Kavli IPMU、超新星爆発の名残「かに星雲」のサイズ測定に成功

Kavli IPMU、超新星爆発の名残「かに星雲」のサイズ測定に成功

  • マイナビニュース
  • 更新日:2019/11/15
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東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)は11月15日、西暦1054年に観測された超新星爆発の名残で、地球から約7000光年に位置する「かに星雲」が放つ超高エネルギーガンマ線の空間的広がりの測定に成功したことを発表した。

同成果は、Kavli IPMUの高橋忠幸 主任研究者が日本代表の1人を務める国際共同実験プロジェクト「H.E.S.S.チーム」によるもの。詳細は英国科学雑誌「Nature Astronomy」 に掲載された。

かに星雲は、源となった超新星爆発が明月記に記載されるなど、よく知られた天体だが、そのサイズは光の波長によって異なり、その違いはかに星雲における高エネルギー粒子の生成メカニズムや磁場構造を反映していることが知られている。中でも超高エネルギーガンマ線は、これまでの観測装置では、かに星雲の中心のごく一部から発しているか、あるいは星雲内で大きく広がった領域が光っているか判別できず、放射の過程に多くの謎が残されていたという。

今回、国際研究チームは、アフリカ南西部のナミビアの位置する「H.E.S.S.望遠鏡群」と、詳細に大気の状態を記述し、実際の観測条件を正確に反映した新たなシミュレーションデータを活用して、かに星雲の超高エネルギーガンマ線の観測を実施。その結果、ガンマ線の到来方向の誤差を従来の約半分にまで減少させることに成功。かに星雲からの超高エネルギーガンマ線放射は一点のごく小さな領域からではなく、空間的な広がりを持っていることを確認することに成功したという。

また、その広がりの大きさは、X線観測よりも大きいものの、紫外線観測よりも小さいことも判明。これは、ガンマ線の起源が、これまで通説とされつつも、確固たる観測的証拠が乏しかった「逆コンプトン散乱」であることを強く支持する証拠となるという。

なお、研究チームでは今回の成果を踏まえ、今後、望遠鏡の性能向上が進めば、それによって得られる天体の空間的情報も増えることから、そこから宇宙の超高エネルギー粒子である「宇宙線」が天体内でどのように生成・伝搬して光を放射するのかといった理解につながることが期待されるようになるとしている。

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