
◆ソフトバンク2-5DeNA(18日、ペイペイドーム)
【記者コラム】
すべてが悪とは思わない。試合の展開上、必要な時だってある。だが、やはり「四球」は失点につながりやすいのだろう。2点ビハインドの8回だった。この回から3番手で登板した又吉は安打と盗塁で1死二塁のピンチを背負ったが、6番神里を中飛に打ち取って2死までこぎ着けた。
しかし、ここから突如制球を乱した。7番山本にはファウルで粘られ、8球投じた末に四球。続く8番森には一転してストライクが入らず、ストレートの四球で満塁とピンチを広げ、9番林に右前適時打を許した。これでチームのビハインドは3点まで広がった。
ただでさえ痛い、試合終盤の失点。それが下位打線を相手にしてのものとなると、オープン戦とはいえ「もったいない失点」と映るのも無理はない。又吉にしてみれば昨年7月に右足甲を骨折して以来初となる連投で、宮崎キャンプ中の対外試合も含めて今春7登板目で初四球とあって責められる内容ではないのかもしれないが、そこは通算431登板を誇る名リリーバーだ。試合後は猛省していた。
「真っすぐは144キロが出ていたし、取りたいアウトの取り方もできた。ただ、二つの四球は余計だった。自分の取りえはコントロール。ああいう投球をしないようにやってきたので。あんな投球をしていたら自分の投げる場所がなくなる」
その考えが投手陣全体に浸透してきたのだろうか。この日の試合前まで、ホークス投手陣の今オープン戦での総四球数は11試合で19個と12球団最少だった。1勝差に泣いた昨季は12球団ワーストの474四球を記録し、藤本監督は「(連覇した)オリックスより与四球が100個近く多い。そこを同じぐらい(の数)にすればいい勝負ができると思う」と与四球減を今季の課題に掲げてきた。オープン戦はまだ6試合を残すが、改善傾向は見られる。最後まで動向を見守りたい。
西日本スポーツ