年金受給開始まであと3年のおひとりさま女性「資産2200万円で老後は大丈夫?」

年金受給開始まであと3年のおひとりさま女性「資産2200万円で老後は大丈夫?」

  • MONEY PLUS | くらしの経済メディア
  • 更新日:2021/05/01

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ
今回の相談者は、61歳、会社員の女性。現在再雇用で勤務中の相談者。悔いのない人生のために、来年退職を予定しているといいますが、老後資金は大丈夫でしょうか? また、いずれお母様の介護が必要になった場合はできる限り在宅で行いたいとのことです。FPの飯田道子氏がお答えします。

老後を迎えるおひとりさま女子です。令和2年3月に60歳で定年退職し、同じ職場に再雇用され2年目を迎えます。仕事中心の生活のなかでやり残してきたことがあり、後悔のない人生にしたいという気持ちが日に日に強くなり、来年3月で退職を考えています。気持ちは強いのですが、年金受給開始まで3年残っており、私の預貯金で老後が大丈夫か不安です。

現在の収入からも貯蓄は続けており、月収入の余りは貯金と株購入に当て、ボーナスは現在はほぼ全額貯金しています。コロナ禍がなければ年20万ほどは旅行などで使うはずでした。現在預貯金で約1,600万、投資の内訳としては約500万を投資信託で運用し、その半分はNISA枠を当てています。残り100万円で株式投資をしています。

同居はしていませんが80代の母親が同市内におり、今のところ元気です。退職後は、年金受給開始までの間月6万円から8万円程度稼ぐことは不可能ではないです。いずれ母に介護が必要になった場合は、できる限り介護保険を活用して在宅で対応したいと考えています。介護費用等は母の遺族年金等で賄い、きょうだいが一人いるため、介護の分担はある程度可能です。私自身の年金は、64歳で特別支給の老齢年金が月額約7万5,000円支給され、65歳以降は月額約14万円になる見込みです。よろしくご教示をお願いします。

【相談者プロフィール】
・女性、61歳、会社員、独身、一人暮らし
・住居の形態:持ち家(マンション・集合住宅/宮城県)
・毎月の世帯の手取り金額:18万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:50万円
・毎月の世帯の支出の目安:12万円

【毎月の支出の内訳】
・住居費:2万3,000円
・食費:3万円
・水道光熱費:1万円
・教育費:1万円
・保険料:1万円
・通信費:1万円
・お小遣い:1万円
・その他:1万7,000円

【資産状況】
・毎月の貯蓄額:6万円
・ボーナスからの年間貯蓄額:50万円
・現在の貯金総額:1,600万円
・現在の投資総額:600万円
・現在の負債総額:0円

飯田:今回は、老後を迎えるおひとりさま女子からの相談です。現在、再雇用中で来年3月に退職を考えている相談者様。後悔のない人生を送りたいものの、老後資金が大丈夫か不安を抱いているようです。また、いずれお母様の介護が必要になったときは同居をし、在宅で対応したいと考えているようです。相談者様の老後資金は大丈夫なのか? どのような点に注意していけば良いのかを考えていきます。

老後資金の流れを考えてみましょう

相談者様の場合、年金が受給できるのは64歳から特別支給の老齢年金として月額で約7万5,000支給され、65歳以降は月額約14万円になる見込みとのこと。来年3月に退職されるようですが、年金の受給が開始される64歳までは、月額6万円から8万円程度は稼ぐことができるそうです。

現在の毎月の支出は12万円。退職後も毎月収入を得られるのなら、貯金を切り崩すのは月額4万円から6万円となります。

62歳で退職し、64歳までの2年間は貯蓄を切り崩した場合、最大で6万円×12カ月×2年=144万円です。貯蓄額と投資額をあわせると2,200万円です。このままのペースで生活を続けていけば、特別支給の老年年金が支給される時点で、手元には2,000万円強のお金が残っている計算です。

今のデータで計算すると、65歳からの年金は約14万円受給されますので、65歳以降の生活は年金で賄うことができますし、手元資金も残すことができますので、あまり不安に感じなくても良いでしょう。ただし、このデータはあくまでも今日の時点での話です。ライフプランの変更があったときには、見直しをしてください。

お母様との生活もシミュレーションしておく

相談者様一人の生活を考えた場合、特に問題は見受けられませんでした。では、お母様と同居した場合には、どのようになるのか、考えてみましょう。

お母様との同居はお母様の介護が始まってからを想定されています。介護に関する費用は、お母様が受給されている遺族年金で賄えるようです。また、介護の分担は、ごきょうだいと可能とのこと。ある程度の道筋ができているのは素晴らしいと思います。

相談内容に書かれてはいませんが、お母様との同居はお母様の自宅で同居するのか、相談者様の自宅で介護をするのかによって、考えるべきことが違ってきます。相談者様のご自宅でお母様と同居するときには、先ほどのシミュレーションでは、毎月2万円のゆとりがある計算です。

とはいえ、一人暮らしから二人暮らしになることで、日々の生活コストは変わってしまいます。もちろん、お母様のお金も生活費に回っていくと思うのですが、どれくらいかかるのかをシミュレーションしておくことが必要です。

一人暮らしから二人暮らしになったときのコストの目安は1.5倍です。現在の支出は12万円ですので、二人暮らしになると、毎月の支出は18万円です。つまり、相談者様が65歳以降に同居を開始すると、生活コストは毎月4万円増えることになり、このような生活は20年間続いたとすると、生活コストは合計で960万円増えることになります。

きょうだいでの役割分担を明確にしておく

お話しからすると、ごきょうだいとの仲に問題はないようですので、お母様の生活費はどのように負担するのか、あらかじめ話し合っておくと良いでしょう。

お母様に関する支出の優先順位は、(1)お母様のお金、(2)きょうだい間での按分です。

介護の分担ができるのは、相談者様にとっては助かるかと思います。とはいえ、それに伴いお金の流れも違ってきます。また、お母様が要介護状態になったときには、それにかかる費用にも違いがあります。

いくら仲の良いきょうだいであっても、お金を介することで、壊れてしまうこともあります。何にいくら使ったのか、誰が使ったのかを記録し、ごきょうだいにもお金の流れを把握してもらいましょう。良好な関係を壊さないためにも、役割分担を明確にすることが大切です。

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(飯田道子)

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