Z世代向けSNSマーケティングと手法 第3回 Z世代のニーズに応えるSNSマーケティングの成功事例を紹介

Z世代向けSNSマーケティングと手法 第3回 Z世代のニーズに応えるSNSマーケティングの成功事例を紹介

  • マイナビニュース
  • 更新日:2023/05/26
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ペンマークは、学生向けの履修管理SNS「Penmark(ペンマーク)」の開発・提供を軸とし、Z世代のアンケート調査や企業の学生向けマーケティング支援を行っています。この連載では、現役の慶應義塾大学生でありながら経営者の顔も持つ筆者が「Z世代のSNSマーケティング」をテーマに解説します。第3目となる今回は、SNSマーケティングの具体的な事例について取り上げます。

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Z世代向けSNSマーケティングの成功事例

以下では、Z世代をターゲットとしたマーケティングの成功事例をご紹介します。
事例1:サウナ体験を通じた「シーブリーズ」のブランディング

最近の第三次サウナブームの中、Z世代にもサウナは人気です。デオドラントブランド「SEA BREEZE(シーブリーズ)」は、男性の"サウナー"(サウナ愛好者)向けに「シメブリーズ」という新しい体験を提案しました。サウナ→水風呂→外気浴の後にシーブリーズを体に塗ることで爽快感と快適さが続くことをPRし、シーブリーズの新しい活用法を紹介しました。

また、昨年には全8色のボトルカラーを推しのイメージカラーと結びつけ、SNSに投稿しました。「推し活にもぴったり」というハッシュタグと共に、Z世代のインサイトを捉えた情報発信を行うことで、企業ブランディングの形成に寄与した事例です。

事例2:平成レトロトレンドにマッチした「心友(とも)グミ」の展開

菓子商品の企画や開発を行うクリートは、Z世代の注目を集めている平成レトロトレンドに対応して、「心友(とも)グミ」というコラボ商品を展開しました。平成レトロとは、1990年代~2000年代の平成初期に流行していたファッションやデザイン、文化などを指し、Instagramのハッシュタグは4万件に上ります。

「心友(とも)グミ」は、平成の女子学生を中心に大流行した「一期一会」シリーズとのコラボ商品です。「一期一会」はスクールライフや友情、恋愛をテーマにしたイラストとメッセージつきのステーショナリーグッズが当時の女子学生に大人気となり、一大ブームとなりました。今回の新商品は、当時の小中学生だった今の大学生が平成レトロな文化を楽しめるとして話題となっています。

商品のパッケージにはARフォトフレーム(全24種類)付きの二次元バーコードや、名前を書けるスペースが設けられており、ARフォトフレームで写真を撮ってからInstagramのストーリーズに投稿するとお菓子詰合せがもらえるキャンペーンも実施しています。

この商品をきっかけに「一期一会」のLINEスタンプのダウンロードやSNS上での投稿が増えました。Z世代の懐かしさや親しみやすさに訴えることで販促活動に成功した事例です。

事例3:Z世代で話題!原宿にオープンした「友達がやってるカフェ」

「友達がやってるカフェ」は、店員があたかも友達のように接客をすると話題のカフェです。友達がアルバイトをしているカフェに遊びに行く気分になれるとして、Z世代を中心に話題となっています。

カフェのコンセプトを知らない友達に「友達がやってるカフェあるんだけど、行かない?」と声をかけ、種明かしをして反応を楽しんでいるそうです。TikTokやInstagramの投稿を通じて、友人との訪問やその様子をSNS上で共有することで集客につながりました。

メニュー名がまるでセリフのようになっており、「いつも飲んでるやつ」という名前のメニューはランダムで選ばれるソフトドリンク、「サッと出てくるおつまみ、何かある?」はスパイシーオリーブなど、種明かしされてからでも楽しめる仕掛けがたくさんあります。

こちらは、Z世代が興味を持つようなコンセプトの新しさや話題性に加え、近い距離のコミュニケーションにより顧客の愛着を獲得した事例です。

成功事例から学ぶ4つのポイント

ここまで、Z世代向けのSNSマーケティングの具体的な事例を3つ紹介しました。これらの事例から、以下のポイントを学ぶことができます。

ターゲット層のニーズとトレンドへの対応
Z世代向けのマーケティングでは、ターゲット層のニーズやトレンドに寄り添ったコンテンツや体験を提供することが重要です。例えば、サウナ体験や平成レトロトレンドにマッチした商品展開では、Z世代が興味を持つトピックにうまくアプローチしました。

SNSを活用した情報発信とユーザー参加の促進
SNSを活用して情報発信やユーザーの参加を促すことで、共感やブランドの形成、集客につなげることができます。ハッシュタグやキャンペーンを通じてユーザーとの対話を促すことで、SNS上での投稿やシェアの増加が期待できます。

プラットフォーム選定とコンテンツ最適化の重要性
Z世代は複数のSNSプラットフォームを場面ごとに使い分けているので、適切なプラットフォームの選定とコンテンツの最適化が必要です。各プラットフォームの特性やユーザーの利用傾向を把握し、効果的なマーケティング戦略を展開しましょう。

トレンドとユーザーのニーズへの敏感さ
Z世代のトレンドやユーザーのニーズは急速に変化しています。マーケティングのプロフェッショナルには、常に最新のトレンドやユーザーのニーズに敏感であること、そして迅速な対応が求められます。

これらのポイントを踏まえてZ世代向けのSNSマーケティング戦略を再検討し、ターゲット層との深い関係を築きながらブランドの認知度や集客を拡大していくことが重要です。

横山直明 よこやま なおあき ペンマーク 代表取締役CEO 1997年生まれ。慶應義塾大学4年。高校時代からフリーランスとしてウェブ制作やアフィリエイトなどの活動を行う。2018年12月にペンマークを設立。自身が留年した経験から履修管理SNS「Penmark」をリリースし、慶應生の約80%が利用するサービスに成長。 2022年には前澤ファンドよりシリーズBラウンドの資金調達を実施。現在は大学生活のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するべく、大学生に特化したサービスを複数展開。 この著者の記事一覧はこちら

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