
F1リザーブドライバー就任もあり、2024年シーズンのスーパーフォーミュラにおける去就が注目されていた平川亮。彼は来季のスーパーフォーミュラに参戦しないことを明言した。
TOYOTA GAZOO Racingの体制発表にもあった通り、平川は2024年もWECでトヨタ8号車のドライバーとして、3度目のWEC王座と2度目のル・マン24時間制覇を目指すこととなる。その一方で平川はマクラーレンF1チームのリザーブドライバーに就任することも決まっており、また多忙な1年を送ることが予想される。
平川はWEC挑戦に伴い、2021年を最後にスーパーGTに参戦していないが、スーパーフォーミュラには参戦を続けていた。ただ来季はスーパーフォーミュラの日程のほとんどがF1とバッティングしているため、スーパーフォーミュラには出場しない可能性があるのではないかと言われていた。
そしてこの度平川は、2024年のスーパーフォーミュラには参戦しないことを認めた。ただ平川は、この決断は決してネガティブなものではないと語る。自身の夢でもあったF1でチャンスを掴むことができたからだ。
「来年からはスーパーフォーミュラには参戦しませんが、それもF1のチャンスがあったからこその決断であって、全くネガティブなものではありません」
平川はそう語る。
「来年はWECでの3年目を引き続きやりつつ、F1のリザーブドライバーの仕事もやれるので、自分としては恵まれていると思います。このチャンス、特にモリゾウさんからいただいたF1へのチャンスに感謝しながら、来年はWECとF1のふたつに集中することを決めました」
「スーパーフォーミュラから離れることは寂しいですが、僕はレースが好きなので、海外からスーパーフォーミュラを見ることになると思います」
ちなみに、2023年のスーパーフォーミュラ王者である宮田莉朋は来季、FIA F2とELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)、そしてWEC(トヨタのリザーブドライバー)という3つのカテゴリーに専念することを発表済み。そしてランキング2位のリアム・ローソンもスーパーフォーミュラに継続参戦しないことが確実とされている。したがって同じくランキング5位だった平川も含めると、来季は今季スーパーフォーミュラ上位5傑の内の少なくとも3人がいなくなる、ということになる。
戎井健一郎/Jamie Klein