「酒造り唄」広めたい 弟子入り志願、保存会入会 歌手の山崎さん

「酒造り唄」広めたい 弟子入り志願、保存会入会 歌手の山崎さん

  • 丹波新聞
  • 更新日:2021/04/08
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オペラで培った伸びやかな歌声で「酒造り唄」を披露する山崎さん=2021年3月25日午後2時59分、兵庫県丹波篠山市波賀野で

丹波杜氏が日本酒を仕込む際に歌う「酒造り唄」を広めようと、歌手の山崎小夜子さん(46)=兵庫県西宮市=が奮闘している。山崎さんは、同唄の保存と普及に取り組む同県丹波篠山市の「丹波流酒造り唄保存会」に一昨年11月に入会。会員の大半は酒造関係者のため異例の存在で、伸びやかで力強い歌声を生かし、酒造り唄の魅力と日本酒文化を精力的に伝えている。

山崎さんは幼少期からミュージカル劇団に所属。相愛大学を卒業後、オペラ歌手として活躍してきた。プロ野球の公式戦で国歌斉唱を務めた経験もある。

酒造り唄に魅せられたきっかけは、2019年3月に開かれた灘五郷の酒をPRするイベント。「黒田節」を唄う場面で、ほろ酔い状態の来場客が一斉に手をたたき、会場が一体となった。その瞬間、山崎さんは「酒造り唄には人を幸せにする力がある」と感じたという。

翌月、友人と丹波篠山市内の飲食店を訪れた際、その店の近くに保存会の松本一等会長が住んでいることを知った。飲食店主の紹介で会えることになり、「“本物”を唄えるようになりたい」と弟子入りを志願。松本会長は「月に1回活動しているから、よかったら」と練習に誘い、そのまま入会することになった。

決まった楽譜がないため、思い通りに歌うことができず、戸惑った。歌声を録音し、息を吸うタイミングや声の伸ばし方、言葉の区切り方などを工夫し、独自の歌い方を確立させた。酒造りの文化を学ぶため、各地の酒蔵の杜氏の講演会にも足を運んだ。

昨年2月には、保存会の一員として生田神社(神戸市)で開かれた節分祭に初出演。昨年7月以降は新型コロナウイルスの影響で、保存会の活動は休止しているが、個人的にSNSを使ったり、講師を務める神戸学院大付属高校のミュージカルの授業で紹介したり、ラジオ関西の番組「ラピスモーニング」に出演したりして、積極的に酒造り唄の魅力を発信している。

山崎さんは「『酒造り唄』を入り口に、日本酒に興味を持ってくれる人も増やしたい。いつか春の蔵開きの日には、みんなで合いの手を入れながら歌えるようになれば」と夢を描いている。

丹波杜氏酒造記念館のホームページによると、丹波杜氏は、岩手県の南部杜氏、新潟県の越後杜氏と共に日本三大杜氏の一つに数えられ、宝暦5年(1755)、篠山曽我部(現在の丹波篠山市日置)の庄部右衛門が池田の大和屋本店の杜氏となったのがその起源とされている。農閑期の「百日稼ぎ」といわれる出稼ぎ(冬季の季節従業員)で生活の糧を得ていた。江戸時代、伊丹や池田に出稼ぎし、「剣菱」「男山」など元禄期の酒は丹波杜氏が造り出していた。やがて、今あるほとんどの灘の銘酒を造り上げただけでなく、全国にも指導に出かけ、地方の酒の原形をつくった。

丹波新聞

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