「もう我慢するのは、やめたの...」。積極的に男を誘った女が、撃沈した理由とは

「もう我慢するのは、やめたの...」。積極的に男を誘った女が、撃沈した理由とは

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  • 更新日:2019/08/26

いつの頃からか、「婚活してるの?」とすら聞かれなくなった。

幸せになりたいと願う気持ちは、何歳になっても変わらないのにー。

35歳を過ぎてから「独身」がコンプレックスとなっていく女。婚活歴15年の山崎真理子も、まさにそういう女だった。

顔は悪くない、性格は難なし、仕事は順調。結婚願望は今もある。

―40歳になったって、恋愛も結婚も仕事も、諦めたくない。

これは、年齢を重ねるにつれて“幸せになること”を諦めかけていた女が奮起し、幸せ探しを再スタートする物語である。

大手飲料メーカーでPRの仕事をする真理子は、後輩の心ない一言で撃沈し、それをバネに幸せを必ず掴むという決意をした。気がつけば、年下の上司・黒田に少しずつ惹かれ始める

真理子は、一人旅でやってきたニューヨークで宏人と出会い、急速に距離を縮め、ついには最終日にプロポーズされたのだった。

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ニューヨークでの一人旅は、あっという間に帰国の朝を迎えた。

空港へ向かうタクシ―の中で、真理子は旅を振り返る。

こんなにも充実した気持ちで帰ることができるなんて、来る前は想像もしていなかった。ずっとやってみたかったバレエにも挑戦できたし、思いがけず宏人からのプロポーズもあった。

ーマダムが言っていた通りだわ。旅は、何が起こるかわからないから楽しいものなのね…。

宏人からのプロポーズはすごく嬉しいことだったし、自分にはもったいないくらいの話だと思う。しかし、プロポーズされたとき、これが黒田だったら、と一瞬頭に浮かんだことも否定できなかった。

「ゆっくり考えればいい」。宏人がそう言ってくれたから、焦って今すぐ答えを出すのはやめることにした。彼は来月出張で日本に来ると言っていたが、それまでまだ少し時間はあるはずだ。

そして真理子は、ニューヨークを旅立つ前に、一つだけ心に決めたことがある。

それは、「我慢しないで自分がやってみたいことをやる。自分の気持ちを心に封じ込めないで解放する」ということだ。

40歳を過ぎたからといって、遠慮することはない。いろんなことにチャレンジしていこうという決意を胸に、ニューヨークを後にしたのだった。

「真理子さ~ん!お帰りなさい。ニューヨークどうでした?」

日本に戻った真理子は、久し振りに会社に出勤した。お土産のチョコレートを配りながら挨拶していると、ひなのがいつもの調子で話しかけてくる。

黒田の方をちらりとみると、相変わらずクールに仕事をしている。

お土産のチョコレートを「どうぞ」と渡すと、黒田は少しニコリとして「ありがとう」と受け取った。ニューヨーク旅行中はLINEで密にやりとりしていたのに、いざ対面すると、あくまで上司と部下の関係でいつも通りの風景だ。

でも真理子は彼に対して、ある行動を起こそうとしていた。

真理子が黒田に対して、決意していたこととは?

金曜20時。真理子は、黒田と広尾の『味のなかむら』に来ていた。ケンさんを紹介してくれたお礼がしたい、という口実で、真理子から誘ったのだ。

誘いたかったら誘ってみる。先回りしてあきらめたり我慢したりしない。一人旅のときに決意したことを、早速実行してみたのだった。

「旅行中、色々と情報ありがとうございました。それに、ケンさんを紹介してくれたお陰で、旅が何倍も充実したものになりました!彼のお友達にも、一人じゃいけないようなところを案内してもらったりして…」

「でしょ?ケンさん、顔が広くて面倒見がいいんだよね」

そうやって、目じりを下げて笑う彼を見ていると、自分まで嬉しくなる。

「学生のときも、ケンさんが休みのときに、よく旅に連れてってもらったよ。車でアメリカ横断したりしてさ。楽しかったな~」

思い出話を無邪気に話す姿が、いつものクールな印象と違ってなんだか可愛らしく見える。そんな一面も、真理子の心を捕えるのだった。

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こうしていろんな話をしていると、黒田と距離が近くなったような気がして期待しそうになる。

そんなことを考えていたタイミングで黒田のスマホが鳴り、急に現実に引き戻された。

「あっ」と言って、LINEをチラチラと気にしている姿を見ていたら、真理子は不意に思い出した。前もこうやって一緒に食事をしていたときに、LINEでスタンプのやりとりをしているのが見えてしまったことを。

それで、ずっと聞きたかった“あの質問”をしてみた。

「…彼女、ですか?」

できるだけ明るく、それとなく聞いてみる。

「いや、元カノ」

黒田は、拍子抜けするほど、あっさり答えた。

―…元カノって、もしやケンさんが言ってた、あの元婚約者?

