海外転勤や長期滞在が決まったら「渡航ワクチン」の接種を! 打つ種類や回数を解説

海外転勤や長期滞在が決まったら「渡航ワクチン」の接種を! 打つ種類や回数を解説

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  • 更新日:2022/06/23
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突然海外転勤が決まったら、まずは考えたいのが「渡航ワクチン」です。海外には、日本ではあまり一般的ではない感染症のリスクがあり、それらに対する予防ワクチンのことを渡航ワクチン、またはトラベルワクチンと言います。一体、どのような渡航ワクチンを打てばいいのでしょうか。また、何回接種する必要があるのかも知りたいです。「代官山パークサイドクリニック」の岡宮先生に教えていただきました。

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監修医師:
岡宮 裕(代官山パークサイドクリニック 院長)

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院腎臓・内分泌・代謝内科入局。その後、横浜市立市民病院、静岡赤十字病院、練馬総合病院などに勤務。2009年、「代官山パークサイドクリニック」を開院。「体に負担の少ない、一人ひとりに最適な治療」をモットーに、症状やニーズにじっくりと耳を傾けながら診療をおこなっている。

そもそも渡航前のワクチンはなぜ、必要?

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編集部

海外転勤が決まると、ワクチンを打つ必要があると聞きました。

岡宮先生

はい。海外渡航者が予防接種としてワクチンを打つ目的は2つあります。1つ目は、入国する際に予防接種の証明書を要求されることがあるからです。もう1つは、自分を感染症から守ると同時に、周りの人への二次感染を防ぐためです。

編集部

予防接種の証明書が必要な国があるのですか?

岡宮先生

あります。例えば、アフリカや南米の熱帯地域の国々では、黄熱の予防接種証明書の提示を求められることがあります。また、乗り継ぎの際にも証明書の提示が必要な場合もあるので、事前に調べておきましょう。

編集部

ワクチンの効果は確実なのですか?

岡宮先生

新型コロナウイルスのワクチンの例を見てもわかるように、ワクチンを接種したからといって、「100%感染しない」わけではありません。しかし、大幅に感染のリスクを軽減させることはできますし、自分の身を守ることにはつながります。それが結果的に、周囲の人たちの安心や安全にもつながるので、必ず渡航ワクチンの接種を済ませてから海外へ行くようにしましょう。

どのワクチンを渡航前に打つべき?

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編集部

具体的に、渡航前にどのワクチンを打てばいいのでしょうか?

岡宮先生

国によって接種するワクチンの種類が異なります。感染症は非常に多くの種類がありますし、渡航する行き先によっても、リスクのある感染症の種類が異なるので、渡航する国や地域の事情に応じてワクチンを選択する必要があるのです。

編集部

渡航先によって、ワクチンの種類が違うのですね。

岡宮先生

はい。例えば、東南アジアや東アジア、アフリカなどへ渡航するにはA型肝炎のワクチン接種が推奨されていますが、北米へ渡航する際には不要です。このように、渡航先によって感染症の事情が異なるため、行き先に応じてワクチンを選択しましょう。

編集部

渡航ワクチンを接種する際に注意すべきことはありますか?

岡宮先生

「現地での行動」を念頭に置いてほしいですね。どういうことかというと、例えばシンガポールへ転勤した場合、休暇で近隣諸国に足を伸ばすことがあるかもしれません。シンガポールは上水道が完備されていますし、近隣諸国に比べて衛生環境が整っていますが、周辺はまだ不衛生な国も多く、感染症のリスクが高い場所がたくさんあります。そのため、「この国へ行くから、これだけ打てば大丈夫」と油断せず、現地での行動も予測しながらワクチンを接種することが大切です。

編集部

ほかにも、渡航ワクチン接種にあたって気をつけるべきことはありますか?

岡宮先生

どれくらいの期間、滞在するのかによっても、ワクチンの選択が異なります。これも例を挙げると、東南アジアの農村部では日本脳炎のリスクがありますから、その辺りに長期滞在する人は日本脳炎の予防接種を受けることが推奨されています。このように、渡航の期間や時期、目的、現地での具体的な行動などを踏まえ、接種すべきワクチンを検討する必要があります。

少なくとも渡航の2カ月前には動き出しを

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編集部

ワクチンを打つ回数についても知っておきたいです。

岡宮先生

多くの場合、ワクチンを打ってから抗体を完成させるまでに6~12カ月かかるので、その間に3回接種しなければなりません。例外的に、狂犬病のワクチンは4週間で3回接種して免疫を完成させることができます。しかし、そのほかのワクチンは、基本的に6~12カ月かかります。

編集部

そうなると、少なくとも1年前には動き出さなければいけないということですか?

岡宮先生

そうはいっても、辞令が出るタイミングなどの関係で日本での接種が間に合わないという場合もあるでしょう。そういった場合は、少なくとも3回中2回までは日本で接種し、最後の1回は現地で接種する、あるいは一時帰国の際に接種するという方法を採用します。

編集部

現地でもワクチンを打つことができるのですね。

岡宮先生

はい。ただし、現地では入手できないワクチンもあるので、日本で2回打って最後の1回を海外で打つ場合は、現地で入手できるワクチンをあらかじめ調べておき、それと同じものを日本で打つ必要があります。

編集部

渡航ワクチンはどこで打つことができるのですか?

岡宮先生

海外渡航者向けワクチン接種をおこなっている検疫所やトラベルクリニック、渡航外来などの医療機関で打つことができます。ただし、ワクチンのなかには日本では入手しづらいものもあるため、渡航が決まったら早めにワクチンの情報を収集するようにしましょう。

編集部

最低でも、渡航のどれくらい前にクリニックなどへ相談すればいいですか?

岡宮先生

最低でも2カ月前にはクリニックへ相談しましょう。その際、渡航先や渡航期間、行動内容などを明確にしておくことが必要です。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡宮先生

ワクチンには「感染リスクが高く、流行している疾患への感染を防ぐもの」と「ほぼ感染しないが、万が一発症したら命を落とすリスクが非常に高いため、命を守るために打っておくもの」の2つがあります。「自分は感染しないから大丈夫」と考えず、万全の体制を敷くためにも、渡航ワクチンは非常に重要です。現地で安全に、そして安心して行動するためにも、必ず渡航ワクチンを打つようにしましょう。

編集部まとめ

渡航が決まったら、まずは渡航ワクチンを打ってくれる医療機関や施設を探すことが大切です。また、渡航先によって打つべきワクチンが異なるとのことでした。多くの医療機関や施設などのホームページに詳しい情報が掲載されているので、渡航ワクチンを打つ予定のある人はチェックしてみましょう。

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代官山パークサイドクリニック

所在地 | 〒150-0034 東京都渋谷区代官山町 16-1カスティヨ代官山 2F |

アクセス | 東急東横線「代官山駅」 徒歩2分 |

診療科目 | 内科、漢方内科 |

03-5456-6282

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