『補』を使った漢字いくつ知ってる? 『辟』を使った問題にもチャレンジ! 【漢字の語源図鑑】 #Z世代Pick

『補』を使った漢字いくつ知ってる? 『辟』を使った問題にもチャレンジ! 【漢字の語源図鑑】 #Z世代Pick

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  • 更新日:2023/09/19
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こんにちは。Z世代ブックピッカー・まえれなです。
みなさんはこの問題答えられますか?

■問題
次の1~6の辟の上下左右に適当な部首を足して、正しい漢字に直してください。何も足さない字もあります。

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■ヒント
漢字のほとんどは、辟のような発音記号=音符の役割の部分と、大きな意味の分類を表す土・疒・⻌・イ・玉などの部首とで構成されています。こういう漢字を形声文字といいます。

辟はヘキ・ヒ、まれにヒャクと音読みします。では、辟の意味=意符は何でしょう。ここで辟という字をよく見てみましょう。右と左、二つの部分に分けられます。左側は尸+口。右は辛。辛は「辛い(からい)」と訓読みし、「香辛料・辛酸をなめる・辛抱する」などと使われます。辛そのものの元々の意味、つまり、語源は「刑罰として入れ墨をいれるための針」、または「調理用の小刀、柄のある曲刀」など色々な説がありますが、とにかく刃物であることは間違いありません。左側の尸は、「足を伸ばして死んだ人、うずくまっている人」などの説があります。口は「辛で斬りつけた傷痕」、または、「切り取られた肉片」です。

残酷な話ですが、辟全体で1.人体を刃物で切り開く刑罰、2.少し抽象的に刑罰一般、3.刑罰を命令する主君の意味があります。そして1.から派生し、4.平らに横に開く、切り開いて脇によける、かたよるの意味も生まれました。

以上の意味を先ほどの問題の解答を示しながら、考えてみましょう。一字ずつ漢字を覚えるのではなく、辟のように音符・意符に意識を向け、その役割と応用法を覚えれば、より簡単に漢字の読み書きができ、もっとたくさん覚えられることに着目しましょう。

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みなさん答えられましたか? これは平山 三男著『漢字の語源図鑑』(かんき出版)より一部抜粋したものです。例題のように、辟の発音記号=音符と同時に意味=意符の役割の部分に注目して、漢字を理解し習得する、という視点を平山氏は唱えています。
『漢字の語源図鑑』では、小学校の各学年毎に見出しとなる漢字=親字を選び出し、その漢字から生まれ出た漢字=子字との関係を考える、つまり、語源を説明しています。

パソコンやスマホばかりで、漢字が書けなくなってしまった...という方にもおすすめの本書から、いくつかの漢字の語源を解説していきます。

※本記事は平山 三男著『漢字の語源図鑑』(かんき出版)より一部抜粋し、再編集したものです。

6年生の親字と子字『補』

■親字

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■子字

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■実際に読んでみた感想
漢字を覚えることを難しいと感じたことがある人は数多いと思う。私もその一人だ。小学生から高校生まで漢字ドリルや小テストでひたすら漢字を覚えなければならない時に、なかなか覚えられず相当な時間がかかったことを大学生になった今でも思い出すことがある。

この本を学生時代の頃に見つけていたら私は「漢字が無敵」と言えるほど身につけることができていたのではないかと思う。この本は500個の漢字をイラストと音符・意符で一気に学ぶことができるという点がとても魅力的だ。どうしても漢字学習などの暗記学習はなかなか思うように覚えられず時間がとてもかかってしまい、諦めてしまうこともあるが、この本によって隙間時間でも学習でき、楽しく学ぶことができる。

学生時代に漢字をしっかり学習できなかっただと後悔している人もこの本でもう一度学習し直すことでしっかりと漢字を身につけることできる。子供から大人まで年代関係なく学習することができる素晴らしい本である。(まえれな)

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『漢字の語源図鑑』
定価 : 1,760円(税込)
判型 : A5判変形
体裁 : 並製
頁数 : 336頁
ISBN : 978-4-7612-7571-6
発行日 : 2022年3月24日

■著者情報
平山 三男
◎――昭和22年5月5日生。都内の小・中・高卒業、学習院大学文学部国文学科を経て、同大学大学院に入学、修了。
◎――大学院修了の年に立川女子高等学校国語科教諭となり、在職中、同校山岳部第三・四次海外遠征登山に同行。ヒマラヤ・ゴーキョピーク、ロッキー山脈北部・ツィンズ北峰に登頂。この間、川端文学研究会の事務局長として隔月の研究例会、年度大会を企画、運営。
◎――立川女子高等学校に10年勤務後、関東学院大学文学部講師を皮切りに学習院女子大学、東洋大学講師を永年勤める。この間、同時に早稲田ゼミナール、東進ハイスクールなどで現代文・小論文を担当。
◎――この様な教育・研究の現場で考えた「漢字を如何に伝えるか」が、本書の根底となっている。

和全
◎――イラスト書道家。長野県飯田市出身。8歳から書道を始める。新潟大学教育人間科学部芸術環境創造課程にて、書道を本格的に学ぶ。2015年から「書道をもっと身近に」をテーマに、イラストと書道を組み合わせた新しいアート「イラスト書道」を製作中。オリジナリティの高い作品は、日本のみならず、パリ、ロンドン、ドバイでも好評を得る。古代文字(甲骨文・金文)を使い、その語源をイラストで表現している作品も多い。2017年ニューヨークOuchi Garally主催100人展1位を獲得。
◎――書道で培った知識を活かし、出版社にてブックデザイナー、イラストレーターとしても活躍。2017年独立。『英単語の語源図鑑』(小社)などのデザインにも携わる。
◎――そのほか、長野トヨタをはじめ企業のロゴ、さまざまな商品の題字なども手がけ、CMにも起用されている。全国各地で個展を開催、プロジェクションマッピングとコラボレーションするなど、常に新しいことに挑戦している。即興で作品を描くライブパフォーマンスも好評で、YouTubeでパフォーマンスも公開中。本書では、絵と書を担当。

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