頭の中を様々な妄想が飛び交う。彼は、そんな真理子に説明するように話し始めた。

「アメリカに留学していた元カノが日本に戻ってきて、転職の相談とかのってるんだよね。2年間ブランクあるわけだから転職も大変らしくって」

「そ、そうなんですね…」と笑顔で答えることが精いっぱいだった。

―予想通りだった、元カノの存在…。

元カノの話に動揺はしたが、モヤモヤしたこの感情を引きずるのも嫌だ。だからこの際、黒田の恋愛事情をきちんと聞くことにした。

「彼女となんで別れたんですか?」

真理子がずっと聞きたくて、聞けなかった質問。気になる黒田の恋愛事情とは?

「タイミングかなぁ…。3年くらい付き合ってたんだけど、いざ結婚しようってなった時に、彼女がどうしても留学したいって。

その時はとりあえず2年と言っていたけど、できれば向こうで仕事見つけられたら、くらいの勢いだったから。実際は、いつ戻ってくるかもわからなかったし…」

黒田が言うには、彼女の夢を応援したいという気持ちと、なんでこのタイミングで行くのかという気持ちの間で、葛藤に苦しんだ。だが結局、結婚に向けて盛り上がっていた矢先の突然の旅立ちで、彼の方が冷めてしまった、ということらしい。

しかし元カノは、今でもこうして頻繁に連絡をしてくる。それでどうやら二人は、時々会っているそうだ。

「なんか、ついつい山崎さんには何でも話しちゃうな。話しやすいのかな」

―今でも会ってるんだ。

帰り道、自分が聞きだしてしまった元カノ情報に落ち込んでいた。後悔しないようにと黒田を誘ったのに、勇気を出して行動を起こした途端の出来事で、出鼻をくじかれたような気分だ。

―せっかく自分から誘ったのになあ…。

誰かに話を聞いて欲しくて、学生時代からの親友・恵子にSOSのLINEを送り、早速次の日に会うことになった。

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「そっかー、黒田さんと何も始まってないけど、早くも失恋気分ってわけね」

真理子は、恵子と『エンポリオ アルマーニカフェ』で会っていた。ニューヨークでの宏人の話から、黒田の元カノの話まで、一部始終を報告している。

「誰がどう見たって、どうなるか全くわからない黒田さんじゃなくて、奇跡みたいにプロポーズしてくれている宏人さんでしょ。結婚したいなら宏人さんにいきなさい。絶対だよ」

「…やっぱり、そうだよね。わかってはいるんだけど…」

「真理子。そろそろ、本気で幸せ掴みに行きなさい!!」

恵子は、真剣な顔で真理子を諭している。彼女の言うことはもっともだ。

真理子だって、頭では十分すぎるくらいわかっているのだ。

プロポーズしてくれる人よりも、ちょっと気になるレベルでまだ恋愛が始まってすらいない相手を選ぶほど、自分は若くない。

今までの人生、ずっとそうだった。「トキメキ」を重視して戦略的に婚活してこなかったことが、今でも独身という結果を招いてしまっているのだと思う。

「私って、変なところ楽天的なのよね…。どこかで“なんとかなるでしょ”って思ってきたところがある。今までも、真剣に婚活していたつもりだったけど、きっと甘かったの。

戦略的に婚活してたら、もっと早いうちに結婚していたでしょうね。今回こそ、宏人のプロポーズ受けるべきよね…」

40歳にもなって、誰かにときめいたりして、「トキメキか安定か」なんて問題に直面するとは思ってもいなかった。

結局、20代の頃から、心の中は何も変わっていない。何歳になっても、恋愛で悩むポイントは一緒だった。

「でもさ、久し振りに恋愛で悩んでいる真理子から、SOSが来たのよ。何にもないよりはいいんじゃないの?」

確かに、そうだ。

つい最近までは、こうした感情の高ぶりや迷いすらなかった。平穏無事に41歳になったものの、何もなくて落ち込んでいた誕生日が、今となっては嘘みたいに思える。

―絶対に結婚するって決意して、行動し始めたら少しずつ変わってきた。これで、いいのよね…。

宏人のプロポーズを、前向きに考える。彼が帰国したらそう伝えようと、真理子はようやく思い始めたのだった。

▶Next:8月27日 火曜更新予定
真理子はプロポーズを受けるのか?宏人の日本出張で、心がかき乱されていく…。

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