明暗分けた1敗。苛酷を極める欧州予選、格下相手も容易にあらず。イタリアはW杯かけPOへ

明暗分けた1敗。苛酷を極める欧州予選、格下相手も容易にあらず。イタリアはW杯かけPOへ

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  • 更新日:2017/10/12
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W杯出場をかけプレーオフに臨むことになったイタリア代表【写真:Getty Images】

スペインと同組でプレーオフは想定内の成績だったが…

続々とロシアW杯出場国が決定してきているが、どの大陸も予選の戦いは厳しいものとなっている。強豪国がひしめく欧州でもスペインと同組になったイタリアがプレーオフ行きを強いられることとなった。この2国の運命を分けたのが9月の直接対決。イタリアはこの一戦の完敗がその後の試合でも尾を引く結果になってしまった。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

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9日、ロシアW杯欧州予選G組の最終戦で、同組2位のイタリアは3位のアルバニアに1-0で勝利した。

すでに6日のマケドニア戦のドロー(1-1)並びにスペインがアルバニアを下したために2位は確定、また各グループ2位以下のチームとの勝ち点の比較でも全体の8番目以内に入ることが確定したため、プレーオフ進出も決定した。

さらにアルバニアに勝利したことで、FIFAランキングでもプレーオフ進出組の中では上位をキープし、組み合わせ抽選ではシードに入ることが確実となった。

スペインと同組で、2位フィニッシュ並びにプレーオフ進出は想定内の成績と言える。しかしながら、イタリアのメディアとファンは現在のアッズーリに対して厳しい目を向けている。

とりわけ批判の対象となったのは、凡庸はパフォーマンスだ。トリノで行われたマケドニア戦では試合後にブーイング、そしてアルバニア戦後にガゼッタ・デッロ・スポルトは電子版で「プレーオフ進出や抽選でのシード入りは何の安心にもならない。進出してくる相手はイタリアを楽にはしないだろうし、この試合だってネガティブすぎた試合がアントニオ・カンドレーバの決勝ゴールで誤魔化されたにすぎない」と厳しく批判していた。

確かに、この2戦の内容は酷かった。マケドニア戦では、守備を固めてカウンターを狙う相手の組織を崩せず、しかも終盤にはカウンターから失点を許し逃げ切りに失敗している。その病理はアルバニア戦でも引きずり、相手ゴールを割るまでに73分を要した。いや正確には、そこまでミスパスが続きチャンスはろくに作れていなかった。

今回の2戦では、中盤を仕切るマルコ・ヴェッラッティにダニエレ・デ・ロッシ、さらにCFの一角として定着したアンドレア・ベロッティが故障で招集から外れていた。主軸の欠場を考えれば仕方のないこととも言えるが、格下相手にこの低調ぶりは言い訳にならない。

何より、ジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督自身がおかんむりだ。

「相手に与えたチャンスの90%は我われのくだらないミスからだ。目標は達成したとはいえ、こんなイタリアはワールドカップにふさわしくない」

厳しいコメントを地元メディアに残していた。

歯車が狂ったスペイン戦。完敗の一戦が他国へのヒントにも

それにしても、なぜ急にネガティブな空気になったのか? 戦力的には「史上最弱のアッズーリ」と揶揄されていたEURO2016の頃と比べて、タレントはそれなりに育っていたはず。リーグで好調を維持しているロレンツォ・インシーニェやチーロ・インモービレはスタメンに定着し、サイドバックや中盤にも若手が台頭してきている。

それをベースにチームも4-2-4のシステムにうまく転換を果たし、予選を通して危なげない戦いを続けていた。第6節までは5勝1分のペースを保ち、スペインと同じペースを保っていたのである。

しかしその歯車が狂ったのは、「第7節のスペイン戦だった。あれでチームから自信が失われた」と選手たちは口を揃えている。確かに0-3で敗れたサンティアゴ・ベルナベウでの試合と、その後の試合での苦戦には共通項があった。いずれも、中盤を分断され続けているということだ。

代表監督がヴェントゥーラになってからシステムが変わったというのは前述の通り。4-2-4はこのベテラン指揮官が得意とするもので、高く保った最終ラインからサイドアタッカーに素早く展開するというものだ。

インシーニェとカンドレーバの両翼もしっかり戻り、サイドの守備と繋がりを助ける。前線には、共に得点感覚に優れて裏抜けも上手いインモービレとベロッティが不動の2トップとなりつつあった。

しかしスペイン相手に、弱点は丸裸にされた。イスコをゼロトップに置き、これでもかと中盤の圧力を高めた彼らに対し、2枚のセントラルハーフはかわいそうなほどに数的不利を晒す。DFラインもズルズルと下げられ後方のビルドアップどころではなくなり、サイドも2トップも孤立した。

これは、スペインほどのタレントを揃えていない相手にとってもヒントになってしまった。しっかりと守備組織を固め、枚数の足りない中盤を囲んでスペースを消してしまえば、このチームは繋げないということがバレた。

攻撃的なサッカー目指すも、真っ向勝負で打ち砕かれた自信

第8節、仕切り直しのイスラエル戦でも大苦戦。マケドニア戦では3-4-3にシステムを変え、サイドでベタ付きとなっていたインシーニェらをゴールに近づける戦術をとったが、流れは変えられなかった。そしてアルバニア戦では再び4-2-4に戻すが、パフォーマンスは凡庸なままだった。

手数の少ないパスで攻守を切り替えてゴールに迫るという意図があるとはいえ、中盤を分断されれば繋げにくい。サイドにも人数を集められてパスが出せず、そんな状況で中盤に落ちてパスのつなぎを助けてくれるようなFWがいないことも苦戦に輪をかけた印象だ。

選手個々にもミスが多かった。囲まれたところでパスの精度も、またそれを引き剥がす貰い手の動きの量もそれぞれ不足しており、ミスパスを拾われてカウンターでチャンスを作られている。チーム全体が迷いの中にいることは、こういうところにも見て取れた。

ヴェントゥーラ監督に率いられたアッズーリは、この予選中には意識して攻撃的なサッカーを作り上げようとしてきた。振り返ればスペイン相手には、EUROでの対戦のようにタフな守備からカウンターで攻略というのが一つの手だったはずだが、彼らはこれまでの4-2-4で真っ向勝負に出ている。その結果自信は打ち砕かれ、そのショックを払拭できずにここまで来た。

果たしてプレーオフまでに、仕切り直しはできるのか。リーグ戦ではイタリア人の若手選手の台頭が続き、それが代表にもきちんと繋がっているのは好材料だ。だがこのままのムードを引きずるようなら、相手がどこであれ苦戦を強いられそうである。

(文:神尾光臣【イタリア】)

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