介護現場 苦しい人繰り/コロナ下の青森県内

介護現場 苦しい人繰り/コロナ下の青森県内

  • Web東奥|東奥日報社
  • 更新日:2021/09/15
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マスクをしながら入浴介助する八戸市の特養ホーム「瑞光園」の職員。人手不足から一時期、入浴介助を清拭に切り替えたこともあった(提供写真)

青森県内の介護施設で、新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者が出ると一定期間、複数の職員が休まなくてはならず、苦しい人繰りを強いられるケースが目立っている。食事や排せつケア、感染対策など基本的な業務を維持するのが精いっぱいで、一時的に介護の質が低下した事例もあった。各施設は、人員配置を工夫したり、バックアップ体制を強化したりしている。

八戸市の特別養護老人ホーム「瑞光園」では8月下旬、ワクチン接種済みの職員1人が陽性となった。

保健所の指示で濃厚接触の職員5人が自宅療養となったほか、職員5人が自主的に自宅療養を申し出。職員六十数人のうち11人を欠いた運営となった。

入浴介助を一時中止し、体を拭く清拭(せいしき)に切り替え。ゲームなど娯楽活動は中止した。人の出入りが制限されたため、精神的に不安定になる入居者もいた。一部の職員は6日以上の連続勤務となった。

「これほど一度に職員が休んだのは初めて。ワクチン効果で感染が広がらなかったのは幸いだったが、課題が浮き彫りになった」と沢田章施設長。母体の社会福祉法人全体でバックアップする体制をあらためて確認したという。

9月に入り、市内の学校で陽性者が出た-との情報が相次ぎ、関係職員の勤務シフトを急きょ変更しなければならなかった。沢田施設長は「感染状況など、市から正確な情報提供があればこちら側も対応しやすい」と話した。

八戸市でグループホームなどを運営する民間事業所では、職員のほか、職員の家族が濃厚接触者となった段階で出勤停止にしている。このため、人手不足感に拍車が掛かっている。8月末には、職員1人が陽性となった影響で5日間、デイサービスを休止。約150万円の減収となった。

「限られた人員、厳しい経営環境で運営している施設が、コロナの影響で休止した場合、収入面で支援する制度があってもいいのでは」と事業所代表。「休んだ職員にも十分な給料が支給される公的な支援も必要」と訴える。

県内の他の施設も万が一に備え、人員確保策を講じる。青森市の特養ホーム「寿幸園」では、単身の職員を、人員不足となった事業所の支援に当たってもらう体制を整えている。「単身職員は、家族へ感染させるリスクがないため協力をお願いしている」(担当者)

むつ市の特養ホーム「みちのく荘」は、職員とその家族の健康観察期間をできるだけ短くするため、PCR検査を積極的に受けてもらうことにし、検査費用を全額補助している。また、陽性者が出た場合、施設近くの寮に一時隔離し、家族に感染させない体制を取っている。

介護福祉に詳しい県立保健大の工藤英明准教授は、各施設ができる対応策について「施設内の一部業務の垣根をなくし、介護職以外の人が、仕事を手伝う体制も必要となる。法人内、施設内での体制を積極的に再構築することが求められている」と説明。「コロナ対応によってサービスの質が一時的に低下することを、利用者の家族などに説明し、理解と協力を得ることも重要」と語った。

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