引き出したかった。

そのシナリオを根底から崩すことになったのが、前半9分に吉田麻也(サウサンプトン)がフェルナンジーニョをペナルティエリア内で引き倒して献上したPKだ。2018年ロシアワールドカップ本番に向け、VAR(ビデオ)判定が導入されたこの一戦で、早速その対象になったこのプレーだが、プノア・バスティアン主審は映像をしっかりとチェックして吉田にイエローを提示。ネイマールの日本戦4試合8ゴール目を演出する格好になってしまったのだ。

「大事な試合で、すごくインテンシティーを高くいこうとしている中で、ホントにゲームを台無しにしてしまうようなミスだったなと。ホントにアホなことをしてしまったなと思います」と吉田は反省しきりだったが、本人としては「フェルナンジーニョにブロックされて、それをはがそうとして、必要以上に振りほどいてしまった」というプレーの意図だったという。

イングランド・プレミアリーグではVAR判定は導入されていないから、おそらくサウサンプトンで同じプレーをしていても、PKを取られることはなかったかもしれない。本人も「なぜイングランドでやらないか分かりましたね。導入したら全員ファウルだから」と苦笑いしつつ、本音を吐露した。

現在はモダンフットボールへ劇的な進化を遂げているプレミアリーグだが、もともとは肉弾戦やキック&ラッシュの傾向がどのリーグより強い。多少のぶつかり合いやお互いを手で捕まえ合うような駆け引きは日常茶飯事と捉えられがちだ。そのリーグに2012年夏から6シーズンを過ごし、母国の文化に慣れていた吉田にとって、このPK献上はショッキングなものだったに違いない。それでも時代はVAR判定導入の方向へと進んでいる。イングランド・プレミアリーグと言えども、いずれはその流れに飲み込まれる可能性が高い。

プレミアには吉田のような代表選手が数多くいる。彼らが2018年ロシアワールドカップの舞台に立った場合、普段と同じ感覚でやっていたら、PK献上のリスクが非常に高くなる。その厳然たる事実を強く認識しなければならないだろう。吉田自身も「こういう接触でファウルやPKを取られるんだなというのは把握できましたし、(今季からVARが導入されている)ドイツの選手からも言われていたから、もっと慎重に行くべきだった。自分にとっていい教訓になりました」と神妙な面持ちで話していた。

コンペティションが変われば、判定のスタンダードが変わるということはよくあるが、プレーする選手側は対応に苦慮するのは間違いない。そこは同情の余地が多少なりともあるが、今回のブラジル戦が日本代表にとっては数少ない世界トップとのテストマッチだったからもったいない。日本が立ち上がりの時間帯をしのいで、前からのプレスをより機能させていたら、ブラジルは苛立ち、もっと本気になっていたかもしれない。

日本側としては、96年アトランタ五輪の「マイアミの奇跡」を再現するようなところまで行けた可能性もゼロではない。そう考えると、吉田のミスは厳しく批判されるべき。彼は世界基準を知る唯一のセンターバックなのだから、同じ轍を踏むことだけは避けてもらいたい。

「VAR対策? 日本人らしく勤勉にやることしかないですね」と背番号22は話したが、その駆け引きをしっかりと身に着けることがロシアに向けての大きなテーマになってくる。それはJリーグでプレーしている槙野智章(浦和)や昌子源(鹿島)らも同様だ。Jの場合は接触プレーに対しての判定が厳しいため、DF自身も自重しながらプレーするだろうが、ちょっとしたことが映像で確認されてしまうのだから、よりナーバスになりがちだ。そういう状況下でも冷静さを失わずに90分戦うことができなければ、強豪を零封するのは困難だ。ブラジルから3失点した現実をしっかりと見据えながら、守備陣には自分たちの進むべき道を真剣に模索してほしい。今回のアクシデントはそのいい契機になるはずだ。

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