1行タグでOK? 越境ECで「ウェブインバウンド」の機会ロスを防ぐには【後編】

1行タグでOK? 越境ECで「ウェブインバウンド」の機会ロスを防ぐには【後編】

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/09/17
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「世界中の欲しいに応える」をコンセプトに、自社ECサイトの越境対応サービス・WorldShopping BIZを展開するジグザグ・代表取締役の仲里一義氏。実は多くのECサイトに外国人がアクセスしているものの、3つの壁があり購入を断念していると言います。

1行タグでOK? 越境ECで「ウェブインバウンド」の機会ロスを防ぐには【前編】

一見、参入ハードルが高く感じる越境ECですが、仲里氏はそれを1行タグで解決できると断言。本稿では前回に続き、税理士でありながら幾つもの事業を立ち上げてきた連続起業家のSAKURA United Solution代表・井上一生氏が、「ウェブインバウンド」について仲里氏と対談を行いました。

○「欲しいのに買えなかった」原体験が起業のきっかけに

井上一生氏(以下、井上)――「WorldShopping BIZは発想の転換というか、『そんな方法があったのか』という本当に画期的なサービスだと思います。開発には、どのようなきっかけがあったのでしょうか?」

仲里一義氏(以下、仲里)――「私はジグザグを起業する前、広告代理店でウェブマーケティングの仕事に関わっていましたので、ウェブまわりには詳しいと思っていました。でも、アメリカのECサイトである商品を買おうと思ったのですが、結局買えなかったという経験をしたことがあったのです。日本に送ってもらおうとしても、配送先に『Japan』を選ぶことができないわけです。『あれ……なんで?』と疑問に思いました。

ECサイトは存在しているのに、欲しい商品を買えないのはおかしい。インターネットはグローバルに広がって垣根がないのに、言葉や決済、物流の壁がある。その壁を、どうにかして壊せないかと考えました。それで、WorldShopping BIZを開発して、ウェブインバウンド支援・越境EC支援をしたいと思ったのです。自分の『欲しいのに買えなかった』という原体験がきっかけになっていますね」

井上――「なるほど。ふとした違和感が起業につながったわけですね。越境ECは、ECサイトの海外進出ですから、検討したいという中小企業・EC運営者も多いと思います。しかし、一般的には参入ハードルが高く感じますね」

仲里――「そうですね。海外で商品を売りたいと考えたとき、現地法人を設立したり、現地で代理店を探したり、現地のウェブモールに出品したりという方法がありますが、在庫リスクがありますし、かなりの投資が必要になります」

井上――「現地のウェブモールに出品するための代行費用が、ヨーロッパやアメリカだと月20万円ほどの固定費がかかると聞いたことがあります。売れるかどうかもわからないのに、それだけ固定費を上げるのは経営者にとってリスクが高すぎますね」

仲里――「そうなんですよ。売れるという確信が持てればまだ良いのですが、どんなにマーケティング調査を行ってもニーズは変化し続けるわけですし、売り続けるのは難しいと思います。資金力がないと続けられませんし、海外進出はオペレーションの負荷もかかります。

ですが、視点を変えてみれば、ウェブインバウンドという形で海外ユーザーはすでに日本のECサイトに訪れているわけです。そちらに目を向けて、海外ユーザーのためにECサイトのホスピタリティを上げてあげれば良いのではないかと発想したわけです」
○海外ユーザーの行動を把握し対応した結果は

井上――「海外ユーザーの方々は、日本のECサイトで欲しい商品が買えないと思ったらどうしているのでしょうか?」

仲里――「海外ユーザーは3つの行動をとります。(1)諦める、(2)日本の友達にお願いして買って送ってもらう、(3)個人輸入代行会社を探す、の3択ですね。しかし、ネットで個人輸入代行会社を検索するとわかりますが、個人や中小零細企業も多く、また先にお金を支払う必要がありますから安心安全を確認するところから始めないといけないわけです」

井上――「それは面倒ですね」

仲里――「それで、購入代行サービスの役割をECサイト内の購入フローでオーダーを受け付ければ海外ユーザーにとってユーザビリティが高いのではないかと考えました。海外ユーザーに代わって商品を購入し、発送してあげる個人向けの輸入代行サービスがECサイト内に常駐しているのです」

井上――「シンプルですが、なかなかできない発想ですね」

仲里――「ありがとうございます。ショップ運営者から見れば、タグを一行追加するだけで明日からでもできるウェブインバウンド対策であり越境EC支援サービスですし、海外ユーザーから見れば、シンプルな購入代行サービスです。WorldShopping BIZを導入していただくと、どんな国の人がECサイトに来ているか、どんな国の人が商品を買ってくれたかがわかります。『この国から定期的によく売れている』とデータでわかってから、海外進出など次のステップで攻めても良いのではないかと思います」

