スレイブ・オア・トライブ!? 強めアクセの注意点――トミヤマユキコ

スレイブ・オア・トライブ!? 強めアクセの注意点――トミヤマユキコ

  • 女子SPA!
  • 更新日:2016/10/20
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左から、某ブランドの香水がついたやつ、!?のやつ、サルからヒトになるやつ、うさぎのやつ。こうしたネックレスを圏外ファッションと合わ せて、ごっちゃごちゃにするのが楽しいのですが、うるさいですよね、すみませんね

―40歳までにオシャレになりたい!Neo トミヤマユキコ―

ファッションに興味はある。服を選ぶのは嫌いじゃない。ダサいわけでもない。でも、ガチで女らしい格好はちょっと恥ずかしいし、シンプルシックな格好はどうにもつまらない。

そこで、ついつい変な服を選んでは、オシャレ/非オシャレの圏外に飛び出し、いい大人なのに「オシャレっていうか、なんかおもしろい服を着ている人」状態に……そんな悩みを抱えた読者は少なくないはず!

おもしろ最優先で生きてきた結果、人生も洋服も若干とっ散らかり気味な著者が、40歳までにオシャレになるべく奮闘するコラム連載第5回!

◆第5回 スレイブ・オア・トライブ!? 強めアクセの注意点

前回「秋服わかんない問題」を解決するため紺のノースリニットを購入したわたしだが、圏内ファッションというのはアクセサリーがないとどうにも地味で寂しい。さあ困った。わたしはあまりアクセサリーを持っていないのだ。圏外ファッションとは、言ってみれば一枚でも存在感たっぷりな服であり、アクセサリーなんてつけなくても十分に華やかだし目立つ(のでわたしはアクセをサボってしまう)。しかし、圏内ファッションはシンプル&シックを基本にしているため、まあ一枚で着られなくはないのだが、圏外ファッションに慣れすぎた身としては「つまんない」のである。もうちょっとでいいから、なんか盛りたい……なんか足したい……。

このつまらなさをどうにかしようと、ひとまず自分の持っているアクセサリーを引っ張り出してみたのだが、どれも圏外ファッション用な上に「おもしろいかどうか」を基準に選んでいるため、全体的にテンションがおかしい。大人服に合わせると奇をてらった結果スベったひとと思われかねない(危険)。

⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=603811

そこでわたしは担当編集Mさんと一緒に渋谷の街へと繰り出した。だが、そもそもアクセをサボりがちなわたしだから、そんなに金をかけたくない(高いアクセを買う金があったら、本とかマンガを買いたい)。だから狙うはお手頃価格のアクセが揃うファストファッションの店のみ。ひとまず件のノースリニットに合うネックレスを入手できればそれでよいから、安価上等、イミテーション上等である。

ちなみにこのMさん、ぱっと見は圏内ファッション派なのだが、根っこの部分は完全に圏外ファッション愛好家。この日「参考までに」と持って来てくれたアクセの中には、何本もの革紐を複雑に編んであるネックレス、通称「しめ縄」や、全長4.5メートルある数珠っぽいネックレス、通称「織田無道」などがあった。どう考えても圏外に出て行く気まんまんである。むしろ圏内ファッション好きに見えているのが奇跡だ。

こんなふたりで渋谷をウロウロしたところで、果たしていいネックレスが見つかるかどうか不安だったのだが、それは全くの杞憂だった。ネックレスを見れば見るほど我々は確信していった……アクセ選びにおいて、圏外ファッション愛好家であることはむしろメリットだと!

