「働き盛り」の老化危機、救世主なるか 究極のエクササイズ「タバタトレーニング」とは?

「働き盛り」の老化危機、救世主なるか 究極のエクササイズ「タバタトレーニング」とは?

  • AERA dot.
  • 更新日:2022/01/19
No image

体内年齢について調べた研究によると、実年齢38歳時点で、体内年齢は28歳から61歳まで、33歳もの開きがあった(写真:gettyimages)

いつまでも若々しい人は、同じ年齢でも「体内年齢」が違うという。特に40代からは筋力量の低下が始まるだけに、その差が生まれやすい。コロナ禍で運動不足ともなればなおさらだろう。AERA 2022年1月17日号は、体内年齢を下げるための運動法を紹介する。

【図】タバタトレーニングの例はこちら*  *  *

時の流れは万人に平等だ。だが、「若さ」となると、そうともいえない。

以前は「若いね」とよく言われた。いつの間にか「年相応」になり、最近は「疲れてない?」とよく言われる。あの人は肌艶もよく若々しく見えるのに、自分はそうではなくなった──。そんな覚え、ないだろうか。

体内年齢の差について、こんな報告がある。ニュージーランドで実施され、2015年に発表された「ダニーデン研究」では、同じ年齢の男女約千人を対象に、心臓・肝臓・腎臓の機能、血圧やコレステロールの状況など18の項目について、26歳から38歳までの12年間、追跡調査した。すると、38歳時点の体内年齢は28歳から61歳まで、なんと33歳もの開きがあったのだ。

なぜ、これほど差が出るのか。どうすれば体内年齢を若く保ち、若返らせることができるのか。

「まずは自身の体組成と体内年齢を知り、『どう生活を変えるか』を考えるとよいと思います」

こう話すのは、「体組成計」を開発・販売しているタニタ開発部の深山知子さんだ。

■筋肉量多いほど若い

体組成とは、脂肪、筋肉、骨、水分など体を構成する組成分のこと。タニタの体組成計は、体重、BMI(身長と体重から割り出す体格の値)、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量などを計測する。体内年齢は、厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準」にある「基礎代謝基準値」の年齢傾向をもとに作成した、タニタ独自の計算式に、計測した体組成値を当てはめ、推計値として算出している。

「一般に同じ体重でも、筋肉量が多い人ほど基礎代謝量は多く、体内年齢は若く出ます」

30代から50代までの編集部員男女8人も体内年齢を測ってみた。すると、スポーツ習慣のある57歳の男性が体内年齢42歳だったほかは、軒並み実年齢前後をウロウロ。そこまでひどい年齢が出なかったのは救いだが、総員、運動不足には自信がある。

深山さんは、計測時の筋肉量に注目してほしいと話す。

「男性も女性も40代くらいから筋肉量の低下が始まります。コロナ禍の運動不足も、体重の増加、筋肉量の低下につながる。基礎代謝量が減れば太りやすくなり、体内年齢も上がります」

老化の瀬戸際にいるのはわかった。運動不足もわかっている。でも、運動しろといわれてもハードルが高い。そんな人におすすめなのが、4分という短時間で済むタバタトレーニングだ。

立命館大学スポーツ健康科学部の田畑泉教授が科学的エビデンスを1996年と97年に発表し、欧米では十数年前からよく知られる。田畑教授が言う。

「タバタトレーニングは、『高強度の運動を20秒間行い10秒間休む』を1セットとし、6~8セット行う。HIIT(ヒート)と呼ばれる高強度インターバルトレーニングの一種です」

■究極のトレーニング

一般的に「楽」から「きつい」と感じる運動の最大酸素摂取量が50~70%。タバタトレーニングでは運動強度を最大酸素摂取量170%にするので、凄まじくハードだ。休憩なしでの高強度の運動は、人間は50秒程度しか継続できない。タバタトレーニングでは10秒の休憩を挟むため、6~8セット継続できる。

タバタトレーニングのメリットは、私たちの体に備わる有酸素性と無酸素性という二つのエネルギー供給機構を、同時にしかも最大限、刺激できることだ。前者はジョギングなどの有酸素性運動で鍛えられ、後者は中距離走や筋トレのような無酸素性運動で鍛えられる。

実験では、トレーニングを開始した当初は無酸素性のエネルギー供給量が多かったが、8セット目では最大酸素摂取量とほぼ同じ酸素を摂取していた。無酸素性供給量の指標である酸素借も、限界まで達していた。まさに「究極の有酸素性運動であり究極の無酸素性運動」(田畑教授)といえる。

酸素摂取量が増えれば、持久力が高まる。持久力が高いと活動量も増え、血管年齢や体内年齢の若返りにつながる。

「そんなキツいトレーニングが自分にできるのか?」という人に朗報だ。田畑教授によると、「タバタみたいなトレーニング」でも持久力を高められることが判明したという。運動経験がない20歳代の女子大学生7人がバーピージャンプを20回、週3回行ったところ、6週間で持久力が平均7%向上した。

ポイントは、運動後のきつさを「楽」「ややきつい」「きつい」「かなりきつい」の4段階に分けた場合、「ややきつい」から「かなりきつい」の強度にすること。目安は週2~3回。運動内容はバーピージャンプでもハイニー(腿上げ)でも反復横跳びでもダッシュでもいいが、体の中で最も大きい筋肉、下肢の筋肉をダイナミックに使うものが望ましいという。運動前後はストレッチを行うことも忘れずに。(編集部・小長光哲郎、ライター・羽根田真智)

※AERA 2022年1月17日号より抜粋

小長光哲郎,羽根田真智

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加