「彼女がいることは、隠さない・・・」部屋に女の私物をあえて置く、モテる男の策略

「彼女がいることは、隠さない・・・」部屋に女の私物をあえて置く、モテる男の策略

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  • 更新日:2020/02/04

「どうしてあの人は、私のことを好きになってくれないの?」

恋愛の需要と供給ほど、バランスが崩れているものはないかもしれない。

好きなあの人には振り向いてもらえず、好きでもない人からアプローチされる。

そして、満たされぬ思いを誤魔化すために、人は自分に嘘をつく。

嘘で自分の感情を誤魔化した先に待っているのは、破滅か、それとも…?

満たされぬ女と男の4話完結のショートストーリー集。1話~4話は、ー片想いー

◆これまでのあらすじ
紗英(26)は、彼女持ちの友也に心惹かれながらも、自分に気がある健二で寂しさを紛らわせる日々。一方の友也の紗英に対する本心は・・・?

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白いワンピースにストレートロングヘア。

紗英は第一印象から、いわゆる「普通」の女の子だった。

顔は可愛いし、きっと世間ではモテる部類に入るのだろう。俺の周りにはあまりいないタイプだ。

「ねえ、紗英ちゃん、今まで何人と付き合ったことあるの?」
「それ、このご時世、セクハラに該当しますよー」

紗英と誰かの会話が聞こえてきた。

飲み会では、絶えず話題を振り、答えたくない質問は俊敏にかわす。そのノリの良さは、会社員生活で身についた術なのだろうか。

「困りますよ~。ねえ友也、助けてよ~」

きっと、紗英は全く困っていないだろう。顔を見ればわかる。しかし、そんな風に、俺に話を振ってきた。

視線や仕草、話しかけてくる内容から察するに、紗英は俺に気があるのだろう。

ぶっちゃけ、自分がモテる部類に入ることは自覚しているが、紗英のような全うにOLやって生きているタイプから好かれるのは、初めてかもしれない。

今までは、自称モデルだとかアパレル関係で起業してますとか、そんな女ばかりだった。

紗英からの好意を自覚する友也。はぐらかしながらも、ある感情が芽生える…

恋人のスミレにLINEをしてから、1日以上連絡がない。

俺はマメなタイプではないが、鈍感なわけではない。ここんとこ、スミレが妙に距離を取り始めている気がする。柄にもなく、飲みの場でも、何度もスマホでLINEの新着を確認してしまう。

「でしょ、友也?」

紗英は俺に話しかけていたらしい。

「うん、確かに」
「やっぱり、そうだよね!」

適当に返した言葉は間違っていなかったらしい。どうやら、会社の先輩とやらの愚痴を話していたようだ。

キレイな顔でふくれっ面をする紗英に、全くそそられないかと言えば嘘になる。スミレとの距離感も相まってか、健気にアピールしてくるその姿に、心が傾きかけていることも否めない。

紗英と関係を持ってから半年ほどたった頃。

中途半端に時間を持て余し、暇つぶしがてら、彼女を連れてドライブに行ったことがあった。

「首都高から見るレインボーブリッジって、本当にきれい!!」

夜景が見たいという紗英のリクエストに応え、夜景スポットを巡る“いつもの”ドライブコースを走ると、想像以上に喜んでくれた。

助手席に乗る紗英の嬉しそうな横顔と、そのはしゃぎぷりを見ると、俺まで嬉しくなってくる。

真冬だというのに、膝上のスカートに薄いタイツ、きれいに塗られたネイルやほのかに嗅覚を刺激する香水からも、気合いの入れようが伺えた。自分とのデートに頑張ってお洒落してくる女の子をみて、どんな男も悪い気はしないだろう。

車内という密室で、そんな紗英からの熱っぽい視線を受け、すっかり彼氏気どりでドライブデートを楽しんでいた。

しかし、紗英の一言が、俺の脳内に黄色信号を点滅させたのだった。

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「このまま友也の家に帰るでしょ?」

彼女気取りで、当たり前のように家に来られても困る。

「ごめん、…今日はこの後別の予定あって、また今度な」
「そっか、わかった…」

これ以上、下手にやさしくし過ぎると、あとで厄介になるかもしれない…。瞬時にそんな勘が働いたのだ。

昔、遊んでいた女性に、自分に恋人がいるとバレたことが何度かあった。彼女たちは、泣き、罵り、時に自宅まで押しかけてきた。自分としては、ただの遊びだったつもりだが、彼女たちは違ったようだ。

それからは、彼女がいることは隠さないようにしている。

紗英をうちへ誘うときも、スミレの私物は目のつくところに置いてある。だから、彼女もスミレの存在には気づいているはずだ。

下手に期待を持たせる行為は、あとで自分の首を絞めることになりかねない。

紗英が少し寂しそうな顔をするのを見ると、かわいそうに思えたが、これは、真面目に付き合う気がない俺からのサインであり、ある意味、俺なりの誠意でもあった。

紗英とは一定の距離を保つ友也だったが、スミレとの関係に変化が訪れる…

それは何の前触れもなく、訪れた。

いつものように、飲んだくれて家へ帰ると、珍しくスミレが俺の部屋で待っていたのだ。

「スミレ!!言ってくれればもっと早く帰ってきたのに」

そう言って駆け寄り、抱きしめようとした俺の腕を、スミレは静かに払いのける。

怒っているわけでも、笑っているわけでもない、無表情な顔がこちらをまっすぐに見つめている。

そこには、得体のしれない空気感が漂っており、一気に酔いが冷めた。

ふと目をやると、スミレのトートバッグには見慣れた部屋着や化粧品一式などの荷物が入っており、手に俺の家の鍵を持っている。そして、それを見て、一瞬で彼女の意図を察した。

「まじかよ…」
「さすがの私も、友也の女遊びは我慢できない…」
「女遊びなんてしてないよ!何を根拠に…?」

懸命に否定しようにも、それに対し一切反論する気のないスミレをみて、もうこれは手遅れだとわかった。

「じゃあ…バイバイ」

最後に少しだけ笑って、鍵を俺に渡し、彼女は去っていった。スミレの香水の匂いが、チクりと胸を刺した。

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俺の部屋は、スミレの私物が回収されただけで、なんとも色気のない部屋になっていた。かなり飲んで頭は痛むのに、その光景に、再び目が冴えてしまう。

「女遊びは我慢できないって…」

そんなことで、スミレが別れを切り出すとは思わなかった。俺の女遊びを知ったとしても、てっきり割り切っているものだと思っていたから。

そもそも彼女は、たまにうちに遊びにくる程度だったし、会っていた頻度を考えると、正直、付き合っていたと言えるのかも怪しい。

だけど…。

「スミレ…」

ガランとした部屋の中、思わず名前をつぶやいてしまった自分に愕然とする。

気を紛らわせるため、冷蔵庫から缶ビールを取り出しまた飲み始めた。

気づけば、今から会えそうな女の子に連絡しようと、勝手に手が動いていた。

いつもいつも、刹那的な快楽を求める軽薄さに自分でも呆れるが、そんなことには気づかないふりをして、片っ端からLINEを送るのだった。

▶Next:2月5日 水曜更新予定
友也とスミレの別れを知り、舞い上がった紗英がとった行動とは

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