ブラックホールがわずか2時間で75倍も明るく輝き天文学者も「前代未聞」と驚嘆

ブラックホールがわずか2時間で75倍も明るく輝き天文学者も「前代未聞」と驚嘆

  • GIGAZINE
  • 更新日:2019/08/14
No image

by95C

天の川銀河の中心に位置するブラックホールが、突如として通常の75倍も明るく輝いたことが判明しました。天文学者らは「前代未聞の出来事」だと指摘しています。

[1908.01777] Unprecedented variability of Sgr A* in NIR

https://arxiv.org/abs/1908.01777

Our Galaxy's Supermassive Black Hole Has Emitted a Mysteriously Bright Flare

https://www.sciencealert.com/our-galaxy-s-supermassive-black-hole-just-mysteriously-got-really-really-bright

A flashing mystery is unfolding at the center of the Milky Way | Popular Science

https://www.popsci.com/milky-way-black-hole-bright/

Milky Way's Black Hole Just Flared, Growing 75 Times as Bright for a Few Hours - Universe Today

https://www.universetoday.com/143150/milky-ways-black-hole-just-flared-growing-75-times-as-bright-for-a-few-hours/

ブラックホールは一切光を放つことがない天体ですが、ブラックホールに引きずり込まれる物質が放つエネルギーを赤外線やX線で観測することにより、その姿を捉えることが可能です。2019年4月に史上初となるブラックホールの事象の地平線の画像が公開された際は、2006年から10年以上にわたり続けられた観測によるデータが用いられました。

そんな中、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の天文学者Tuan Do氏らの観測チームは、天の川銀河の中心部を観測していた2時間半の間にブラックホールが通常の75倍も明るくなったのを偶然捉えることに成功しました。その様子をGIFアニメーションで公開したTuan Do氏は「観測を始める前にはもっと明るく輝いていたことでしょう!」とツイートしています。

No image

Here's a timelapse of images over 2.5 hr from May from @keckobservatory of the supermassive black hole Sgr A*. The black hole is always variable, but this was the brightest we've seen in the infrared so far. It was probably even brighter before we started observing that night!
— Tuan Do (@quantumpenguin)
2019年8月11日
from Twitter

Tuan Do氏が観測したのは、天の川銀河の中心にある「Sgr A*(いて座A*)」という超大質量ブラックホールです。その質量は太陽の約460万倍ともいわれており、地球からの距離も近いことから、ブラックホールの姿を捉えるプロジェクト「イベントホライズンテレスコープ(EHT)」の次なる目標として白羽の矢が立てられている天体でもあります。

EHTにより撮影されたブラックホール。

No image

byEHT Collaboration

Tuan Do氏が実際に観測したのは、Sgr A*に吸い込まれる星間物質が放つ赤外線です。Sgr A*はこれまでも放出エネルギーの変動や、「ブラックホールフレア」と呼ばれる突発的なエネルギーの放出現象が確認されてきましたが、今回観測されたエネルギーの最高値はかつて観測されたことのある最高記録の2倍もあるとのこと。論文共著者であるAndrea Ghez氏も「Sgr A*がこれほど明るく見えたことはこれまでありませんでした」と話しています。

ブラックホールがあまりにも明るく輝いていたため、Tuan Do氏は当初、Sgr A*ではなくその付近にある恒星のS0-2を観測しているのだと勘違いしてしまったとのこと。しかし、観測データが恒星とは考えられないエネルギーの変動を示したため、すぐにSgr A*だと気づいたのだそうです。Tuan Do氏はその時の心情を「最初はとても驚き、その後とても興奮しました」と語っています。

No image

Sgr A*がこれほど劇的な変化を見せた理由は一切不明ですが、Tuan Do氏は「S0-2などの天体がSgr A*に流れ込むガスの流れを変えたことで、短期間に大量の物質がブラックホールに供給されたため」だと推測しています。

Tuan Do氏らが使用していたケック天文台だけでなく、世界各国の電波望遠鏡がSgr A*を観測しているとのことで、それらの観測データの分析により今回の現象が解明される可能性もあります。

Tuan Do氏は自身のTwitterアカウントで「Sgr A*で何が起きているのか確かめるのを待ちきれません!」とツイートし、さらなる研究への意欲をのぞかせていました。

I'm so excited we get to observe again tonight! Can't wait to check in on what is happening with Sgr A*! https://t.co/Z7AaiJYWHN
— Tuan Do (@quantumpenguin)
2019年8月14日
from Twitter

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

サイエンスカテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
成層圏に粒子を散布して地球温暖化を防ぐプロジェクトにビル・ゲイツが出資
北朝鮮のスマホアプリ「名医院」で見た視力診断
希望の光となるか?犬のガンを予防するワクチンの研究
音楽に術前の患者のストレスを軽減する効果、米ペンシルベニア大学研究
300万年前の隕石が生んだガラス玉、ハマグリの化石から発見
  • このエントリーをはてなブックマークに追加