ビットコイン売却のタイミング、いかに見誤ったか=WSJ記者体験談

ビットコイン売却のタイミング、いかに見誤ったか=WSJ記者体験談

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/12/07
No image
No image

昨年のちょうど今頃、筆者は無謀にも仮想通貨ビットコインの相場はすでに天井圏にあると踏んでいた。そこでわれわれ夫婦が結婚祝いにもらったビットコインの手元に残っていた全部を売り払うことにした。

その後、価格は放物線を描いて急上昇した。

筆者は2016年12月30日、1ビットコイン=949.06ドルでこの投資を手じまいした。直近の相場が1万1000ドルを超えるのに比べると、違和感を覚えるほどの水準だ。投資額に対するリターンは3倍近かったが、さらにその何倍にも利益が膨らむチャンスを逃したのだ。

一部のベテラン市場関係者によると、ビットコインが昨年「主流」の仲間入りをするのに一歩近づいたことが価格上昇の一因だという。ビットコインの先物取引が間もなく開始される予定で、高齢者でさえも投資に参入しようとしている。また聞くところによると、結婚祝いにビットコインを受け取ったのは筆者だけではない。

筆者は自分にストックピッカー(個別銘柄の選別買いをする投資家)の才があるとは思わず、ましてやビットコインピッカーではない。いずれにせよウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の倫理規範により筆者には積極的な投資が認められていない。ただ、筆者がゲームを離脱してからビットコインがどれほど急騰するかを推測するのは不可能に近かったと思われる。筆者のような素人はもちろん、多くのビットコイン投資家は今年これだけ相場が上昇した理由が分からず困っている。

そんなわけで、筆者は大幅な利益が生じ始める前にビットコインを手放したことに何の後悔も感じない。その後の事態の展開は、筆者が昨年結婚祝いについて最初に指摘したポイントを裏付けているようだ。すなわち、ビットコインは現実の通貨というより、投機的投資に近いということだ。このとき筆者は自分の経験を大もうけも大損もあり得る小型株投資になぞらえた。最近の不安定な市場動向を踏まえると、恐らくは超小型株により近いと言えるだろう。

だからと言ってビットコイン市場の重要性が変わることはない。今やビットコインの時価総額は優良企業の数社分に匹敵するほどだ。結局、われわれの投資がかなりの利益をもたらしたのも間違いない。

2015年8月にビットコインを贈られたときの価格は285ドル近辺で、それ以前の最高値をつけた13年後半の水準から大きく下げていた。筆者の友人は一つには現在の金融・通貨システムへの不信感からビットコインに投資していた。彼はその熱意を分かち合いたかったのだ。

それは例えば確定拠出年金(401k)の積立金などではなく贈り物であることを考えると、いくらかリスクを取ってもよいだろうと感じた。そこでわれわれはしばらくの間、市場の浮き沈みにまかせておいた。翌年の春から夏にかけて価格は着実に上昇し始めた。年央までに2倍を超え、利益を一部確定したいと思えるほどに価値が増えた。1ビットコイン=669.61ドルのときに大半を売却した。

しばらくは堅実な手を打ったと思われた。昨秋はビットコイン相場がずっと停滞していたからだ。しかし年末にかけて再び上昇に転じた。2016年が終わるころにはビットコインは過去最高値に迫っていた。そこで残りを売却することに決めた。年初来の上昇率は125%だった。

今になってみればわれわれ夫婦は保守的すぎた。だがそれは筆者に限ったことではない。友人もほぼ同時期にビットコインを完全に売り払っていた。

この贈り物を受け取った後、友人もめでたく結婚した。お祝いに米長期国債をプレゼントした。どちらの投資がより健闘したかは30年後にわかるはずだ。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
日本調剤、社長の年間報酬は7億円...薬局は「儲けすぎ」なのか?
総務省の失敗を楽天が救う
酒屋配達員が見た! つぶれる飲食店の意外な特徴
37年間ありがとう! 三宮オーパで「閉店売り尽くしセール」
三越伊勢丹"退職金5000万円上乗せ"の理由
  • このエントリーをはてなブックマークに追加