気候変動対策は貧困層へのケアを...今後の環境対策に向けて議論

気候変動対策は貧困層へのケアを...今後の環境対策に向けて議論

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  • 更新日:2021/11/25

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月15日(月)放送の「フラトピ!」のコーナーでは、先日閉幕した“COP26”について深掘りしました。

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◆気候変動対策は貧困層へのケアを…

国連気候変動枠組条約に加わる190以上の国と地域が参加する国際会議「COP26」。10月31日に開幕し、終了予定を1日延期して11月13日に閉幕しましたが、議論の中心となったのは、産業革命前と比べた地球の平均気温の上昇を2℃未満、できれば1.5℃以内に抑える目標「パリ協定」達成への道筋でした。

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そして、最後に取りまとめられる成果文書には「世界の気温上昇については1.5℃に抑えるための努力を追求すると決意」という文言が入り、温室効果ガス削減対策が講じられていない石炭火力については、段階的な「廃止」から「減らす」に変更。そこにはインドなどの反対があったとされていますが、石炭火力の使用はさらなる発展を目指す国にとっては死活問題。インド以外の国でも同様な声があり、それは日本も。

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日大文理学部 助教の大澤正彦さんは、「(電力量の)30%以上石炭火力に頼っている」と指摘します。さらに「現状を見ると、2030年に石炭火力をゼロにするのは現実的ではない」と苦慮し、石炭火力ゼロに代わる別の方法を提案。例えば、広島では石炭火力による二酸化炭素を排出しないよう工夫した施設もあることを挙げ、「対策を講じた石炭火力も知った上で議論できるともっといいのではないか」と意見を投げかけます。

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NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、今回のCOP26で「やはり先進国の正義感だけで国際社会の協調は図れないことがわかった」と舌鋒鋭い意見を述べつつも「1.5℃以内に気温上昇を抑えることに関して、全体で合意が取れたのは大きな前進だったと思う」と評価します。

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一方、石炭火力“廃止”から“削減”への変更については、「インドなどの反対で弱まったとあるが、その背景には貧困の解消と環境保護の二項対立みたいなものがある」と見解を示した上で「エネルギー政策を誤ると、貧困層はものすごい大打撃を受ける。そこに声を上げている人たちも含めて、本当にわかっているのかと言いたい」と注意を促します。

大空さんは、その一例として「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」を挙げます。これは当初年間700円程度だったものが、今は1人あたり2万円ぐらいと大きな負担になっています。さらに2024(令和6)年からは「森林環境税」という新たな税も追加となるため、より貧困層を注視すべきと危惧します。

実際、大空さんが運営する相談窓口を頼ってくる人のなかには、厳しい生活を耐え忍んでいる方も多く、「そういう人たちの存在を含め、この気候変動対策はやらなければいけない。富裕層、余裕のある人たちだけではダメ。そのあたりの認識が全然足りていない」と厳しく批判します。

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◆COP26は“ごまかしの祭典”なのか…

COP26で岸田首相は、温室効果ガスを2030年度に2013年度比46%削減、再生可能エネルギーは火力発電をアンモニアや水素といったゼロエミッション火力化するとしています。しかし、石炭火力発電廃止に関してはその道筋を示さず、日本は地球温暖化対策に後ろ向きな“化石賞”に。

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なお、日本の電源構成比を確認してみると、2019年は火力発電が76%。これを2030年の目標案では41%と掲げ、再生可能エネルギーは18%から36~38%に増やすとしています。

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Z世代の大学生が番組に集結する「Zフォーラム」に参加していた法政大学 田中研之輔ゼミの澤勇樹さんは、「先進国も過去には環境破壊をしていたわけで、発展途上国に対して『発展するな』とは言えないのでは」と“環境”と“発展”のジレンマに困惑しながらも、「先進国はまず後進国に寄り添う。話し合いをしながら、ベストな対策を考えていくことが大切」と対策を提案。

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COP26について、世界的な環境活動家グレタ・トゥンベリさんは「先進国による環境配慮に見せかけたごまかしの祭典だ」とTwitterで痛烈に批判。そして、政府や団体の目標については「カーボンオフセットによる“実質ゼロ”を前提に議論が進んでいる」としています。

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この意見に対し、大空さんは「僕はグレタさんと意見が全く違うと思うが、“ごまかしの祭典”については初めて意見が一致する」とグレタさんの意見に賛同。気候変動対策を訴えながらも、参加者の多くはプライベートジェットや政府専用機で開催地イギリス・グラスゴーに向かっていることに違和感を唱え、「メキシコの(ロペスオブラドール)大統領はオンラインで参加し、みんな『偽善だ』と言っていたが、その通りだと思った。ごまかしの祭典以外何ものでもない」と酷評。会議のあり方も含め、見直すべきところは見直すべきと糾弾し「SDGsも1番目が貧困の解消で、気候変動対策は13番目。SDGsの価値は誰1人取り残さないことなので、そこももっとしっかり見ていかないと」と改めて貧困層と進むべきと訴えます。

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かたや大澤さんは、「(COP26を)ごまかしの祭典とは見ていない」と言います。環境対策を行うにしても、まずは一人ひとりの意識とともに地球全体で環境を守るべきという雰囲気を醸成していく必要性を示唆し、「そういう意味では、こういう祭典で大々的に取り上げることでムードを作っていくことは、直接的な解決策の1つ」と主張していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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