井上――「海外展開の糸口が、WorldShopping BIZのデータからわかるかもしれませんね」

仲里――「はい、マーケティングデータとしても大いにご活用いただいています。WorldShopping BIZでは、ショップ運営者がカスタマーサポートの人員を置いたり、海外発送の手続きをしたりする必要はありません。通常の日本国内ユーザーからの注文と同じ形で、ジグザグから注文が入るだけです。パッキングやインボイスの作成は、ジグザグがすべて対応します。追加するタグの初期設定で3万円、あとは月額5,000円のコストだけで導入することができます。売上に応じた手数料や海外発送料もかかりませんので、低コストでウェブインバウンド対策を実現できると思います」

井上――「どのような企業やショップがWorldShopping BIZを導入しているのでしょうか?」

仲里――「700ショップ以上に導入が進んでおり、大手企業から地方のショップまで幅広いです。WorldShopping BIZを導入してから、街の小さな釣り具屋さんの自社ECサイトに、ロシアやキューバ、ジンバブエなど36カ国からアクセスがあることがわかりました。

他には、ポケモンカードなどを販売しているショップで、レアなトレーディングカードをアメリカの人が買ったということもありました。1枚数百万円するカードですが、『日本のお店は鑑定がしっかりしている』ということで売れたようです。

ディープな趣味嗜好品ほど、ショップの規模に関わらずアクセスがあります。リアルなインバウンドでも、日本にお宝アイテムを探しに来ている外国人の方が多くいらっしゃいますが、ウェブインバウンドでもそれは同じです」

井上――「確かにそうですね。インドネシアの友人は、日本にスニーカーを買いに来ていました。インドネシアではニセモノが多いけど、日本なら間違いなく本物ですし安心感がある。インドネシアで買うよりもむしろ安いそうです。それと、中古釣り具なども人気でした。ユーズド・イン・ジャパンはメンテナンスもしっかりしているので重宝されるそうです」

仲里――「はい、日本の中古品は世界中で人気ですね。当社でも楽器やプロが使う映像機器、ブランド品の中古商品は人気です。今はSNSで情報がすぐに拡散されますから、情報のボーダレス化は進んでいます。あとは、買える仕組みを入れるだけです。

ただ、セキュリティを担保する必要があると思っています。日本では不正決済は少ないのですが、海外取引では対策が必要です。高級バッグなどの販売店は狙われやすいので対策が必要になります。ジグザグでは、不正決済防止に関する特許も取得しています。実際に、数千万円規模の不正決済を防ぐことができました。また、JavaScriptタグ1行で越境対応できるサービスの仕組みにおいても特許を取っています」

井上――「海外取引ならではの対策も必要なんですね。WorldShopping BIZは、私たち会計事務所にとっても、顧問先の売上アップ支援につながるサービスですね。会計事務所向けにWorldShopping BIZの説明会をしても良いかもしれませんね。他にも、町のキーマンと連携することで、製造業や物販の中小企業の方々にウェブインバウンド対策・越境EC支援ができるかもしれない」

仲里――「ぜひやりましょう。日本は島国ですから気づけていないチャンスがあると思います。ウェブインバウンド対応を当たり前にすることが、今の私たちのミッションです。

リアルのインバウンドは新型コロナウイルスの影響で減少していますが、その反動でウェブインバウンドはコロナ前の3倍にまで伸びています。世界中の"欲しい”は、すでに訪れているわけです。その欲しいに応えていきたいですね。日本中のECサイト全てにWorldShopping BIZを導入して、機会ロスをなくしていきたいと思います」

井上――「まずは一歩踏み出すことからですね。ぜひ一緒に説明会を行いましょう。本日はありがとうございました」

井上一生 いのうえいっせい 税理士、行政書士、ロングステイアドバイザー。税理士でありながら、幾つもの事業を立ち上げてきた連続起業家。SAKURA United Solution代表(会計事務所を基盤に、国税出身税理士・税理士・社会保険労務士・行政書士・弁護士・銀行出身者などを組織化した士業・専門家集団)。SAKURA United Solutionのビジョンである「経営の伴走者 ~日本一の中小企業やスタートアップベンチャーの支援組織になる~」という言葉の基、"100年企業を創る"という壮大な目標をアライアンス戦略で進めている。 この監修者の記事一覧はこちら

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