『家、ついて行ってイイですか?』いつ病気になるかわからないから...短い間でもタワマンに住んでいる夫婦

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2021/06/09

6月2日放送『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)は、題して「人生一度きり 〇〇に熱く打ち込む人SP」。傍から見たら理解不能なことでも、それが本人にとっては生きる糧となっている。そんな人生の業がよくわかる1時間だった。

カップ麺と100均の日々でタワマン入居が可能に

神奈川県・鶴見駅でスタッフが声を掛けたのは、犬の散歩をしていた57歳の女性。とても上品そうで、いかにもセレブといった感じだ。「タクシー代お支払いするので、家ついて行ってイイですか?」と尋ねると、彼女は「タクシー代いらない」と即答。「(家は)ここだから」と彼女が指差したのは、駅前にあるタワーマンションだった。ここの27階、角部屋に住んでいるらしい。やっぱり、セレブ! あと、「角部屋」と強調するところにプライドを感じなくもない。当然、彼女は訪問を快諾してくれた。家を自慢したい気持ちもあるのでは? ならば、セレブな住居を早く見に行こうではないか。

……と思いきや、その途中に通りかかった駐車場を指して彼女は言った。

「私の時給1,020円のバイト先。でもウチ、車ないよ」

タワマンで生活しているのに、彼女は週5でアルバイトをしているそうだ。はて?

というわけで、ご自宅に到着。どうやら、60歳の旦那さんもすでに仕事から帰宅していたらしい。職業は通信会社の管理本部長さんだそうだ。

さて、リビングに足を踏み入れると……凄い! めちゃめちゃお洒落なお部屋だし、大きな窓から見える景色は絶景でしかない。外を見ると、羽田空港から横浜ランドマークタワーまで余裕で見渡すことができる。角部屋ダイレクトウインドウは大正義!

もちろん、この部屋は持ち家である。価格は8,210万円で、毎月のローン返済は32万円だそうだ。ちょっと、庶民には考えられない額である。やはり、2人は勝ち組なんだな? 窓からふと下を見下ろすと、茶色いマンションがあった。

奥さん 「あそこに住んでたんです。いつも、非常階段に座って毎晩(今のマンションを)見てた。『(いつか)あそこに行けるかな~?』って」
ご主人 「やっぱり人生1回しかないから、後悔のないように引っ越した。節約してね」
奥さん 「だから、今でも(夫は手作りの)おにぎり持って会社行きます」
――じゃあ、お2人は余裕で暮らしているわけじゃないんですか?
ご主人 「全然!」
奥さん 「余裕じゃない」

奥さんが週5でバイトをしている理由がやっとわかった。切り詰めて切り詰めて、ようやくこのマンションでの生活が可能になったということ。

「ここにはお医者さんとか弁護士さんとか、それなりの方しか住めないんですよ。サラリーマンでバカみたいに住んでるのは僕らぐらいで(笑)」(ご主人)

決して、勝ち組ではないと2人は主張する。事実、ご主人が好きなお酒は特売のハイボールだそう。彼は毎朝5時起きでおにぎりを作り、それを昼食にしている。しかも、給料日前は塩おむすび1個らしい。棚を開けるとカップ麺が大量にストックしてあるし、家の生活用品は必ず100均で揃えている。

――外に食べに行こうとは?
ご主人 「絶対しない! 外食なんかしないもん」
奥さん 「外食したらここに住めないの」

勝ち組を嫌っているわけではないが、2人に好感を持ってしまった。気取ってなくて、いいご夫婦だ。でも、解せない。見栄を張る性分じゃないのに、なぜこうまでして高いマンションに住んでいる? 全てを犠牲にし、身の丈に合っていない生活を望む理由は?

ちなみに、2人の出会いは合コンだった。25年前に結婚して以来、ずっと2人で水入らずの生活を送っている。そんな中、ご主人が大病を患った。大動脈解離だ。『ベルセルク』作者・三浦建太郎さんの死因としても記憶に新しい病気。10年前、今の1つ前のマンションに住んでいる頃にご主人はこの病で倒れた。

ご主人だけではない。奥さんは17年前に胃がんが見つかった。36~47歳までの間はがんになって子宮筋腫になり、ほぼ10年間寝たり起きたりの繰り返しだった。

奥さん 「這ってトイレに行って、這ってリビングに行く。40歳で遺書書きました。未来なんか何も考えられなかった。何がしたいとか」
ご主人 「だから、次にまた病気になるまでの間にやれることやっとかないとさ。1回病気になると、回復まで時間かかるじゃん」
奥さん 「病気、病気ばっかりの(夫婦)。『10年失われたなあ』って、取り返そうと思って今すごい必死」

軽い気持ちで家について行くと、そこには壮絶な過去があった。いつ、また病気になるかわからない。だから、ローン審査が通るうちに決心し、念願のタワマンに住もうと行動したのだ。

ご主人 「挑戦でタワマン買えるかどうかやったら、経済的に無理だと思ったから1~2年だけ住もうと思ったの。だって、今まで住んでたマンションの(ローンが)3倍くらいだから。それでも挑戦したかったの。だって、病気してたから」
――このマンションに住んでいかがですか?
ご主人 「よかった」
奥さん 「最高だった。駅近だし、景色もいいし」
ご主人 「屋上のヘリポートから見る花火大会」
奥さん 「360度ですよ!? セレブな気持ちを味わうことができました」

