精神科医Tomyさんが初の小説を発表「なりたい自分を引き寄せるヒントを物語に込めています」

精神科医Tomyさんが初の小説を発表「なりたい自分を引き寄せるヒントを物語に込めています」

  • 介護ポストセブン
  • 更新日:2022/01/15

軽やかに生きるヒントをTwitterで発信し続けるTomyさんが小説を発表した。『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ヒット中の書籍「1秒シリーズ」のスピンオフ作品として生まれたショートショート集。「期待」「不安」「選択」「好意」「悪意」「女王」「迷い」「決意」の8本がおさめられ、どの話も心のモヤモヤ解決の気づきをくれる。

また、仕事の合間を縫って夢を叶えた姿も、忙しさに追われる私たち世代の光になりそうだ。ここでは、Tomyさんがこれまでの人生を振り返りながら語る、読者の皆さんに伝えたいことや制作秘話を2回に分けてお届けする。

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Tomyさんに小説誕生までの秘話を伺った(写真はイメージ 写真/GettyImages)

胸に秘めている夢はありませんか? ミドル世代や熟年世代こそ、ワクワクを忘れずに

毎日の忙しさに追われながらも、ひととき没頭できる楽しみがあると、毎日に潤いをもたらしますね。アテクシの場合、文章を書くことがそれでした。

本が好きで、青春時代はアガサ・クリスティ、筒井康隆さん、村上春樹さんなど、ミステリーやSF、あらゆるものを読みました。ゲームは絶対買ってくれないという、親の教育方針のせいで読書に傾いたというのもあるわね(笑い)。

とはいえ、作家になる夢は隠したまま、勉強に仕事に忙殺され、新人賞などへ応募することもなく30代に。父が亡くなり、寂しい気持ちを乗り越えて「このままなんとか生きていくんだろうな」と思えた頃、フッと「文章を書きたい」と強く思ったの。精神科医として、辛かった経験を世の中に役立てたいと感じたのね。

まず始めたのがアメーバブログです。当時大流行していて、一般の方が本を出すきっかけになっていたのよ。ただ、いきなり小説を書いても読んでもらえないと思い、面白くてタメになるものを目指して、お悩み相談を書いていました。

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Tomyさんが最初の本を出すきっかけとなったのはアメーバブログ。現在ブログは移転している

おかげさまでフォロワーさんが増えていき、その勢いのまま、精神科医・作家という名刺を作り、出版業界の人が集まる交流会に参加したんですね。「こんなことやってるのでよろしくです!」って。

このパーティーからご縁が生まれ、本を出していただきました。Tomyのイラストが誕生したのもこの時。強烈ですが、柔軟にいこう! と。オネエ口調を強調して面白く読める本にしました。

それから何冊か出していただき、書くことを楽しんでいたのですが。突然パートナーが亡くなったんです。アテクシはパニックになり激しく苦しみました。そんな中、診察で患者さまの顔がパッと明るくなった、良い言葉を書き溜めていたんですね。それは自分自身を癒やす言葉でもあり、アテクシの生きる希望になっていました。

やがて、毎日に少しずつ色が戻ってきた頃。書き溜めた言葉をTwitterに投稿していたところ、また出版社さんからお声がけいただき、「1秒シリーズ」という本が誕生しました。とりあえずSNSに発表しちゃう、というのがアテクシには合っていて、ご縁に繋がったの。

球を投げ続けないとご縁は来ないものですね。淡い夢を持ち続けているなら、「あれっ今ならできるかも!」という時にチャレンジしてみると、きっと楽しいと思います。アテクシ、実を結ぶかどうかより、書いている時間が純粋に楽しかったんですね。なかなか実現しなくても腐らず、気長にね。

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(写真/GettyImages)

楽しんでもらうために、「感動して泣けるってどんな話?」とすごく考えました

「1秒シリーズ」が多くの方に読んでいただけたので、「小説を書きたい」という夢を出版社さんに相談しました。すると、1秒シリーズの言葉を生かした短編集を出せることに。

一番最初に書いて思い入れが強いのが、1話めの「期待」です。それから書き進めるうち、物語同士に繋がりを持たせたり、一冊の最後の部分が現実世界にフィードバックされるようにしたり、工夫してみました。

裏話ですが、書き始める前に、「泣けるといいよね」「感動したいよね」なんていろんな意見を編集さんからもらいました。難しいですよね。感情移入して泣けるとスッキリして、なんだか頑張る気力が湧いてくるものですが、泣けるってなんだろう? と。

誰かが亡くなったり、主人公に悲劇が起こったりっていう短絡的なことではないんですよね。主人公が真面目に生きて苦難を乗り越える姿に泣くんですよね、きっと。それを書かなくちゃ、と。読んでくださった方の気づきとなり、ちょっと前向きになれることがゴールだと思いました。

この本の各ストーリーには、少しTomyが登場します。でも、「こうしなさいよ!」ってズバッと言うのではなく、ヒントやきっかけをポロッとくれるだけです。登場する主人公は、自分の問題を自ら解決して、自分らしさを取り戻します。

この距離感は、精神科医と患者さまとの理想の関係だと思います。どっぷり関わり、親のように指導するのではなくて、あくまで主人公は患者さまですよ、あなたですよ、と伝えたいんです。

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(写真/GettyImages)

いくつになっても、人生の主人公はあなた。小さなワクワクがあれば、きっと乗り越えられる

アテクシの場合は、父を亡くしたところがスタートでした。そして、パートナーの死で潰れそうな自分を自分で励まし、診察の中で得た良い言葉を書き溜めていたのが実を結びました。死別を乗り越えた経験を、いつかキレイな形で世に出さないと悔しい、というエネルギーが湧いてきたんです。

大人になって、もう夢なんてないよ、という人もちょっとした夢を胸にしまっていませんか? 無理しない範囲で毎日がイキイキするものを見つけたいものです。好きな歌手やスポーツを応援するというようなことでも、何でもいいと思います。

歳を重ねれば大切な人を失ったり、悲しいことに出合います。それは止められない。でも、アテクシはそこから新たな生きる道が見つかり、この巡り合わせにも意味があると受け止めています。

自分の好きなことに挑戦するのは本当にワクワクして、青春時代みたいでした。仕事に力を注いで夜帰宅すると、もうひとつ別の世界がある。失敗したらどうしようと思わず、夢を見る楽しい部分だけ味わえました。

このたび発表した物語で、「期待」の主人公は、心の奥にしまいこんでいた夢に向かって歩き出します。「選択」では設定こそ変えていますが、アテクシの半生が投影されています。どれも、なりたい自分を引き寄せるヒントを短い物語に込めています。共感していただけたら本当にうれしいです。

※次回(1月22日公開予定)は、各物語のテーマとメッセージについて、Tomyさんが解説。制作秘話を盛り込んでお届けします。

プロフィール

精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして、気持ちが軽くなる考え方のヒントをツイッターで発信。たちまち話題になり、現在はフォロワーが26万人を超える。人気ツイートが掲載された書籍シリーズ『1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(他3冊/すべてダイヤモンド社)は、累計発行部数21万部を突破。現在、作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』@PdoctorTomy

【データ】

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「心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)

価格:1430円

●精神科医Tomyの元気の出る金言【第1回 しんどい状況が続いてるあなたへ】

●精神科医Tomyの元気の出る金言【第2回 月曜が憂鬱なあなたへ】

●精神科医Tomyの元気の出る金言【第3回 もっと生きることを楽しみたいあなたへ】

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