北海道芸人の上京物語 第3話 オズワルド畠中の上京物語(前編)

北海道芸人の上京物語 第3話 オズワルド畠中の上京物語(前編)

  • お笑いナタリー
  • 更新日:2022/06/23

北海道出身芸人の活躍が注目を集める中、お笑いナタリーが立ち上げた新連載「北海道芸人の上京物語」。第3回は北海道戸井町(現在は函館市に編入)出身のオズワルド畠中に、函館居住歴もある北海道出身の記者がインタビューを実施した。このインタビュー直前に「M-1ツアースペシャル」出演のため北海道を訪れ、実家で親戚と過ごしていた畠中。前編では、野生動物が多い地元、片道1時間半の自転車通学、中学で野球を辞めた理由、チーズケーキがおいしい洋菓子店などについて語ってもらった。

取材・文 / 成田邦洋

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0歳の頃のオズワルド畠中。

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山に登って野生の馬を見に行った

──今年4月、函館市民会館で行われた「M-1ツアースペシャル2022北海道公演」にオズワルドのお二人も出演されましたが、畠中さんは実家に帰られましたか?

1年ぶりくらいに帰って2泊、まるまる実家でゆっくりしました。今は函館市ですけど、もともとは戸井町といって、人口2000人くらいで飲食店が1軒もないような町でした。僕が高校の頃に初めてコンビニができて、大きな買い物のときは、車で20分から25分くらいかけて函館市内で調達していました。

──そうなんですね。降雪量は、いかがでしょうか?

北海道の中では少ないほうですけど、雪が積もることはあって、冬はすごく好きでした。家の近くの坂でソリ遊びをしていました。

──ウインタースポーツを学校やご家族でした経験は?

僕はまったくスキーやスノーボードはできなくて、ソリしかやったことないです。小学校3、4年くらいのときにスキー授業が1回だけあったんですけど、滑れないまま終わりました。家族でもまったくやっていなくて。というのも、お父さんが、今は昆布漁師で、もともと僕が高校くらいまでは遠洋漁業でほとんど家にいなかったんです。3カ月に1回、1週間か2週間帰ってきて、またいなくなる、みたいな。

──ご家族で出かけること自体がなかったんですね。

そうです。実家のあたりは、鹿とか馬とか、野生動物がめちゃくちゃ多い地域なんですよ。「馬注意」の看板があるくらい。足が太い「どさんこ」という馬が野生で暮らしているのを、山に登って見に行ったりしていました。

中学校で野球部を辞めた理由

──北国ならではの苦労を感じたことはありますか?

函館市内の工業高校に通っていたとき、家がそんなに裕福ではなく、お小遣いをもらう制度もなかったんですよ。基本的にお金を稼ぐ手段は、お年玉、もしくは夏場にやっている昆布漁の手伝い。高校生のときはバイトもしていなくて基本はお金を持っていなかったので、通学の片道670円のバス代を浮かすためにチャリで通学していました。そうすると1日1340円が手に入りますよね。海岸沿いの道ですごく浜風が強くて、なかなか辛かったです(笑)。

──お金のためにはそうでもして自転車に乗るしかなかったと。通学は何分くらいの道のりでしたか?

片道1時間半くらいですね。

──1時間半!

向かい風のときは最悪でした。行きが向かい風で帰る頃には楽だろうと思っていたら、帰る頃には風向きも変わっていて、帰りも向かい風だったり(笑)。

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──足腰が鍛えられますね。学生時代の部活経験は?

野球を小学校4年の頃に始めて、小6でキャプテンをしていたんですけど、1勝もしたことがなかったです。遊びみたいな感覚でした。監督も漁業組合の会社員で、趣味で子供たちに教えていて。その監督に函館での試合終わりにファミレスに連れってもらって、そこでメシを食うことを楽しみにしていました(笑)。その流れで中学でも野球をやっていたんですけど、僕が中学に上がった年に旭川から新しい監督が来て、めちゃくちゃ厳しかったんです。中3の5月に、あと1カ月で中学校最後の大会があるというときに練習ですごく怒られて、嫌になって辞めました(笑)。

──最後の大会の前に、ですか?

最後の大会の前に、です。5月の北海道は、まだ寒いんです。そのときに監督が半ズボンで練習に来ていたんですね。ノックをしていたら、生徒の出来が悪かったので「もうやめた! お前ら、自分たちでどうすればいいか考えろ!」と放り投げて。仕方ないからグラウンドにみんなで集まって「なんて言ったら監督は許してくれるんだろう?」と話していたんです。そうしたら監督が「早くしろよ! 俺、今日半ズボンだから寒いんだよ!」って。そのときに「いやいや、半ズボンは自分で穿いてきたんだから俺らが怒られる筋合いないだろう」って(笑)。だんだん腹立ってきて、今までのいろんなムカつきも全部そこで出て、次の日に「辞めます」と。

──壮絶な幕引きですね。

部員が少なかったので向こうも絶対困るだろうとは思ったんですけど、そこの意思は固かったです。

──結局それ以降、野球は続けなかったと。

そうですね。そのまま何もせず、でした。

ガラナはガラナ!という味がある

──北海道の食べ物で好きなものはありますか?

うちが漁師だったこともあって、今思えば魚介系はおいしいものを食わせてもらっていたなと。ブリとかタコをお父さんが釣ってきたりとか、漁師仲間からもらったりとか。

──恵まれていますね。魚介の中で特に好きなものは?

ババガレイというカレイの仲間がカレイの中でも一番うまいとされていて、特に煮付けがうまかったです。あと、山菜にアイヌネギというのがあるじゃないですか。一般的には行者にんにくって言うのかな。その醤油漬けを春によく食べていました。

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──お菓子や飲み物で北海道らしいものは?

僕、ガラナが好きなんです。北海道の人しかあんまり飲まないですよね。「コアップガラナ」を見つけたらテンションが上がります。コーラとなんとなく似ているんですけど、ガラナはガラナ!っていう味があるじゃないですか。

──ガラナの味は癖になりますよね。

それと、函館のスナッフルスという洋菓子屋さんのチーズケーキがめちゃくちゃうまいです。こないだM-1ツアーに行ったとき、僕が買ってみんなに配りました。僕がそういうツイートをしていたのを店の人に知ってもらえて、劇場にケーキが大量に届いたこともありました。東京でも食べたいなと思っていたんですけど、普通に有楽町に店舗があるんですね(笑)。全然いつでも食えるんだと。あと、函館のハンバーガーショップのラッキーピエロにも通っていました。

──GLAYも通っていたことでおなじみですね。

そうですね。函館の高校生はみんな行っているんじゃないでしょうか。

<後編に続く>

畠中悠(ハタナカユウ)

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1987年12月7日生まれ。北海道戸井町(現在は函館市に編入)出身。2014年、NSC東京校で同期だった伊藤俊介とオズワルドを結成。2021年の「ABCお笑いグランプリ」で優勝を果たし、3年連続の決勝進出となった同年の「M-1グランプリ」では準優勝となった。

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