のこり1回の青春18きっぷ 2

のこり1回の青春18きっぷ 2

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  • 更新日:2023/09/20

プリクラルームと開かないビン

弘前着。
はやい、あっという間だ。駅について早々、秋田で買っていた塩糀の唐揚げを食べた。本当は電車の中で食べようと思ったが、においでご迷惑になったらだめだなと思い遠慮していた。

初めての駅だ。りんご関連のものがたくさんある。青森に来たんだなという感じだった。ここでも1時間程接続時間があったので、ほんの少し駅周辺を散策。てくてく。

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みどりの木々がそよそよ

適当に歩いていると、「プリクラ」と書かれたのぼり旗があった。今どきこんな旗たてるか?と思いつつ建物の入り口を見ると、あった、プリクラコーナーだ。いや、コーナーじゃない、プリクラルームだ。おまけに吹き出しには「ガールズトレンド」とまで書かれている。おぉ… でもこのデザインも今となっては一周回って「ザ・平成レトロ」という感じもして絶妙。でも私はなんだかこの香ばしい雰囲気…  夜見たらもっと強烈だろうなと思った。

駅ビルに入る。せっかくの電車旅だしなんか暑いし喉も渇いたし、お酒でも買っちゃおっかぁなぁ〜 とジュピターに入り、散々悩みマンゴーの微炭酸ワインを買った。やっほい。早速開けようとする。が、全然開かない。よくあるスクリュー式なのに…なぜ… 仕方ないのでリュックに入れた。小ビンなのですこし重い。
改札口前までもどると、シードル飲み比べがあったので、これは逃すまいと思い買って飲んだ。キレのあるドライな口当たり。しょっぱいつまみが少しでも売ってたらもっとよかったなぁ~と思う。

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新青森行きの電車、只今の時刻15:50。車内は東北にしては混み合っている印象。乗っている人の表情もちょっとお疲れ気味。なんというか東北っぽくない。なんだろう、原因はわからない。

新青森駅と途方に暮れるわたし

新青森駅着。
さっきの原因がわかった。ここ、新青森駅からは東京行きの新幹線が走ってる。都心部から来ている人もきっと多いのだろう。さっき感じたのは、東京の電車の空気感に近いものだったのかもしれない。
ともあれ、電車の旅は無事終了。5時に山形を出発して、青森に16時着。ほとんどを電車に揺られていたわけだが、とっても楽しかった。これならまた自分ひとりでも電車旅をするのは全然ありだと思った。

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青春18きっぷ、素敵な電車旅をどうもありがとう。

駅の外に出てみる。と~っても涼しい風が吹いていた。9月上旬、ベンチに座ってつかの間、ぼーっとする。寒くもなくぬるくもなく丁度いい。今日は5分袖のカットソーにして大正解だった。

新青森駅の東口には全面ガラス張りのモニュメントが設置されていた。その中を子供たちが「めまいする~~!!ぎゃははh~~!!」と発狂しながら遊んでいた。気になって私もと思ったが、いい大人が子供に交じって行くのもなぁと思い、一度通り過ぎた。が、いつまでも子供たちが発狂するので、その楽しそうな声に心がムズムズ。ひき返し、キャリーケースをその辺に置き、私も小走りで中に入ってみた。子供が叫ぶ通りだった。景色が映り込みまくってめまいがする。こんなに単純な構造なのにこうも面白い。ここでもむっちゃん直々の「次なんてない」精神が功をそうした。恥ずかしいとか関係ない。迷惑にならず、子供の邪魔せず少し体験する。自分の童心にもちゃんと目を向けられて良かったと思う。

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子どもが発狂して外周を走り回っていたモニュメント。きっと作者の中西さんはこうやって子どもたちが遊ぶことを想定していなかったと思うが、子どもの自由な発想で作品がその場所で活きるのも、アートの良さだと感じた。

フェリーターミナル行きの電車に乗り込んだ。乗る際、乗車券を取ろうと探すも見当たらず、icカードのタッチパネルだけが光っていた。普段の生活では車移動がほとんどなので、滅多にicカードを使わない。家にあったが持ってこなかった。とぼとぼと運転手さんの元へいく。
「すいません、あいしーかーど、もってないんですけど…」
完全に途方に暮れた小学生のトーンだった。運転手さんは「一律300円なので、現金で大丈夫ですよ」とにこやかに言ってくれた。見ると現金の投入口もあった。恥ずかしい。35歳、なにやってんだ。

津軽海峡フェリーターミナル到着。新青森駅で食べ物を調達する予定だったが、心惹かれるものがなく(というか揚げ物ひとつにしてもちょっと高く、買う気になれなかった)フェリーターミナルのショップで簡易的な食べ物を買おうと思っていた。が、館内に入るとショップコーナーに網が。やってなかった。ショック…。腹ぺこのままとりあえず飴を舐めた。再び途方に暮れた。「くそぉ・・・こんなはずでは・・・ あ!船は?!船の中に売店あるんじゃない?!」船内の地図を探し確認すると、ちっちゃくショップの文字があった。うわぁ~頼む、なんか食えるもの置いててくれ。空腹だと酔う。

乗船。うろうろして船内の様子を見た。どこも綺麗で空いていた。「こんな感じかぁ~」自分の陣地を決め、真っ先ににショップを目指した。無事食料をゲット。ポテチとちくわチーズ。これで空腹はしのげると思いショップを出たら、目の前に自販のホットスナックコーナーがあった。気付かなかった。しかも結構充実している。塩ホルモンがあった。うまそう…こっちにすれば良かった。

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船の中は意外と寒かった。この時期だと、きっと船内も空調管理も難しいのだろう。というかわたしが単に寒がりなのもある。横になり眠ろうとしたが、眠れない。毛布を借りようか悩んだが400円、さっき買いあぐねた揚げ物の値段と同じ… 今思えばケチらず出せば良かったものを、適切な判断が出来なかった。なんだかんだ疲れてたのだと思う。持ってきていたカットソーを着て、キャリーケースを背中にリュックを腹に当て、荷物を犬だと思って寝た。「愛犬たちがわたしを温めてくれる… あ、なんだか温かい、、、、」なわけない。何やってるんだ。

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見てて悲しくなってくる妄想と現実の図…

脳内で毛布借りるか、我慢するか論争をしている間に函館についた。
船は全く揺れなくて酔わなかった。到着する頃、鼻水がでていた。(つづく)

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今野くるみ

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美味しいものが大好きなフリーランス。日々のこと、思ったことなど、静かに楽しく投稿しています。

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