幸いだったのは、2人の価値観が共通して衣食住の「住」にあったことだ。ただ、大病を患ったのだから、もう少し食生活を充実させてほしいと願ってしまう。おにぎり1個だったりカップ麺だったり、また何か起こってもおかしくなさそうな毎日だから……。

実はこのご夫婦、このタワマンには住み続けない。何しろ、管理費が高すぎる。このマンションは月に5万円だ。率直に、しんどい額。ローンが完済できたとしても、いつまでもその費用が付きまとうということ。だから、引っ越すのだ。次の住居は、鶴見の15坪の3,000万円戸建て。マンションを売った差額で購入できてしまった。タワマンに住みたい夢は1度叶えたので、ネクストステージへ進むのだ。2人には新たな夢がある。

ご主人 「新居の駐車場で商売始める」
奥さん 「テイクアウト。おにぎり屋さん」

何たる伏線回収……! 節約のため、早起きして昼食を作っていた日々がここで生かされた。おにぎりがここでつながるとは。思いもよらない不意打ちの展開に、思わずプッと笑ってしまった。いいオチだ。楽しそうなご夫婦で何より。

淡々としているけど、この2人には行動力がある。前向きなご夫婦だ。自分たちの可能な範囲でやりたいことをやっているし、タワマンを人生のゴールにしなかったところも好感が持てる。壮絶な過去を経験しているのに、本当に上手く生きている。ちょっと羨ましい生き方だった。というか、偶然にもこんなご夫婦によく巡り合ったものである。

東京都江戸川区の激安スーパーでスタッフが声を掛けたのは、お母さんと弟さんを連れた10歳の女の子、まなみちゃん。彼女のお家へお邪魔すると、そこには8歳の妹・あいりちゃんもいた。1歳の弟・しょうた君を含め、3人姉弟のようだ。3人は家で、よくかくれんぼをして遊んでいるらしい。

「異性で歳が離れたからなのか、(姉2人はしょうた君を)すごい溺愛してますね。3人目は男の子が欲しいなあと思っていながら、7歳と9歳で歳開いちゃったんで」(お母さん)

まなみちゃんとあいりちゃんは、家の手伝いをよくしてくれる。しょうた君をお風呂に入れるのも、寝る前に絵本の読み聞かせをしてあげるのも、彼女たちが担当する仕事だ。つまり、弟に対してだけでなく母への愛も大きい。家の壁には、まなみちゃんがお母さんに宛てた手紙が貼ってあった。

「ママへ さいきんママがんばりすぎだよ 私、心配だよ ママ、私いつもより手伝う だから無理しないでね。」

いたずらするしょうた君に気付くと家事を止めて構いに行く母を見て、彼女は心配した。まなみちゃんは弟ができて変わったという。

お母さん 「まなみは実は、昔は結構……問題児ってほどではないけどね、すぐいじけちゃう性格だったんですよ。小学1~2年生のときは担任の先生が注意をするとへそ曲げちゃって授業が受けられなかった。本当、変わりました」
――どうして素直に聞くようにしたんですか?
まなみ  「お母さんがしょうちゃんができて忙しくなったりしたから、困らせちゃいけないなと思って」
お母さん 「そこからすごいガラッと変わって、自ら勉強するようになったし、お手伝いも自らやってくれるし」

2人の姉は弟が欲しいとずっと思っていた。つまり、お姉ちゃんになりたかったのだ。

あいり  「みんな弟や妹がいたから、可愛さを味わってみたいなと思って。しょうたが生まれたときが1番心に残った印象ですね」
まなみ  「天使だと思いました!」
あいり  「すっごく嬉しくて、言葉も出ませんでした。家族の癒しで、何か嫌なことがあったらすぐしょうたに……(泣)」
まなみ  「慰めてもらうね……泣いてる(笑)」
お母さん 「涙出ちゃうほど、しょうた好きなんだもんね」
あいり  (泣きながらうなずく)
まなみ  「学校でも、ずっとしょうたのことばかり考えてる」
あいり  「それだね(泣)。家帰ったら、すぐしょうたにギューしてもらう」
まなみ  「『おかえり』言ってくれるんだよね。だから、それで嫌なこと吹っ飛んじゃう」

10歳差、8歳差の弟だから、本当に可愛いのだろう。こんな2人の姉に可愛がられ、しょうた君はどんな風に育つのだろう?

まなみ 「優しくて、たくましくて、人を助けられる男の子になってほしい」
あいり 「ジャニーズ入ってほしいね。今、こんな可愛いんだからなれると思う」

大丈夫か? 度を越した甘やかしぶりだ。将来、しょうた君はシスコンにならないだろうか……。

――もし、しょうた君に彼女ができたらどう思う?
あいり 「私たちが許可するまでは、絶対に彼女は付き合いはさせない」
まなみ 「私は、しょうたが選んだ人なんだから『絶対、幸せにしてあげて』って言う」
あいり 「言葉遣いとか悪い人はちょっと避けましょう」
まなみ 「うん、避けようね」

厳しい。厳しすぎるお姉ちゃんたちだ。この歳から、もう小姑! 溺愛というレベルを超えており、「彼女だなんてお姉ちゃんたちが許さないわよ!」と言い出してもまるでおかしくない。しょうた君には茨の道が待ち受けてそうだし、彼と交際する女性も大変である。

もしこの番組が続いていたら、20年後にしょうた君がどんな風に育ったかを見てみたい。そして、この3人の関係がどんな風になったかも確認してみたい。この日は「〇〇に熱く打ち込む人SP」だったが、2人の姉が熱く打ち込んでいるのはしょうた君である。

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