だって、圏内ファッションに細い金のチェーンに小粒のダイヤがついたネックレス(圏内アクセのド定番)を合わせたところで、焼け石に水なのである。もちろん、着けないよりはよっぽどマシなのだが、地味で寂しい見た目から脱出できはしない。なお、この手の控えめすぎるダイヤは、トミヤマ家で「鼻くそダイヤ」と呼ばれており、本物だろうが高価だろうが、ぜんぜん評価されないことになっている。

圏内ファッションのシックなイメージはキープしたまま、もうちょっと華やかに見せたいと思ったら、大ぶりなもの、あるいは凝った造りのものがよくて、その手のアクセを選ぶときには、圏外ファッションを選ぶときの感覚が非常に役立つ。これまで圏外/圏内は別物と思っていたが、この連載をやってきて初めて圏外ファッション好きであることが役だった! これはかなりうれしい! 圏外ファッション的思考法を抑圧しなくていいアクセ選びは、とても解放感がある。会社などで圏内ファッションを着なくちゃならず、イヤイヤ着ているそこのあなた、アクセだけは妥協しなくて大丈夫ですよ!

ただし、妥協しなくてもいいとはいえ、いくつか注意すべきポイントはある。まず、さっきも書いたが、おもしろいかどうかは重視しなくていい。というか、笑いを取りにいってはいけない。まあこれは異様におもしろ好きなわたしが気をつけておけばいいことだ。

そして、これが最も大切なポイントだが「トライブとスレイブ」は避けるべし。トライブとは部族のこと。つまり、民俗調のアクセは圏内ファッションと相性が悪いので、避けなさいという意味だ。東南アジアっぽいのとか、アメリカ原住民っぽいのは、身につけた瞬間、せっかくの圏内ファッションが死ぬと考えたほうがいい。

そしてスレイブだが、これは奴隷のこと。より具体的には、細身のチョーカーを指している。今期はベロアや革素材のチョーカーが出回っていて、ZARAなんて置いてあるネックレスの99%がチョーカータイプなのだが、これを着けるとかなり奴隷感が出てしまい、やはり圏内ファッションが死ぬ。わたしとMさんは、鏡の前で「われわれが着けると奴隷にしか見えないですね……」「若い女子が着けると違和感ないしかわいいのに何故や……」と言い合い、チョーカーをそっとラックに戻した。矢沢あい先生の名作マンガ『NANA』に出てくるような若者じゃないと、攻略は難しいとみた。ここは潔く諦めよう。

こうしてわたしたちは、ネックレスを2点購入し、渋谷の街を去った。1時間かそこらで欲しいものが買えたのは本当に気持ちよかった。この連載のために服を買うときは「本当にこれでいいのか?」などと、けっこう真面目に悩むので、とにかく時間がかかるのだが、今回は「トライブ&スレイブは見ないようにして、あとおもしろすぎなければOK」と思っていればよいので、かなりスムーズに「あ、これだ!」と思うものが見つかった(Mさんもサクサクと楽しそうに選んでくれた)。

というわけで、今回の戦利品を御覧頂きたい。よーく見るといろんなサイズの石がゴロゴロ付いており、けっこう主張が激しいのだが、それぐらいで丁度いいから不思議。草花のモチーフや、ラインストーンを多用したファンシー系を選ばなかったのもよかったようだ。華やかさはありつつ、わりとスクエアで、甘さがないものが、大人らしさを演出する上では正解。どうしてもファンシーを楽しみたいときは、圏外ファッションでやればよいのだし。

⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=603818

今回の調査結果は「前から圏内ファッションは好きだけど、イマイチ垢抜けないんだよなあ」という人にも有用だと思う。圏内アイテムばかりで構成したファッションというのは、どうしてもインパクトに欠けてしまうので、思い切って圏外っぽいアクセをひとつ放り込んでみたら、きっと何かが変わる。幸い、いまの世の中にはファストファッションがある。失敗してもさほど財布は傷まない(今回わたしが使ったお金はネックレス2本で2256円、とても安い)。騙されたと思って一度お試しいただきたい。

【トミヤマ・ユキコ】
ライター・大学講師。大のパンケーキ好きが高じて著したガイド本『パンケーキ・ノート』(リトルモア刊)が話題に。大学では少女マンガ・サブカルチャーについての講義を担当している。そのほか「週刊朝日」、「文學界」、「ESSE」などで書評・コラムを連載中。ファッションに対して積もり積もったコンプレックスあり。
Twitter:@tomicatomica

(タイトルイラスト/澁谷玲子)

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